SmartHR Tech Blogをご覧のみなさんこんにちは。
2025年4月に新卒0期生としてSmartHRに入社しました、プロダクトエンジニア(以下、PdE)のrakkoと申します。
ふりかえり、レトロスペクティヴという取り組みが好きです。好きなテレビドラマは「振り返れば奴がいる」、好きな絵画は「見返り美人図」です。
今回の記事では、2025年4月~6月で実施された新卒PdEの研修において私が取り組んだ、「OODAふりかえり」という取り組みについて紹介します。
そもそもOODAふりかえりとは
OODAふりかえりとは、株式会社カケハシの小田中育生さんが考案した、チームの状況の変化に合わせてふりかえりのフレームワークを変える手法です。
ふりかえりでフォーカスする内容を都度変えることにより、チームの学びを最大化する効果や、場のマンネリ化を防止する効果が期待されます。
詳しくはスクラムフェス大阪2024にて小田中さんが発表した「OODAふりかえり〜何って…ただ毎スプリント、違うふりかえり手法を採用してるだけだが?」の内容を参照していただければと思います。
実際にOODAふりかえりを取り入れるまで
さて、OODAふりかえりの概要は分かったところで、なぜ新卒PdEの研修のふりかえりにOODAふりかえりを取り入れたのか、そしてどのように実施していったのかを説明していきたいと思います。
SmartHR初の新卒研修における課題
2025年度より初めての新卒採用を行なったSmartHRにおいては、当然ながら新卒研修についてのナレッジやノウハウはまだ蓄積されていませんでした。
当初は「新卒PdEが最短で配属先のチームに貢献できる状態になる」をテーマとして、まずは外部の学習教材を使いながらSmartHRの技術スタックに沿ったエンジニアリングの学習を1ヶ月間行い、その後新卒PdE全員でチームを組んで残りの2ヶ月弱で何かしらのプロダクトを作り上げるという研修が計画されていました。しかし、メンバーの持ち合わせるスキルセットがそれぞれ違う中で、同一の学習教材を使って1ヶ月間学習することが本当に配属先のチームに貢献できる状態になるための最短ルートなのか、という懸念の声が新卒PdE間で上がりました。
また、入社日からすでに配属先のチームが決まっていたために、新卒研修と配属先のチームでのOJTを並列で実施することになっていました。配属先のチームによっては「社会人としての基礎を身につけるために、6月までは研修に集中してほしい」「プロダクト開発に最短でジョインしてもらうために、4月からガンガン開発に入って欲しい」というような期待値の違いが生じており、こうした差異も新卒研修を進める上での課題となっていました。
※2025年9月に新設されたDevEnableが新卒育成に対する組織体制の整備に取り組んでおり、来年以降の新卒研修ではこれらの課題が解消される見込みですのでご安心ください! tech.smarthr.jp
ネガティブな感情に向き合うためのふりかえりを実施した
研修のカリキュラムに対する不安の声が上がり、各メンバーごとに研修への優先度も異なっている、そんな中で研修を進めるにあたって、一度新卒PdEメンバーが考えていることを率直に話し合える場を作る必要があると感じました。そこで、新卒PdEと研修メンターが参加する毎週のふりかえりにおいて「象、死んだ魚、嘔吐」というふりかえりフレームワークを実施することにしました。
象、死んだ魚、嘔吐とは、チームの心理的安全性を高めるために、以下の3つの観点からチームの課題について話し合うフレームワークです。
- 象
- 口に出さないけど全員が知っている課題
- 死んだ魚
- 放置をするとまずいことになる課題
- 嘔吐
- 胸の中にあった課題
SmartHRが掲げるバリューにも同じく「象」が存在しており、個人的に好きなフレームワークの1つでもあります。
実際にFigjam上で象・死んだ魚・嘔吐を実施した結果が下記です。

