どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
さあ先月は一体どんな映画を見たのか。年末に向けたブログを書くことを放棄しながら見た作品たち。4本は劇場鑑賞ですね。
バーバリアン
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
民泊泊まったらダブルブッキング…と思ったらその家の地下がすごいことになってて、なホラー。
こわいぞーこわいぞーと思わせて怖い。暗い廊下で主観視点とかやめてほしい、心臓が持たない(褒め言葉)
描かれてる怖さは、即物的な怖さでもありながら、社会において女性というものが襲われ続けてきた理不尽さの権化でもあり、ドントブリーズをよりフェミニズムの方に振ってみたらこんな感じに近くはなるな、と思う。とはいえ前半がフリになってねえとも思う。視点人物を増やしていくことで多層性を持たせたいんだろうが、あまりにもテンションが違い過ぎる画面が始まるとそれまでがほぼ無かったことになってしまったように思える。あと2人も映画作家出すなら、映画としての語りをしていた『X』のような鋭さも期待したかったが。
叛乱者たち

WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
ボリビアの先住民族の視点を持って語る映画集団ウカマウ。W杯に出れるかの境目、先日の日本でのキリンチャレンジカップも現地観戦したということでボリビア映画の彼らを見ておこうと。この作品しか時間が合わなかったんですが、これはまとめで見る作品だったなぁと思いました。
2005年にボリビアでは、先住民族出身の大統領が遂に誕生。スペインに植民地支配されてからの長き戦いに一定の成果が得られたわけである。それを起点にして、そして映画自体の終点にもしながらこれまでの戦いを色々まとめてるのだが、ボリビア史に明るくない上に、かなり引っ掛かりの少ない再現ドラマによるテレビドキュメンタリースペシャルみたいなつくり。死体の山に今の彼らがあるのは分かるのだが。
ジャグラー/ニューヨーク25時
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
元警官の娘が社長の娘と勘違いされて誘拐される。現場を目撃した父・ブローリン(ジョシュ・ブローリンのお父さんなんだと)と鬼ごっこが始まる。
まずはこの追いかけっこが無限に続くのではなかろうか、というぐらい延々追いかける。犯人の男も計画してるんだかしてないんだから怪しい行き当たりばたっりで逃げ続ける。
ここに警官時代の同僚で父ブローリンに横領やら署内での浮気やらをチクられてブチギレてる警官、5カ所も爆破予告があって大変と愚痴る役に立たない警部補、犯人の家付近でなんか湧いてきて襲いかかってくる若者集団、犬の飼い主から犯人を割る時から巻き込んだ形になる女性と、色んな人を巻き込みながらとにかく追いかける。
基本的にみんな倫理がどうかしてるし、何より話を聞いてくれないので娘が死ぬかもしれない、という焦りが加速していく。話を聞きたくても商品として存在するから金を払わなくてはいけないポルノ業界、警官だったら市中でショットガンぶっ放しても勘弁しろよーな感じで済む銃社会、移民と大企業によるジェントリフィケーション。色んなものをしれっと刺してはいるのだが、そんなことより追いかけっこがとにかく楽しい。
70年代のニューヨークの街並みをこれでもかと捉えているのも良い
LOVE LIFE
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
オセロ。白か黒かにひっくり返る、そういう二分するゲームの話かと思いきや、ちょっと待ってが通じない、相手がいないと対戦もできない、そういう話だった。
『ふつうの子ども』の嶋田鉄太だー!とか思ってたら起こること。なかなか難しい形の家族が晒される衝撃に個々人が向かいつつ、じゃあどういう形で人生を送るのか、目の前の人にどれだけ真摯に向き合うのか。
言語、国籍、年齢、障がい。様々な枠組みが個人を作り上げていく中で、違うからこそ対話がいるし、対話が無いと爆発が起こる。
とはいえ、この夫婦が成立した過程、描かれる劇中での感じからして爆発してくれ勝手に、あたしゃあんたらとは関わりたく無いわとは思う。案外、そういうの知らずにサプライズに呼びつけたあいつの方が正しいのかもしれん。そんなんに気を使ったりさせてる方がクソである
人生タクシー
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
三大映画祭を制覇した男、ジャファル・パナヒ監督作品。
この映画の時点でイラン国内での映画監督としての活動を禁じられているので、タクシー運転手として車載カメラに記録された映像、という形のモキュメンタリーになっている。
とはいえ、パナヒをパナヒと認識して接触してくる人間もまたいる、というメタな構造にもなっている。
車載カメラだけで行ったらもっと感動したとは思うが、それはそれで絵変わりが全くしなくなってしまうので手持ちのスマホやカメラの映像に切り替わるのも減点はしたくない。どうでしょう藩士としては、全然車窓に会話でもいいんですけどね。
いかにイラン社会が文化を制限しているのか、違法なDVDの販売してる男や、課題で映画を撮る姪の放つ映しちゃいけないって、本当なのにねー的な言葉が体制を厳しく批判している
ゴッズ・オウン・カントリー
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
『アンモナイトの目覚め』と引き出しがほとんど一緒やないか!と思ってしまう。
概念として「受け」だろうな、と思った方が受けの恋愛劇なので、まずセットアップで受けの牧場、家父長制でのしんどい様子を見せておいて、そこにやってきた期間労働者のゲオルゲのシゴデキと離別からのやっぱりお前が!はテンプレすぎるきらいがある。最初はルーマニア人だからジプシーと呼んでた相手、舐めてた相手が仕事が出来て、居場所を奪われる!と思ったら親父も倒れてどうしよう、という流れは分かる。分かるし、ジョシュ・オコナーも全面に表しているが、雇用主と雇用される側の…とか色々考えちゃったのも事実。ゲオルゲはそんなこと気にしてなさそうだったけども、だ。
シャイン
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
オーストラリアのピアニスト、デイヴィッド・ヘルフゴットの伝記映画…に近い感じ。
とにかくピアノの才能に溢れていたのだが、ナチによる被害があったことが念頭に「家庭」というものを重視した父によって国外でピアノを学ぶチャンスを潰される。二度目のチャンスを縁切りと引き換えに掴んだデイヴィッドだが、父の要求してきたラフマニノフの演奏を機に病状が悪化して精神病院に、そしてそこからの復活と父との和解、という感じでちょっとここは駆け足。家族によるこうじゃなかった批判はあるとのことだが、いかんせんしっかり本人がコミットしているのである程度は本人にとってはこうだったのだろう、とヘルフゴットの病状を考えると本人談をぜーんぶ信じるのもそれはそれで、という中間ぐらいの気持ちになる。
パリ、テキサス
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
ロードムービーの連続。テキサスで保護された男。身元から弟に連絡つけて迎えにいくけど、飛行機にも乗れないで陸路でのロードムービー。
そこから弟夫婦が自分の子ども同然に育ててきたコイツの子どもとの融和の時間。そして今度は別れた妻を探す息子とのロードムービーに。
ロードムービーの感覚と、遂に探し当てた妻との風俗店でのマジックミラー越しの通話は、完全に説明ではあるのだがしかしずっと聞いていていられる不思議さの同居。4年も育ててきて実子の扱いをしてきた弟夫婦の悩みにも回答はなく、かなり酷い話ではあるのに、どうしてこの心地よさが。
白いリボン
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
ハネケがずーっと描き続ける人々の悪性。
父権主義的なものが農村社会と合体したことで、教会も教育も農業も全てにおいて他者を害することベースで人々が動いている。物語の中で大きく事態は解決することはなく、ただじっと過ごすか、逃げるか、死ぬかしかない。
そうして向かう先が世界大戦だった、と言う終わり方は実に皮肉的だ
ソルフェリーノの戦い
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
元夫怖いフランス映画としては『ジュリアン』という本当に怖くて仕方のない作品があるのだが、それともまた違うバランスで成立している不思議な作品だった。
確かに元夫は怖いし、自分のことしか考えずに娘2人に会わせろと言ってくるのだが、母の方も割と良くないところがあったし、そしてそれを終盤に第三者に言わせまくっている。その上で、現パートナーとは気が合ってしまう。こうした人間の誰もが話せばわかるところと話しても分からないところを、正にその場で起きているオランドとサルコジの大統領選と併せて見せることで分断ともまた違う様相を浮かび上がらせるジュスティーヌ・トリエのデビュー作。子どもはただただ可哀想である
ロスト・イン・トランスレーション
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
知ってるようで良く考えると知らない時期の新宿・渋谷を中心にした東京を切り取ることに成功しているところしか評価できない。
アメリカのスターをビル・マーレイが演じ、若い夫婦の妻がスカーレット・ヨハンソン。言葉の通じない異国で中年の危機や夫婦間の距離の問題から同じ時間を過ごすようになる2人の話ではあるのだが、単純に日本を舐めている。日本を舐めてるというのは適切ではない。アメリカ以外ならどこでも良いのだ。アメリカ以外を舐めている。自分たちの文化が通用しないところは須く下に感じているような連中の恋煩いにはどうにも乗れない。藤井隆のとことかは全然実際そうだもん、ぐらい解像度はちゃんとしているので製作側に日本への敬意はちゃんとある。登場人物には無い。伝わるか?
シンプルに互いにパートナーがいるので色々バーガンディの話やら、女優の仲良い奴が出てきて嫉妬とか、一旦この2人が仲良くなっても良さそうな言い訳を作っているが所詮は言い訳にしか見えない。お前らアメリカにいても不倫するよ、ああ。
ポン・ヌフの恋人 4Kレストア版

