どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
年末進行の時期ですが、すべての年末恒例の年ベス含めた総括ブログをちまちま書くことを放棄しています。もう年明けでもいいや、の心持。だからといって、別に年ベスの為に配信に来た新作を見ているわけでもないという。
それでも先月見た映画の振り返りはしておきましょう。
数に溺れて 4Kリマスター版
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
バキっと美術を決めてんなぁと思ってたらそのまま見事な撮影も!と思っていたらそこから超えてくるものが無かった。
3人のシシーがそれぞれ男を溺死させ、それを検視官に事故死にしてもらって見返りの肉体関係を断る。じゃあ検視官視点の方が面白かった気もする。1から100まで画面に出てるんだろうな、とは思うのだが、普通にスルーしてるタイミングもあるのでもう25!もう70!とか気付くと驚いている。そしてその数字遊びは、繰り返される映画内での不思議な権威性を持つゲームたちと同じように、特に意味も見出せなければ、メタ認知へ誘うことで映画自体への注力を失わせてしまう
グリーンフィッシュ レストア版
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
兵役から帰る列車。身を乗り出したマクトンにかかる赤いスカーフ。この赤いスカーフとその持ち主に彼の人生がベッタリとくっついて離れなくなることは、この後にボコされ、顔を洗って拭うシーンから明らかだろう。スカーフの女はマクトンを闇の世界へ引き摺り込む結果をもたらした。
彼自身の家族と、「兄貴」と呼ばせることに特権的である闇の世界の「家族」。どちらも決してうまくいっているわけでは無い。マクトンはその周縁をぐるぐる周り、そしてたまに接触する。どちらの家族をも成り立たせるためにマクトンは死んでいく。流石にもう少し説明してくれ!と思うシーンもあったのだが、43歳で小説家が映画監督になるデビュー作と思うと、いやいや十分なものである、とも思う。
ペパーミント・キャンディ デジタルリマスター版
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
20年ぶりに会った面々。でもこの男はリズムを無視して歌い、列車に轢かれて死のうとする。一体どうして彼はそうなったのか。壊れていく原因を少しずつ巻き戻りながら探す。
結局のところ、兵役の段階で遭遇してしまった光州事件、そこで女子高生を撃ってしまったことが原因のようにも思えるし、その前に負傷したことかもしれないし、そもそも市民に銃を向けたことかもしれない。戻りたかった20年前。彼の人生を辿ることで韓国近代史を探る…という試みには見えるのだが、あまりに冒頭が強く、そして光州でのいろいろもまた強く、その間がかなり間延びしてるように感じてしまった。というか、あくまで個人的な感覚としては、時制通りやって最後に線路で叫んでても全然感動した気がするのだ。
蜃気楼
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
サッカー選手、という文字が見えたので見てみたが、本当に蜃気楼のようなつかみどころがまるでない、掴んだと思ったら実態のない作品であった。
なんかよく分かんないけど八百長した男が、捕まって奴隷的な使役をされ、そしてそこから逃げる話。
彼の精神安定にはサッカーボールが不可欠のようで、鞄の中身もサッカー道具ばかり。じゃあ八百長すんな。
章立てになってはいるが、章のタイトルも無いので分けた意味が伝わらないし、逃げ出す銃撃戦にも主体性も感じない主人公だった。彼は一体何を思い、何をしてたんだろう。
バンクシー 抗うものたちのアート革命
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
一世を風靡している覆面作家、バンクシーについてのドキュメンタリー。
『風船と少女』の落札即シュレッダーインパクトから始まった上で、バンクシーの出身であるブリストルとそこに流入したグラフィティ文化がストリートカルチャーになっていく様子を示している。バンクシー自身が匿名であるのに、個人を掘り下げるタイプのドキュメンタリーの作り方なので、結果的にただの文化史になっている。文化史になっている割には、グラフィティ文化というなかなか容認していいのか難しい判断を迫られる問題が前提にあるので困る。芸術性は公共性を踏み越えて他者の住居や公共の空間、交通機関を「俺の」ものにしてしまうことは果たして納得できるのか、そこには答えず社会風刺が入ったから公共でしていい、に留まった。
グラフィティ文化の段階では、政府が仕事をくれればする、と塗料を盗むことをグラフィティ文化の根幹かのように振る舞っておいて、バンクシーが大衆化の名の下に資本主義に飲み込まれていっているようにしか見えないのももどかしい。ここも匿名性ゆえに本人からの反応が薄い。
何より、結局『風船と少女』でまた落とすところが稚拙と思ってしまう
ビューティフル・デイ
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
殺しも厭わない人探し屋のジョー。依頼を受けて助けに行った少女、だが襲われて奪還されてしまう。彼女を助けるために動き出すけど陰謀なのか、死体の山が襲ってくる…って感じではあるのだが、全然この手のジャンルムービーの要諦は押さえていない。完全にわざと外している。
人探しをしているジョーが抱えるトラウマとそこからの解放に近い話。その割に、そのトラウマがどんなものなのか、どうして乗り越えられたという扱いにするのかは結構フワッとしていて、殺しのシーンも含めて描かないことでこちらに想像力を求めているが、正直手を抜いただけに感じる描かなさ。タクシードライバーをベースにしているのはわかるのだが、金槌片手に乗り込んでいく人探しの男はタクシードライバーかぶれだった、は期待してないんです、ごめんなさいって感じ。「殺し」という行為やジャンルにおいては、ある種のインスタントなエンタメ部分を求めている自分がいる、というのは自分への問い直しも必要かもしれんな
