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iOSDC Japan 2025に参加・登壇してきました

こんにちは。 Gunosy で iOS アプリ開発担当の 小野 です。 2025 年 9 月 19 日から 21 日にかけて開催された、 iOSDC Japan 2025 に iOS チームが参加し、1名が登壇をしました。今回はその内容を簡単にご紹介したいと思います。


iOSDC Japan 2025 とは

iOSDC Japan 2025 は、iOS の国内最大級のカンファレンスです。2025 年で 10 回目の記念すべき開催となり、9 月 19 日から 21 日の 3 日間にわたって有明セントラルタワーホールで行われました。今回もオフライン会場での開催に加え、ニコニコ生放送を通じたオンライン配信も実施されるハイブリッド形式での開催でした。

今回は 76 個のスピーカーによる技術トークが行われ、オフライン参加者 1587 名、オンライン参加者 253 名に加え、スポンサー 80 名、スピーカー 110 名、スタッフ 70 名と、総勢 2000 名を超える規模での開催となりました。

会場では技術トークだけでなく、Swift コードを書いて戦うガチバトルコンテンツ「Swift コードバトル」も開催されており、コードゴルフの種目で参加者たちが腕を競い合っていました。また、協賛企業の展示ブースでは活発なコミュニケーションが行われており、コードの正誤問題や AI 関連のクイズ、企業紹介などが実施されていました。中には独自にアプリを開発してゲーム感覚で楽しめるクイズを用意している企業もあり、技術への情熱と創意工夫が感じられました。

夕方には参加者にビールが配られ、リラックスした雰囲気で LT(ライトニングトーク)を聞くという、技術カンファレンスならではの楽しい時間も用意されていました。

iosdc.jp

トークの紹介

今回参加したトークの中から、特に印象的だったものをいくつかご紹介します。

小野が気になったトーク

「iPhone のマイナンバーカード」のすべて

マイナンバーカードを iPhone の Apple ウォレットに追加できるようになりました。このトークでは、iPhone のマイナンバーカード導入によってできるようになったことや、使われている技術について詳しく解説されました。

背景技術として、Mobile Driver's Licence( mDL )というアメリカの運転免許証を iPhone に導入する技術があります。この技術の特徴は「選択的属性開示」で、例えば「 20 歳以上かどうか」といった限定的な情報のみを相手に提供できることです。データフォーマットには CBOR が採用されており、バイナリ形式でよりコンパクトにデータを表現することで通信コストを削減しています。また、生体認証を通じてユーザーがデータを渡すかどうかを明示的に承諾してから利用される仕組みになっており、プライバシー保護が徹底されています。 mDL の規格を他の身分証でも使えるように汎用化したのが Mobile documents( mDoc )で、これらの技術を用いることで、マイナンバーカードを Apple ウォレットに導入できているとのことです。 既存の技術が基盤としてマイナンバーカードの導入が実現されていたのは興味深かったです。

マイナンバーカードが Apple ウォレットに導入されたことで、電子証明書機能を活用できるようになりました。Apple ウォレットに格納されたマイナンバーカードに含まれる情報を取得し、本人確認として活用できます。

技術的な詳細として、JPKIPassContents という日本のマイナンバーカード専用クラスが用意されており、これを用いて年齢や性別、住所等を取得できます。ただし、この JPKIPassContents は一般開発者が自由に扱える API ではなく、適切な管理下で運用されているようです。マイナンバーカードの取り扱いに関してセキュリティの高さに関心しました。

また、Apple ウォレットのマイナンバーカードでは、桜のマークがシンボルとして使われており、傾けると色が変わるという視覚的な工夫も施されています。これは偽造対策としての効果があるそうです。Apple ウォレット側の開発者に依頼を行い、このような実装を取り入れてもらったという開発の裏側の話があったり、桜がシンボルとして選ばれた理由の話が面白かったです。 普段何気なく使っている機能の背後にある技術的な工夫や配慮の深さに感動し、最新の技術を実感できる貴重な機会でした。

fortee.jp

【スマホの熱中症対策】ThermalState API 実践活用ガイド

このトークでは、iOS デバイスの熱問題とパフォーマンスの関係について詳しく解説されました。夏場に iPhone が熱くなってアプリがカクカクした経験は誰にでもあると思いますが、その背景にある技術的な仕組みを深く知ることができて非常に勉強になりました。

