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SmartHRの人事マスタを守る──QAエンジニアとして挑む、品質保証の現場

こんにちは。SmartHR品質保証本部のkannaとkaomiです。
kanna:2025年10月入社。人事マスタユニットのQAエンジニア。好きな動物はパグです。
kaomi:2023年07月入社のQAエンジニア。今年1月に年末調整プロダクトから人事マスタユニットに異動。好きな動物はウォンバットです。

私たちが所属する人事マスタユニットは、2026年からQAエンジニア(以降QAEと表記)が後述する人事マスタエリアに本格的に関わりはじめた、まだまだ走り出したばかりのユニットです。

このブログでは、私たちがどんな課題を抱え、どう向き合っているのか、そしてどんな仲間と一緒に働きたいのかを、現場の言葉でお伝えします。

人事マスタエリアとは

SmartHRの人事マスタエリア*1は、企業が「人事マスタ」としてSmartHRを活用できるようにするための開発領域です。

従業員およびその家族や組織の「正確な最新情報」と「履歴」を、SmartHRに一元管理すること、加えて、マスターデータを含む従業員に関わる情報を、効率的かつ正しく登録・更新でき、SmartHR内の業務だけでなく外部システムからも参照できることを目的にしています。

私たちが扱うのは、給与・雇用・組織といったセンシティブかつ高い品質要件が求められるデータです。データの誤りは、企業の給与計算や人事管理に直結します。だからこそ、品質保証のあり方が問われる領域です。

『人事マスタエリアのスコープ』と題された構成図。中央に『人事DB(従業員DB・組織DB)』があり、それを取り囲むように『従業員・組織データの登録・更新』、『データの検索・変換・出力』、『SmartHR内外とのデータ連携』、『データ管理の設定・セキュリティ向上』の4つの機能要素が矢印で接続されています。
人事マスタエリアのスコープ

人事マスタユニットとは

人事マスタエリアを品質保証の観点で担う人事マスタユニットは人給基幹プロダクト品質保証部配下に所属するユニットです。現在は少数のQAEで複数の開発チームを横断的に支援しています。

2025年下半期から人事マスタエリアへの関わりを始め、その関わりを強化する方針で2026年から本格始動したばかりのため、「まず現場を知るところから」というフェーズの最中です。

開発チームの課題を定性・定量の両面から把握し、エンジニアリングマネージャー(以降EMと表記)、プロダクトエンジニア(以降PdEと表記)、PMと言った様々な職種を巻き込みながら、エリア全体での品質保証を底上げすることをミッションとしています。

私たちが直面している4つの課題

課題1:エリアとしてフォーカスすべき品質が言語化されていない

「人事マスタとしての品質」とは何か──この問いに、エリア全体でまだ答えが出ていません。

「人事マスタの品質とは何か?」という問いに対する結論がまだ出ておらず、共通認識を持てていません。品質はQAEだけで決めるものではなくエリア全体で決めていくものだと考えており、「人事マスタ」の品質とは何かをPdEやEM・PMと会話しながら言語化している最中です。

課題2:開発チームごとに品質保証への認識、感覚が異なる

人事マスタエリアは、組織改編があり、異なる領域にいるチームが統合・新設されたエリアです。

QAEがほとんど関与していない状態で品質保証が行われてきたチームが多く、チームごとに品質保証への認識や感覚がバラバラです。そのため、テスト観点やプロセスについてエリア全体で会話していく必要があります。

このような状況に対して、リスクを適切に判断し、どこまで品質を担保するかについて、エリアとして一定の共通認識を持つことが重要だと考えています。また、人事マスタエリア全体で品質保証の共通認識を揃えた上で、各チームが自律的に品質保証に取り組める状態を目指したいです。

課題3:エリアとして備えているべき品質保証の知見やスキル、体制が整っていない

人事マスタエリアではこれまでQAEがほとんど関われていなかったため、エリア全体の文脈や経緯を十分に把握しきれていない面があります。

現在QAEは少数で複数チームを横断的に支援しながら、エリアとして品質保証に必要なスキルや知見を模索している状況です。そのため、すべての開発チーム・フィーチャーに均等に関わることは難しく、複雑な機能開発では開始時点からQAEを求める声が開発チームから上がっている一方で、それに応えられる体制がまだ整っていません。

課題4:開発チームだけで担う品質保証の体制が限界に近い

機能の拡大に伴い、品質面で考慮すべき事項が増え、影響範囲も広がっています。そのため、フィーチャー開発の際に、1つの開発チームだけですべてを考慮して対応することの難易度が高まってきています。

また、自動テストと手動テストを適切に棲み分けるための判断基準や、その知識の共有も十分にできていません。さらに、自動テストのメンテナンスについて定期的に議論する場がなく、各サイズのテストが内容を見直されないまま増え続けています。その結果、CIにかかるコストが適切とは言えない状態になってきています。

今、私たちが取り組んでいること

課題を前にして、私たちは「まず現場を知る」ことから始めました。定性・定量の両面から開発チームの実態を把握し、エリア全体の品質保証を底上げするための2つの戦略を進めています。