MEMORIA メモリア
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
爆発音。それが脳内に響くティルダ・スウィントン。音の正体を探して色んな人に会う。
そうして出会う色んな不思議を、でも最後に出会う音響エンジニアと同じ名前の男が教えてくれる。過去現在未来、音は繋がって記憶として維持される。そしてそれは宇宙にも。宇宙船には流石にびっくりしたけども。国境どころか星間も、生死も超えて音が繋げるイメージは、アカシックレコードとかそういうことなのかもしれん。死んでるのは誰なんだかこんがらがったけど。
菌類ってそう言えばそんな感じで電気信号で会話できるらしいですね、そういうことかしら。電気信号といえば、前半に明確に電気による会話かのように「ホーリー・モーターズ」を思い出す車の警告音シーンはすごく好きだった
鬼手
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
囲碁ノワール史上最高の作品だった「神の一手」の続編というか、同じテーマでまたやった感じ。
シンプルに賭け囲碁しまくるし、囲碁のルールが分からんくても最終的に金か拳の話なので全く問題ない。
今作もトンチキ囲碁が炸裂しており、囲碁で取った碁石の重さで酸が発射される全自動失明装置や線路の走る鉄橋の上で命をかけた囲碁をしたり。序盤の囲碁に負けたら腕を落とすとかそういうのは本当に軽いジャブでしかない。冷凍庫早指し対決に劣らないトンチキを炸裂させてくれて嬉しい。
最終的にプロ100人組手とかいう意味のわからないスケールのことをして達成される復讐、そうだよ復讐ってこうじゃなきゃの方の欲を大変満たしてくれる。碁石をメリケンサックにしてのトイレ乱闘とか、暗闇でライトをつけることで目眩しにしたり、ビルの間の細いところを逃げる子にビンの投擲による割れガラスで攻撃したり、シンプルにアクションの面白さも担保されている。
はらはらなのか。
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
2017年の原菜乃華。
演じやすいようなのか、メタなのか。子役のなのかとして登場する彼女が、死んだ母の在籍した劇団で母もやった演目を演じることを通して、ある種の大人の階段を登るというか、成長を迎える。ブレイクなのか再ブレイクなのかは分からんがとにかくその前の松本まりかが母役。
演じる、という仕事と誰かに見られる、ということをいいことと悪いことの両面からしっかり描いてそれを見せることのできる原菜乃華に敬服。
ミュージカルパート含めて、雰囲気としてはかなりチャランポランタンに頑張ってもらってる
動くな、死ね、甦れ!

WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
それにしてもすごいタイトルだが、全然それに負けない。
ソ連極東の炭鉱の街が全体として収容所のような感じになって、そこの街の子どもの話。こいつがまた随分な悪ガキで、お茶を炭鉱夫とかに売ってるんだがよそのお茶はきったねえ井戸水だぞ、うちは泉だぞとか言うし、学校のトイレにイースト菌撒くし。だが、ついに度が過ぎる瞬間が訪れる。蒸気機関車の分岐器をいじって脱線、列車転覆を起こす。この瞬間の無音演出の破壊力はすごい。
スパイとかそういうのを疑われる事態に至り、彼は逃げるように街を出る。単なる悪ガキが徐々に社会を出て大人に絡め取られていく時、その社会の悪辣さが明らかになっていく。魔法のように現れる女の子が連れ戻しにきてくれるが、そんなことを許してくれる社会ではなく。
こういうのをヌーベルバーグと呼ぶのか、と錯覚してしまうぐらいのロケ撮影でのカメラの置き方が素晴らしいと思ったし、ドキュメンタリーを撮ってるのかと思うほど自然な子役たちの演技。問い詰めてくる男の照明の当て方とかも怖い。
そしてどうかしている社会。ソ連にとっての炭鉱のカナリアのような子どもたちの存在を国が終焉を迎えるその少し前に切り取った瞬間なんだろうな、と思う。
セガ vs.任天堂 Console Wars
WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
アメリカ、ゲームハード戦争。任天堂の米国展開に対してセガの現地法人がどう戦い、どう勝利し、そしてどう去っていったのか。
当時のゲームアニメーションのような画面を多用しながら、ファミコン、スーパーファミコンを展開してスーパーマリオで米国市場を完全に掌握していた任天堂にセガがメガドライブとソニックザヘッジホッグで勝っていく手法やカウンターだからできるモータルコンバットなど、面白さはある。ただ、ファミコンがニンテンドー、メガドライブがジェネシスと現地のハード名だし、日本のゲーム会社の現地法人の話の割には本社のせいで、みたいな論調のとこもあるのがどうにも。
まあ、なんでモータルコンバットとソニックの映画が向こうで当たってるのかはよう分かる
バーバリアン
WATCHA4.0点
Filmarks3.8点
民泊泊まったらダブルブッキング…と思ったらその家の地下がすごいことになってて、なホラー。
こわいぞーこわいぞーと思わせて怖い。暗い廊下で主観視点とかやめてほしい、心臓が持たない(褒め言葉)
描かれてる怖さは、即物的な怖さでもありながら、社会において女性というものが襲われ続けてきた理不尽さの権化でもあり、ドントブリーズをよりフェミニズムの方に振ってみたらこんな感じに近くはなるな、と思う。とはいえ前半がフリになってねえとも思う。視点人物を増やしていくことで多層性を持たせたいんだろうが、あまりにもテンションが違い過ぎる画面が始まるとそれまでがほぼ無かったことになってしまったように思える。あと2人も映画作家出すなら、映画としての語りをしていた『X』のような鋭さも期待したかったが。
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