キャリアプロダクト開発部の森 @jiskanulo です。
私ごとですが今年で45歳、WEBサービスの開発歴は20年以上になります。世間的にはベテランエンジニアとかシニアエンジニアとかと称される類だと自認しています。
そんな私ですが2026年1月に基本情報技術者試験を受験して合格しました。 この記事は、ベテランエンジニアが基本情報技術者試験をスキル棚卸しツールとして活用した体験と、受験しなくても使えるセルフチェックの方法を紹介します。
受験の動機
受験したきっかけは昨今のAIエージェントを前提とした開発手法の変化です。
ファインディではAIエージェントの導入・検証を積極的に行っています。 私もDevin, GitHub Copilot Chat, Cline, Claude Codeなどさまざまなツールやサービスを日々の開発業務に導入すべく検証していました。
2025年6月頃からClaude Codeを本格的に使用しはじめ、2026年3月現在では私自身が手でコードを書くことは全くなくなりました。
昨今のAIエージェントが主となり開発を進める体制では、AIエージェントへ適切な指示を出す力、AIエージェントからの提案を判断し承認・修正するための力が求められます。 この力をつけるための基礎知識として、基本情報技術者試験の内容はちょうどよいと感じています。
また、2025年末に開発部で「基本情報技術者試験の合格を目指しましょう」という方針も出たこともあり、社内のメンバーが続々と受験・合格している流れに乗りました。
受験理由をもう一つ挙げると、実は基本情報技術者試験を20年ほど前に受験して不合格になっており再挑戦をしないままでした。 さらに後年に応用情報技術者試験を受験し合格しているのですが、応用情報は持っているのに基本情報は持っていないというチグハグ感を解消したかったのです。
近いうちにデータベーススペシャリスト試験を受けようと考えていたところ、2026年度からCBT(コンピュータベースの試験)方式に移行するという情報があり、CBTの雰囲気を先に体験しておきたいという思いもありました。 ただデータベーススペシャリスト試験の実施そのものが2026年中は不明瞭な状況です。動向を注視しつつ、申し込みが再開されたらすぐエントリーしたいですね。
結果
科目Aは705点、科目Bは680点となんとか合格できました。もう少し余裕を持って合格したかったのですが、そこは今後の伸びしろとします。
得意と苦手が可視化された
受験して最も収穫だったのは、自分のスキルの輪郭がはっきり見えたことです。
得意だった領域
計算問題やコードリーディング、データベース正規化や稼働率計算などの問題はスムーズに解けました。 日常業務でコードを書き、レビューし、設計・運用を考えることを毎日やっているので、実務経験がそのまま得点に結びつきました。
過去問の模擬試験でもこれらの分野は正答率が高く、特別な対策をしなくても安定して解ける状態でした。
苦手だった領域
一方、会計管理や財務指標に関する問題には苦戦しました。損益分岐点、ROI、減価償却といったテーマは過去問を解いていても正答率が目に見えて低い分野でした。
振り返ってみると、日々の開発業務で財務指標を意識する場面はほとんどありませんでした。 業務で触れない領域は経験年数に関係なく穴のまま残っている。この気づきが、受験して得た最大の収穫でした。
得意と苦手のコントラストが意味するもの
この経験から見えたことは、エンジニアのスキルは実務でカバーしている範囲には自然と強くなれるが、逆に触れていない範囲は何年経っても盲点のままだということです。
基本情報技術者試験の出題範囲はITエンジニアの基礎知識を広くカバーしています。 だからこそ、受験すると自分のスキルマップの中で「どこが埋まっていて、どこが空白か」が浮き彫りになります。
試験のための勉強がすぐにサービス開発に活かせるかというとそうでもないのですが、自分の基礎知識の全体像を把握するにはちょうどいい粒度だと感じました。
試験範囲でスキルを棚卸しする方法
受験するにあたり、基本情報技術者試験ドットコムに大変お世話になりました。
私の場合は1日30分、20日間ほどで合計600問を回答しました。無料サービスの範囲でも十分に過去問を試すことができますし、有料のメンバー登録をすると学習の記録管理がしやすくなります。
スキル棚卸しをするために、まず科目Aの過去問を解いてみてください。 分野ごとの正答率が記録されるので、自分がどの分野に強く、どの分野に穴があるかが数値で可視化されます。
参考として、基本情報技術者試験の科目A出題範囲をもとにしたセルフチェック表を載せておきます。自分が「得意」「苦手」「触れたことがない」のどれに当たるか振り返ってみてください。
| 分野 | 自己評価(筆者の例) |
|---|---|
| 基礎理論(離散数学、情報理論等) | 得意 |
| アルゴリズムとプログラミング | 得意 |
| コンピュータ構成要素 | 得意 |
| システム構成要素 | 得意 |
| ソフトウェア | 得意 |
| ハードウェア | 苦手 |
| データベース | 得意 |
| ネットワーク | 苦手 |
| セキュリティ | 得意 |
| マネジメント(プロジェクト・サービス) | 苦手 |
| ストラテジ(経営戦略・法務) | 苦手 |
表のとおり、実務で日常的に使う分野は得意、そうでない分野は苦手という傾向がはっきり出ました。
正答率が安定して高い分野は実務でカバーできている基礎知識。低い分野やまったく分からない分野は、業務で触れていない盲点です。「知っているつもりだったが正確には理解できていなかった」という曖昧な領域も見つかるかもしれません。
受験のTips
CBT受験の雰囲気
当日午後に受験会場に着くと、試験開始時刻前でも受験を始めてよいと案内されました。 パソコンに向かう前に持ち物検査を終えて着席。
キーボードはログイン時にしか使わず、試験中はマウス操作のみ。紙とペンは貸してもらい、筆算やコードのトレースをしながら回答しました。
回答完了ボタンを押すとすぐに得点が表示され、合否をその場で確認できました。結果待ちのモヤモヤがなかったのは嬉しいポイントでした。
集中力の維持に課題
科目Bの時点で集中力が切れてしまったのが今回の反省点です。
20年前は午前問題のあとに2時間ほどの昼休みがあり、リフレッシュしてから午後問題に臨めました。現在の形式では科目Aのあと10分の休憩で科目Bが始まるため、体力的にも精神的にも消耗した状態で後半戦に入ることになります。
受験する前には十分に体調を整えて臨むことをおすすめします。
まとめ
基本情報技術者試験は、資格取得という目的だけでなく、自分のスキルの得意と苦手を可視化するツールとして活用できました。 スキルを可視化できたこともあり、今年中にデータベーススペシャリスト試験の合格を目指して準備を進めていこうと思います。
みなさんも試験を受けてみてください。受験しなくても、過去問を試すだけでスキルの棚卸しになりますよ。
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