また、取り組みを「やりっぱなし」にしないために、インシデント・問い合わせ・バグ・PRなどの定量データを集め、継続的に追える状態を作っています。

戦略1:QAE関与戦略 ── 全フィーチャーのリスク分析とテスト戦略の導入

すべてのフィーチャーに均等に関わることはできないからこそ、優先度とリスクを最初に洗い出すことにしました。

  • リリースできなかったときの事業影響(重要度)
  • リリースまでの不確実性(リスク)
  • 他の開発チームとの関わり・開発難易度

これらをPM・PdE・QAEが一緒にスコアリングし、「どのフィーチャーに・どの工程で関わるか」をテスト戦略として定義します。

「リリース直前に初めて品質保証を依頼される」という後手の関わり方ではなく、上流からQAEが機能することで、コミュニケーションコストの削減とリスクの早期検知を目指しています。

戦略2:品質メトリクスの定義と可視化 ── 品質ダッシュボードの導入

インシデント・問い合わせ・Jiraバグチケット・PRデータ、これらの品質情報は集められていませんでした。この状況を改善するために、これらを収集してダッシュボードとして可視化し分析して、エリア全体での意思決定に活かす取り組みです。

「感覚」ではなく「データ」でプロダクトの現状を共有し、どのチームにどんな支援が必要かを説明・合意できる状態を目指しています。

まだ運用を始めたばかりで、バグチケットの起票プロセスの整備や、チームごとのラベリング運用の統一など、地道な課題が山積みです。それでも、可視化によって「何が問題か」を言語化できるようになった手応えを感じています。

『Bugs』と題されたバグ管理ダッシュボードの例。Teamごとの月別不具合発生件数を示す棒グラフと、合計の内訳を示すドーナツチャートが表示されています。
品質ダッシュボードの一例(表示データはサンプルです)

こんな方と一緒に働きたい

少数のQAEで始めたこの取り組みですが、すでにエリア全体を巻き込む仕組みを作り、インシデント・問い合わせ・バグ・PRデータといった定量データを継続的に収集・可視化できる基盤を整えてきました。「感覚」ではなく「データ」で語れる環境が、少しずつ形になってきています。

一方で、この大枠の仕組みを動かしながら、さらに推進していくための人手が足りていないのが正直なところです。

だからこそ、私たちと一緒に働いてほしいのです。エリアを巻き込む土台やデータを集める仕組みはすでにあり、その中で開発チームと並走しながら改善を回していく仲間を求めています。

私たちの課題を一緒に解決してくれるTEスキルとSETスキルに強みを持つQAエンジニアを募集しています。この仕組みを、一緒にもっと大きく育てていけたらうれしいです。

TEスキル(テストエンジニアリング)を持つ方

人事マスタエリアでは、課題1・課題2が示すように、「何をテストすべきか」がチームごとにバラバラな状態が続いています。

テスト戦略を自らリードしながら、開発チームに知見を移譲していける方が必要です。

  • 複雑なシステムに対してテスト設計の経験がある方
  • エンタープライズ品質のプロダクト開発に関わってきた方
  • チームにテストの文化を根付かせることに興味がある方

私たち自身は探索的テストやシナリオテストを軸にしていますが、テスト手法の幅を広げてくれる仲間と一緒に、このエリアのテスト品質を高度化していきたいと思っています。

SETスキル(Software Engineer in Test)を持つ方

課題4「開発チームだけで担う品質保証の体制が限界に近い」に対して、ソフトウェアエンジニアリングの技術で品質を支える仕組みが必要です。人事マスタが扱うデータの特性上、データ不整合を検知する自動テストや、テスト基盤の整備は、このエリアに大きなインパクトをもたらします。

特定の課題に対して解決アプローチを設計し、チームが継続的に運用できる状態まで持っていける方を求めています。

  • 自動テストの設計・実装経験がある方
  • テスト基盤やツールの整備に関わってきた方
  • 開発チームと協力しながらテスト文化を育てたい方

どちらか一方のスキルをお持ちの方も、両方をお持ちの方もぜひお話しましょう。まだ整備途上のエリアだからこそ、自分たちで作り上げる余白がたくさんあります。

最後に

人事マスタエリアのQA活動は、まだ始まったばかりです。

「言語化されていないものを言語化する」「バラバラなものを整える」「データで語れるようにする」──泥くさいプロセスが続きますが、だからこそ自分たちで作り上げる余白がたくさんあります。

センシティブなデータを扱うプロダクトで、本質的な品質保証に向き合いたいQAエンジニアの方、ぜひ一度話しましょう。

We are Hiring!

この記事を通して、SmartHRの人事マスタユニットの方向性や取り組みについて、少しでも興味を持っていただけたでしょうか。

もし「こういった取り組みの推進に興味がある」「もう少し詳しく話を聞いてみたい」と思っていただけたなら、ぜひカジュアル面談をご検討ください!私たちと一緒に、全社的な視点と横断的な活動を通じて、SmartHRの品質レベルの成長を支えていきましょう!

youtrust.jp

open.talentio.com

*1:エリアの詳細に関しての紹介記事 https://tech.smarthr.jp/entry/2025/07/28/214939




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