まず印象的だったのは、デバイスが熱くなるとパフォーマンスが落ちる理由が「サーマルスロットリング」というハードウェア保護機能によるものだということです。CPU が過熱しすぎないよう、意図的に処理能力を抑制しているんですね。

iOS では ThermalState という API を使って熱状態を監視できることを初めて知りました。状態は 4 段階に分かれており、Notification Center に登録することで状態変化をリアルタイムで検出できるそうです。

  • Nominal(正常)
  • Fair(注意)
  • Serious(深刻)
  • Critical(危険)

特に面白かったのは、実際の検証実験の結果でした。熱の要因は内部要因( CPU やバッテリーの発熱)と外部要因(直射日光など)に分けられるのですが、内部要因だけでは限界があることが分かりました。無限に三角関数を計算させても最大 44 度程度で、Critical 状態にはならなかったそうです。

一方、外部要因の影響は想像以上に大きく、直射日光に当てた場合、わずか 236 秒で Critical 状態に到達し、ディスプレイ面が 52.8 度まで上昇したとのことです。さらに内部要因と外部要因を組み合わせると、90 秒という短時間で Critical 状態になってしまうという結果には驚きました。

実用的な話として、LUUP アプリでの実例も紹介されました。実際のユーザーからログを取得した検証結果です。6 月 2 日(気温 21 度)では特に問題なかったのに対し、8 月 31 日(最高気温 36.8 度)では正午に Nominal が減少し、Critical 状態のユーザーが全体の 8%まで上昇したという具体的なデータが印象的でした。

このトークを通じて、ThermalState に応じてアプリ側の UI を変更したり、ユーザーに求める動作を減らしたりする工夫により、ユーザー体験が大幅に向上する可能性があることを学びました。昨今の気温上昇を考えると、このような熱対策は今後ますます重要になりそうです。特に屋外で使用されるケースが多いアプリでは、この ThermalState API を積極的に活用していきたいと思いました。

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吉岡が気になったトーク

SwiftUI時代のスクショ保護〜セキュアなViewの作り方〜

このトークでは、UIKit を「ハック」することで、通常の実装では実現できない機能を可能にする技術が紹介されていました。

スクリーンショットから情報を保護する機能を直接実装する予定はないものの、限られた仕組みを組み合わせて、画面に任意の情報を表示させたり、逆に表示を隠したりするテクニックが解説されており、エンジニアとして強く知的好奇心を刺激されました。

こうした知識は、別の場面でも応用できる可能性があり、エンジニアとしての「引き出し」を増やすうえでとても有益だと感じました。

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登壇

Gunosy からは 吉岡 が登壇しました。

末尾再帰なら安心でしょ?って信じてたSwiftコードが落ちた夜(LT)

Swift における「末尾再帰」についてお話しました。 Swift でも末尾再帰の最適化は行われますが、コードを見ただけでは最適化が効いているかどうかを判別するのは難しい、という点を紹介しつつ、再帰を使うことへの考え方について考察しました。

日常的にコードを書いていると、コンパイラによる最適化を意識する機会は多くありません。今回の登壇が、その最適化を改めて意識し直すきっかけになったのであれば、とても嬉しく思います。

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まとめ

今回初めての iOSDC Japan 2025 参加となりましたが、3 日間を通じて非常に充実した時間を過ごすことができました。 企業ブースでは、各社が使っている技術スタックやサービスの特徴について幅広く知ることができました。普段接することのない企業の取り組みを知ることで、iOS 開発の可能性の広がりを感じることができました。 懇親会では他社の iOS エンジニアの方々と直接お話しする機会もあり、それぞれの開発現場での課題や工夫について情報交換できたのがとても楽しかったです。iOS コミュニティの活発さと技術への熱意を肌で感じることができ、とても良い刺激となりました。 iOSDC Japan 2025 で関わっていただいたすべての皆様、素晴らしいカンファレンスをありがとうございました!




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