こんにちは。 Findy Freelanceの開発チームでEMをしている中坪です。 この記事は、ファインディエンジニア Advent Calendar 2025の18日目の記事になります。
日々進化するAIや関連ツールをキャッチアップし、実務に活用することに苦労しているエンジニアの方も多いのではないでしょうか。
私たちは、チームでAIツールのキャッチアップを行う取り組みとして「10分勉強会」を実施しています。 本記事では、その取り組み内容について紹介します。
10分勉強会とは
発表者が5分間で学んだことを発表し、残り5分で質疑応答を行う形式の勉強会です。
この勉強会の目的は次の3つです。
- メンバーが学んだことをチームメンバーに共有する機会を作る
- 発表からその人の仕事、興味、課題などを知り、相互理解を深める
- アウトプットのハードルを下げ、アウトプットの習慣をつける
Findy Freelance開発チームでは、週に2回、10分勉強会を実施しています。 1回につき1名が発表し、ローテーションで全員が発表する形をとっています。
2024年の2月頃に開始し、継続しています。
2025年1月以降は、基本テーマを「生成AI活用」に設定し、変化の激しいAIツールのキャッチアップに焦点を当てています。
過去の発表内容の一部です。

発表内容の例
過去の発表内容の例をいくつか簡単に紹介します。
1. Sentry MCPとLog Analyzer with MCPを使った不具合調査
AWSが提供するLog Analyzer with MCPを使った不具合調査の方法を紹介しました。 このMCPはCloudWatch Logsの検索と分析を行うことができ、Sentry MCPと組み合わせることで、エラーの概要と詳細なログを横断的に調査できます。
Sentryでエラーの概要を把握し、CloudWatch Logsで詳細なログを確認することで、Claude Code上で一貫した調査が可能になり、エラーの根本原因を効率的に特定できた事例が紹介されました。
2. Gemini Canvasを使ったUIモックの作成と社内共有
仕様検討時にUIイメージを共有する方法として、Gemini Canvasの活用事例が紹介されました。 Geminiのチャット欄でCanvas機能を有効化し、既存画面のキャプチャと簡単なプロンプトを渡すだけで、動きのあるUIモックを作成できます。
生成されたHTMLをGoogle Apps Scriptにデプロイし、公開範囲を組織内に限定することで、社内のGoogleアカウントを持つメンバーだけがアクセスできるURLとして共有できます。
静的なキャプチャでは伝わりにくいインタラクションも、実際に動かせるモックを使うことで、仕様の認識合わせを効率的に進められた事例が紹介されました。 V0のような専用ツールと比べて、ファインディの社内で導入されている標準ツールで利用できる点が利点です。
3. Git Worktree Runnerの紹介
CodeRabbitが公開しているGit Worktree Runner (GTR)を使った開発効率化の事例が紹介されました。 このツールは、Git worktreeの作成と管理を簡単にし、AIツールとの連携をスムーズにします。
コマンド一つでworktreeとブランチを同時に作成でき、エディター(VS CodeやCursorなど)やAI CLIツール(Claude Codeなど)の起動も自動化できます。 フック機能により、worktree作成時にnpm ciなどの初期化コマンドを自動実行できるため、ブランチを切り替えてすぐに開発を始められる環境が整います。
git worktreeの導入ハードルを下げ、複数のタスクを並行して進めやすくするツールとして活用事例が共有されました。
持続するための工夫
10分勉強会がメインとなる開発業務の妨げにならず、継続的に実施するために、次のような工夫をしています。
発表のスキップを許容する
業務が忙しい時期や準備が間に合わない場合は、当日開催前までに周知すればスキップできるようにしています。
基本的には開発業務を優先し、発表者が自身の負荷状況を考慮して調整できる運用にすることで、無理なく続けられる仕組みにしています。
発表資料は任意
発表資料の作成は必須ではありません。 Notionに簡単にまとめるだけでも良いですし、実際の操作を画面共有しながら説明する形でも、誰かの書いたブログ記事を紹介する形でもOKにしています。 資料作成のハードルを下げることで、発表しやすい環境を作っています。
厳密ではないテーマ設定
基本テーマは設けつつ、テーマ以外の内容でも発表可能にしています。
業務での取り組み、ドメイン知識の共有、最近読んだ技術書の紹介など、特にチームに共有したいことなどがあれば、テーマ外でも発表可能です。
チーム内で開催する
ファインディのエンジニア組織全体ではなく、Findy Freelance 開発チーム内で開催しています。
チーム内であれば、Findy Freelance固有のプロダクトや事業やドメイン知識に関する内容も共有しやすく、実務に直結した内容を扱いやすいです。
全体開催に比べると、対象者が限定されており、一定の前提知識も揃っているため、発表者もテーマ設定や内容を考えやすいと考えています。
開催時間を短くする
オープン、クローズを含めて15分程度で会が終わるようにしています。
チームメンバー全員参加であっても、15分程度であれば業務の時間を大きく割くことなく参加しやすいと考えています。
効果と反響
チームメンバーの声
チームメンバーにアンケートを実施したところ、次のような声がありました。
AIキャッチアップの助けになっていたり、発表内容が実務に役に立っていることがわかりました。
良かった点: 色々MCPを知ることができたこと。Claude Codeの使い方を知ることができたこと。
AIのキャッチアップは大変なので知らなかった変更や知見を知れた
CloudWatch Logsの検索mcpはかなりの頻度で利用しています
自身が仕様検討する機会が多く、認識合わせのためのUIモックが必要だと感じている中でGemini Canvasを用いた画面モックの発表があり、すぐに仕様のすり合わせで活用することができた。
また、5段階評価で「生成AIのキャッチアップに役立ちましたか?」という質問に対しては、平均4.4点という高評価を得られました。
チームAI活用率
勉強会だけの効果とは言い切れませんが、Findy Freelance開発チームではAIツールの活用率は高い値を維持しています。
Findy Team+のAI活用レポートをみると、2025/09/16 - 2025/12/15の期間のAI利用者率は100%、AI利用プルリクの割合も70%を超えています。