詳細な内容はここでは掲載しませんが、モザイク越しにも白熱した議論が繰り広げられているのが伝わるのではないでしょうか。参加者の一員である自分としても、なかなか口に出せていなかったモヤモヤを吐き出すことができ、新卒研修に関わるメンバー間での心理的安全性が高まった感触がありました。
カオスを乗り越えるためのふりかえり
議論の結果、研修のカリキュラム自体を見直し、新卒PdE全員でチームを組むことはせずに、受け入れ先チームでの開発をメインで進めるという方針となりました。一方で、新卒同士の横のつながりを保つことや、それぞれのチームでの学びを共有することを目的に、新卒PdE間の定期的なふりかえりについては引き続き継続することとなりました。
こうした中で私は、状況の変化に合わせふりかえりフレームワークの変更を毎週行うOODAふりかえりは、それぞれのメンバーが別々のチームで得た学びや困りごとを共有する、方向が予測しづらい現在の状況に向いているのではないかと考え、実際に先導しました。個人的にOODAふりかえりを実践してみたかったという気持ちもあったのですが、私の提案を受け入れてくれた皆様には頭が上がりません。
好評だったふりかえりフレームワークの紹介
さて、こうして始まったOODAふりかえりでしたが、結果的には新卒研修期間の3ヶ月でなんと8種類のふりかえりを実施することができました。全てを紹介すると膨大になってしまうため、今回はその中でも好評だったフレームワークを2つ紹介します。
Lean Coffee
Lean Coffeeは、参加者が話したいトピックを書き出し、投票で話すトピックの順番を決めた後、各トピックごとに一定の時間話し合うフレームワークです。それぞれのチームでの学びや困りごとを効率的に共有することを目的に実施しました。
このフレームワークの良い点は、事前に準備することなく、参加者が話したい議題をその場で決められることです。メンバーがそれぞれ異なるチームで働いている状況では、全員に共通する課題を見つけることが難しくなります。Lean Coffeeでは事前のテーマが決められていない分、各ユニットのコードレビューの進め方やリファインメントの進め方といったトピックから、入社から1ヶ月経っての率直な感想などのトピックまで、さまざまなテーマで話し合うことができました。
Celebration Grid
Celebration Gridは、成果だけでなく学びに焦点を当てるためのふりかえりフレームワークです。横軸にはMistakes、Experiments、Practicesという行動の性質を、縦軸にはSuccess、Failureという行動の結果を置き、自身が取った行動を6つの領域に分類していきます。
このフレームワークの良い点は、結果に囚われることなく、自分が取った行動から得られた学びをポジティブに振り返ることができる点です。SmartHR初めての新卒として働く中で、前例のないことへの挑戦や、社会人になって初めて体験したことが多くありました。Celebration Gridを実施することで、
- お客様の問い合わせ対応に入ったことでプロダクトへの理解度が増した
- 理解度が浅い部分でとりあえず手を動かした結果詰まってしまい、早めの質問の重要性を知った
などの学びが共有されました。
研修メンバーからの声
研修を終えた私は、OODAふりかえりを実践した研修メンバーに対して、研修期間のふりかえりに関するアンケートを実施しました。なお、アンケートは1(全くそう思わない)から5(非常にそう思う)の5段階評価で実施しました。
まずは、OODAふりかえりという取り組み自体への設問です。

過半数が5と答えており、4も含めればメンバー全員が肯定的な意見でした!不安もありながら進めた取り組みでしたが、なかなか好評で胸をなでおろしています。
次に、OODAふりかえりを通してどのような効果が得られたかの設問です。

「新卒PdE間でのコミュニケーションの活性化につながった」や「チームや自分自身の生産性向上につながった」という設問については肯定的な反応を多く得られました!コミュニケーションの活性化についてはメンバー全員が5を選択しており、特に効果的だったのではないでしょうか。
一方で、「チームや自分自身の課題を解決することにつながった」という設問に関しては半数が3を選ぶなど、あまり課題解決にはつなげられていなかったようです。こちらに関しては、それぞれ違うチームで働くメンバーが集まっているために各々の課題を深掘りするのが難しいということも一定あるとは思いますが、Next Actionを実施しての結果や効果の見直しまで手が回っていなかったことの表れであると考えているため、この点は今後のふりかえりにおける反省点としたいです。
さいごに
最後まで読んでくださりありがとうございます。
今思い返してみても、新卒0期生の研修はなかなかカオスなものでしたが、その中で得られた気づきや成長はとても大きなものでした。
今回は新卒PdE間で実施していることや、研修という限られた期間での実施ということで、ふりかえりとしてはある種特別なケースだとは思いますが、この記事でふりかえって得られた学びをもとに、所属しているチームにおいても有効なふりかえりを進められるように取り組みたいと考えています。
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