WATCHA4.5点
Filmarks4.7点
橋のセットがとんでもない金額になった、とどこかで聞いたことがあったのだが、それを間違いだったと思うぐらいセットには思えぬ橋。
そこで繰り広げられるのはホームレスの男と眼を失いつつある美術学生の恋愛。帰るべき場所が工事のために封鎖されてる橋であり、仮初の住まいでしかない彼らが、普通では無い恋愛を繰り広げている。トー横は予見されていた…とも違うか。盗むし、他人に睡眠薬飲ませるし。でもそうした悪魔的な所業を繰り広げていくのが恋の無敵感を見せてくれるし、そうした中で水上スキー、そして花火と橋のダンスは今まで見てきた映画のダンスシーンでも1番だと思う。凄い多幸感。
そこをピークに一旦落ち着いてしまうが、彼女を失う可能性を目にしたアレックスがポスターを燃やし、ついでに人まで燃やす絵で再びどうかしてる感覚が蘇り出す。
どう転んでも好きな映画であることが確定した段階でしっかり罪を償った上でここでは無い何処か、ホテルのような仮ではない住まいに進む船へと乗り込んでいく様子は、実にこの2人らしい。
酒瓶を口で開けようとするジュリエット・ビノシュ、好きすぎる。
ファリダの二千の歌
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
ウズベキスタン映画を見たくて。
1920年代のウズベク、当然時期的にロシア革命がチラつくわけで、荒野に一夫多妻、男に新たに嫁がやってくるオープニングカットの空気とは異なる戦争と時代の足音のする作品に。
ボリシェヴィキ、久々に思い出した言葉である。なかなか不思議な構造の家で、そこを通じて描かれる生活はそもそも時代的にも地勢的にも全然知らないもので興味深い。アメリカにでも行け、と言われてもここに残ること、時代の歩みを進めず子どもを求め続ける姿勢が断罪されるも、爽快感もないのがなんとも言えないところだ。



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