単月でみると、最も高い月で10月のAI利用プルリク割合は約90%に達しています。

アンケートの反応なども合わせて考えると、10分勉強会がAI活用の促進に一定寄与していると捉えています。
メリット
アウトプットによる知識の定着
人に説明することで、自分の理解が深まり、知識が定着しやすくなります。 自分ではわかっているつもりが、発表しようとすると、理解が不十分な部分に気づくことがあります。
そこを調べたり、説明の仕方を考えたりすることで、より深い理解につながります。 この勉強会において、一番恩恵を受けるのは発表者自身だと感じています。
AIのキャッチアップをチームで取り組める
AIや関連ツールは日々進化しており、個人でキャッチアップするのは大変です。 一方で、新しいものがでてきたときに、少し触ってみる、試してみるということも重要だと考えています。 触ってみないと実際にそのツールがどのように役立つかを理解するのは難しいからです。
勉強会を通じて、他のメンバーが試したツールや活用事例を知ることで、個人のキャッチアップの負荷を軽減することができると感じています。 週2回という頻度も、変化の激しいAIツールのキャッチアップには適していると考えています。
聞いた内容をすぐに試せる
前述の通り、チーム内で実施しているため、発表内容が実務に直結しやすいです。 また、導入されているツールや対象とするシステムや環境が共通していることも多いため、発表を聞いた後にすぐに試してみることができます。
例えば、普段開発しているリポジトリにClaude Codeのカスタムコマンドを導入したという発表があった場合、他のメンバーにとっても普段さわっているリポジトリになるため、すぐに試してみることができます。 環境構築の手間も少なく、マージ済みであれば、勉強会を聞きながらその場で試すことすら容易です。
デメリット
体系的に学びたい場合や、基礎を固めたい場合には向いていないと考えています。 テーマは発表者が自由に選べるため、どんな内容が発表されるかは事前にはわかりません。 特定のトピックスに偏る可能性もありえます。また、深い内容を扱うには5分では時間がたりません。
Findy Freelance開発チームでは、現状ではミドル以上のエンジニアが中心の構成になっているため、自主性に一定の期待ができることもあり、この形式が機能していると考えています。
余談と「うちのAIがやらかしまして」の紹介
余談になりますが、10分勉強会では、試してみたけどうまくいかなかった事例も共有されることがあります。
また、AIの進化が早すぎて、発表した内容が古くなってしまったり、バージョンアップにより使えなくなったりすることもありました。
この記事を読んでくれている方の中にも、AIがうまく動いてくれなかった経験がある方がいると思います。
現在、Findyでは「うちのAIがやらかしまして」というAIを使ったときのちょっと笑えるやらかし体験をシェアする期間限定企画を実施中です。
ちなみにですが、私はこの投稿が好きです。
実際に体験がある方はぜひシェアいただけると嬉しいです!
他の方の投稿をみるだけでも面白いと思いますので、ぜひのぞいてみてください!
おわりに
Findy Freelance開発チームでは、10分勉強会を通じて、変化の激しいAIツールのキャッチアップをチームで取り組んでいます。 2025年は生成AI活用に焦点を当てて取り組んでおり、チームメンバーからも好評を得ています。
これは今のチーム構成や文化に合っているからこそ機能している面もあると考えています。 継続することが目的ではなく、チームの構成や人数や課題に応じて、勉強会の形式や実施するかどうか振り返ることも重要です。
ただ、どのような形式であれ、変化の激しいAIの進化をチームで協力しつつ、楽しみながらキャッチアップすることは継続していきたいと考えています。
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