こんにちは! SmartHRでアジャイルコーチしたり、筋トレしたりしてるkouryouです。
この記事は、SmartHR初のAI活用コンテスト「A-1グランプリ」の開催レポートです。
開発組織全体の生産性向上を目指し、各チームのAI活用事例を共有・表彰する取り組みとして実施しました。
AI活用を推進している会社も多いと思いますので、少しでも参考になれば嬉しいです。
開催のきっかけ
元々AIを活用して生産性*1を上げていこう!という動きはずっとありました。
自分もアジャイルコーチとして、開発組織の生産性を上げていきたく、プロダクト開発におけるAI活用の推進をしていました。
その中で、SmartHRの開発組織としてAI活用において2つの課題を感じていました。
- 各チームや個人で取り組んでいることは多いが、共有されている事例が少ない
- チームや職能横断の取り組みが少ない
それらの課題を解決する方法として、開発組織向けのイベントを考えていました。CPOのadachiさんから「全チームが参加する形式の方がいいのでは?」と提案いただき、開発組織全体での大規模イベントを開催する運びとなりました。
全チームを巻き込む必要があり、内心ドキドキしていましたが、企画からCPOのadachiさんやVP of Engineeringのsaitorycさんに協力してもらい、無事開催できました。
イベントの概要
目的
A-1グランプリでは、以下の3つの目的を設定しました。
- 開発組織全体の生産性向上
- 開発プロセスや生産性を大きく向上させるAI活用事例の探索
- 再利用可能なノウハウの共有
- AI活用しているチームや人にスポットが当たること
- AI活用にチャレンジする機会の創出
M-1方式の審査
予選→決勝のM-1方式を採用しました。
- 1次審査(予選)
- 各チームが2025年上期のAI活用事例をまとめたレポートを提出
- 審査員による書類審査で上位10チームを選出
- 決勝
- 上位10チームがオンサイト会場でプレゼンを実施
- 審査員により上位3チームを決定
評価基準
以下の基準に沿って評価をしました。
- 該当プロセスの削減時間(導入前と導入後の作業時間の比較)
- 組織としての学びの重要性
- 新規性
- 独創性
- 定性的な成果
- 内部品質の向上など
- 現在の活用状況
- 将来性
- 実現性(他チームでも同様に成果が出そうか)
- スケーラビリティ(他チームでの導入コストが低いか)
イベントの様子
予選
全プロダクトの開発チームと、職種横断での取り組みやコミュニティ活動単位での参加もあり、合計41個ものレポートを提出いただきました。
各レポートごとに複数の活用事例があり、全体で100以上のAI活用事例(内容に重複あり)が共有されました。
Cursor/Devinの導入やレビュー支援、ドキュメント作成の効率化など多くの事例がレポートされました。
予選通過チームを絞り込むのが難しかったですが、CEOやCPOなど4人の審査員にご協力いただき、前述の基準を元に評価を行いました。最終的に上位10チームが決勝に進み、プレゼンを実施していただきました。
決勝
決勝では、各チームがオンサイト会場でプレゼンを披露しました。

欲を言えば全ての内容をテックブログ化したいですが、あまりにも量が多いため、本記事では入賞した上位3チームの内容を簡単に紹介します。
上位3チームには、追って具体的な活用方法をテックブログ化していただく予定なので、連載をお待ち下さい。
第3位 HRアナリティクスチーム
HRアナリティクスチームは、3つの事例を紹介しました。
- Devinにライブラリのアップデート情報を調査してもらう
- Sentry MCP ServerでAIと一緒にエラー調査
- CursorでSmartHRの生産性向上と採用に貢献
HRアナリティクスチームは、活用方法をわかりやすくまとめ、社内でも再利用しやすいようにしていた点が高く評価されました。
特にHRアナリティクスチームのhoriyuさんは、Cursorの使い方を社外にも発信し、採用にも貢献している点が素晴らしかったです。

第2位 デモ環境構築チーム
デモ環境構築チームは、2つの事例を紹介しました。
- Playwright MCPを用いたブラウザ操作で、デモデータを作るChrome拡張
- CSVの登録データにGeminiを用いて、シナリオベースのデータを作成
デモ環境構築チームは、お客様にお見せするデモ環境を効率よく作るプロジェクトを担当していました。セールス・CS合わせて338人に使ってもらっており、そのROIの高さが評価されました。
工数がかかっているプロセスに、AIならではの価値を提供できている点が素晴らしかったです。

第1位 新規事業開発チーム
新規事業開発チームは、3つの事例を紹介しました。
- Devinを開発プロセスに組み込むことによるベロシティの向上と技術的負債の解消
- AIネイティブ開発
- 新機能のプロトタイプを4時間で作成
AIネイティブ開発は、PRD作成→設計書作成→Jiraチケット作成→実装を全てCursor上で行い、ディスカバリーとデリバリーをシームレスに行う開発スタイルのことです。
AIを使って今の業務をより良くするという発想を超えて、どう新しい開発者体験・開発プロセスを作るかまで実践されていて、「改善を超えて根本的に変えている」という点が高く評価されました。
そして、定量的な成果が示せていたことも素晴らしかったです。

A-1グランプリの効果
A-1グランプリを終えてみて、大きく3つの効果があったと思います。
- 再現性のあるAI活用事例のドキュメント化
- レポート提出により、再現性のあるAI活用事例が一気にドキュメント化されました
- 自分が知らなかった事例が20個もあり、各チームのAI活用の工夫に驚かされました
- 知見共有の加速
- 決勝をオンライン配信し、開発組織の半数以上に上位10チームの取り組みを共有しました
- AI活用にチャレンジする機会の創出
- レポート提出期間の1ヶ月間、AIを積極的に活用するチームが増えました
- 1週間AIメインで開発したり、2日間は新しいAI活用に集中する期間を取るチームも出たりしました
A-1グランプリの効果を振り返ってみると、当初の目的を達成できたと思います!
レポート提出や決勝に関わっていただいた社内の開発組織の皆さんに改めて感謝いたします。
今後の目標
社内にある活用事例は一通り吸い上げられたので、上手く整理して各チームが取り入れやすいようにしていきたいと思います。
また、普段はなかなか共有されていないAI活用事例が多くあることを知りました。理想的には、普段から共有されている状態が良いと思うので、そういった仕組み作りを模索していきたいと考えています。
そして上記のような取り組みでAI活用が浸透していくと、最終的には1チームの最適な人数が少なくなっていくと考えています。また、AIによって職能の壁を越えやすくなっており、以前は大変だった少人数クロスファンクショナルチームも容易に作っていける時代が来ると思います。
今後はアジャイルコーチとして、最適なチーム編成や組織構造も描いていきたいと考えています。
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*1:「生産性」という用語は短くてキャッチーな表現なので、この記事では多用しています。誤解を招きやすい用語なので、本来は生産性の定義から始めたいところですが、本筋ではないためこの記事では省略します。