
はじめに
newmoで自動運転を開発している Iwamin です。
2025年6月9日から11日にかけて、ニューヨークで開催された Datadog の国際フラグシップイベント DASH に登壇してきました。その後サンフランシスコに飛び、自動運転タクシー Waymo に乗車しました。本記事では、DASH 登壇までの流れと発表内容、そして商用運行している Waymo の乗車体験についてお話しします。
Datadog DASH への登壇
DASH は Datadog 本社のあるニューヨークで毎年開催されている国際フラグシップイベントです。新機能が公開される Keynote やユーザーのセッション、社員によるデモなどが行われるイベントです。AWS re:Invent や Google Cloud Next のような位置付けです。
このイベントには実は CfP の募集が存在し、これに通ると当日セッションをすることができます。英語での 40 分のセッションです。
実はすでに来年の DASH 2026 の募集も開始しています。もし興味のある方はぜひ挑戦してみてください。
Call for Proposals | DASH by Datadog
自分が CfP に送った内容およびセッション紹介ページとして公開されたものがこちらです。
当日のセッションは録画され、YouTube に公開されます。下手な英語でお恥ずかしいですがこちらが動画になります。もし雰囲気が気になる方がいましたらぜひみてみてください。
www.youtube.com speakerdeck.com
同様の内容で8月末に行われた Japan Datadog User Group Meetup#12@東京 で発表した日本語版の資料がこちらになります。
モノレポにおけるエラー管理 ~Runbook自動生成とチームメンションの最適化 - Speaker Deck
proto ファイルに記述した Runbook の内容をアラート通知に自動で埋め込む試みと、モノレポ開発におけるアラートのオーナーシップを明確にするための Reference Table を活用したメンショングループ設定について発表しました。
登壇までの流れ
自分は海外登壇も英語登壇も初めてでした。また、Datadog DASH の登壇に関する情報もとても少なく、過去に日本人で登壇した事例は、2023年の DASH での NTT DOCOMO さんの動画しか見つけられませんでした。
そのため、登壇までのタイムラインなどについて振り返りながら書いていきます。
3月上旬
CfP の締切でした。CfP の投稿フォームがあるのですが、特に投稿した後に確認のメールが来るわけではなかったため、提出はしたものの本当に届いているのか不安だった記憶があります。
3/20
Accept Mail がきました。登壇者情報の登録、そしてスライドのドラフトの提出、そして担当者との Dry-run なるものがあることを知りました。

5/5
ドラフトスライドの締切でした。ゴールデンウィークど真ん中でドタバタしていました。英語でのスライドを作ったことはなかったため、日本語と英語でのスライドの作り方の違いにとても苦労しました。
実は今回の DASH は IVRy の Moriya さんも日本人登壇者として参加しており、事前に繋げていただき色々と情報共有をしていました。Moriya さんはかなり前からスライドを作ってプレゼンの練習を始めており、絶望した記憶があります。
5/21 朝
最初の Dry-run がありました。自分のセッションを担当してくれる専属の Datadog 社員の方と、もう一人の Datadog 社員(こちらは回によって変わる)の前で、オンラインでセッションの練習をし、フィードバックをもらいました。
時差の関係で朝方に練習しました。練習後、スライドごとに細かいフィードバックを口頭とドキュメントでいただきました。ここまで手厚い登壇サポートはとてもありがたく、初めての海外登壇には素晴らしい環境でした。

5/29
スライドを修正して二回目の Dry-run をしました。この辺りはシャドテンを契約したり、夜中に何度もプレゼン練習をするなどしてなんとか英語を話すことに慣れるようにしていました。
5/30
スライド本締切でした。意外と締切からイベントまで残り日数がなかったため、緊張してあまり寝れなかった記憶があります。
6/9
昼過ぎに空港につきました。

🫡#DatadogDASH pic.twitter.com/YkHJ1ukiGn
— Iwamin (@B_Sardine) 2025年6月9日
その後、日本からの参加者向けにニューヨーク本社ツアーをしてもらいました。Datadog はすべての国のオフィスの家具やレイアウトなどを揃えているらしく、Datadog Japan ととても似たようになっていました。

また、COO とのセッションがあり質問することもできました。
DASH への日本からの参加者は昨年から 20 → 70人に増えたらしく、日本からの Datadog への関心の高まりを感じました。
また、夜は日本からの参加者向けのウェルカムディナーがありました。会場は本社のすぐ近くにあるウルフギャングステーキハウスの本店でした。
6/10
この日は Keynote と明日の発表に向けたテクニカルチェックがありました。Keynote はいつも配信で見ていたものを生で見ることができ感動しました。
ずっと生で見たかったDASHのKeynoteだ…
— Iwamin (@B_Sardine) 2025年6月10日
#DASH2025 pic.twitter.com/XdF4biqXkW
テクニカルチェックは実際にスライドなどが映るか、Speaker Note のサイズが大丈夫かなどを確認できる場でした。


また、会場には映像パネルで登壇者情報が表示されるようになっていました。こうして自分が表示されているのを見てテンションが上がると同時に緊張が高まっていました。
夜は Datadog Ambassador と Speaker のパーティーがありました。他のスピーカーとの交流ができてとても貴重な機会でした。


6/11
午前は IVRy の Moriya さんのセッションがあったため聴講しにいきました。LLM Observability の話をしており、中々まだ活用事例が出てきていないのでとても面白いセッションでした。自分は別の予定が長引き少し遅刻してしまったのですが、その時にはもうセッションルームは満員で入れない状態であったため「友人で写真を撮らないといけないのでなんとか入れて欲しい…」とお願いしたらこっそり入れてくれました。それくらい人気のセッションでした。
その後昼を挟み、自分は午後のセッションでした。お昼は緊張と焦りでご飯も食べずに、ずっと会場の隅の方で発表練習をしていました。
発表本番はスライドのフォントの問題で少し開始が遅れてしまいましたが、なんとか終えることができました。自分は Mac の Keynote でスライドをいつも作っているのですが、このような場だと Google Slides など環境差異がないものを選ぶことをおすすめします。想定以上に大変でした。
終了後に何人かから質問もいただき、なんとか無事終えることができました。いくつかギャグっぽいネタを仕込んでいたのですが、無事少し笑いをとることができてよかったです。

終了後は超高層ビル 30 Hudson Yards の 101 階にある Peak with Priceless Restaurant & Bar で Japan Networking Reception がありました。ニューヨークを一望できる景色を見ながら交流できました。全体を通して Datadog Japan によるイベントも盛りだくさんで非常に楽しかったです。


サンフランシスコへの Waymo 視察
せっかくアメリカに来たので、というにはあまりにも反対側ですが、自動運転チームとして Waymo を実際に体感すべくサンフランシスコに移動しました。この時は newmo が自動運転開発を始めているということをまだ公表していなかったのでひっそりといきました。
自動運転への参入構想はかなり前からあり、実は年明けには中国で実際に自動運転車に乗ってきました。


その際は Pony.ai と WeRide に乗りましたが、今回はそれらとの違いを確かめるという目的もありました。

街に到着するとすでにかなりの数の Waymo が走っており、何度もすれ違いました。すでに自動運転タクシーが走っていることが日常の街となっていると感じました。newmo メンバーの何人かとも合流して何度か乗りました。

他の自動運転タクシーとの違い
中国で乗った自動運転タクシーとの最大の違いは、助手席に座れることでした。Pony.ai も WeRide も後部座席のみが乗客スペースで、助手席には座れませんでした。そのため、真横でステアリングが動く様子を初めて見ることができました。
ECU のファンの音は全くせず、純電気自動車であることも相まって車内はとても静かでした。音楽も自由にかけられるため、パーソナル空間としてとても快適でした。
また、中国エリアは平坦な土地が多い印象でしたが、サンフランシスコは急な坂が多く、路上駐車の車両も大量にあり、難易度の高い街だと感じました。人間が運転する場合、坂の頂上を越える際など目視で確認できない場面もあります。そういった場面では、センサーで情報を捉えられる自動運転の方が、人間の運転よりも安全に機能しうると感じました。
中国の自動運転タクシーと比較して、UI/UX などの体験は良かったものの、Waymo だけが自動運転の正解と呼べるほどの差があるかと聞かれると、そこまでは言い切れないと思いました。Waymo が先頭を走っているものの、他のプレイヤーもかなり近いところまで来ています。この先、自動運転自体がコモディティ化していく流れになりそうだと感じました。だからこそ、この流れに我々もうまく乗って自動運転タクシーの実現を目指したいと強く思いました。
— Iwamin (@B_Sardine) 2025年12月20日
おまけ
最後にシリコンバレーのコンピュータ歴史博物館で、Waymo の Firefly を見てきました。ハンドルもペダルもない機体で、実働するプロトタイプとして当時運用されていたそうです。


おわりに
私はこれまで SRE および Platform Engineer としてオブザーバビリティを専門に取り組んできました。現在開発を進める中で、自動運転やロボティクスという分野でもオブザーバビリティが非常に重要であることを身にしみて感じています。Web から広がるハードウェア領域でもこれらの知見は活かせるだけでなく、それぞれの分野の技術をうまく繋ぐ上で欠かせない存在だと考えています。
今後もロボティクス領域におけるセンサーデータなどを含めた、より高度なオブザーバビリティへの取り組みを行っていきたいと思います。
自動運転チームでは現在 ML エンジニアを募集しています。大量のデータを信頼性高く扱いながら、効率的にモデル学習を進め、E2E 自動運転タクシーを一緒に実現しませんか?
面白そうだと思った方はぜひお話ししましょう!
書いた人: Iwamin