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狂気と純粋の境界「トリツカレ男」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はクレヨンしんちゃんでお馴染み、シンエイ動画の新作であり、近年一の大傑作といえる花の天カス学園を作るなど、クレしん作品でも期待を持てる作家と言える高橋渉監督の最新作になります。

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WATCHA3.0点

Filmarks3.2点

(以下ネタバレ有)

 

 参ったなぁ、というのが正直な印象です。普遍的なラブストーリーに近いものであり、原作が160ページの短編小説って言うのも分かるなぁって感じ。児童小説に近いとも思う。そんな作品だが、まあ取り敢えず予告編でもポスターでも見てくれれば分かるように、かなりキャラデザが特殊である。背景なども含めて、かなり平面的であり、鉛筆画とかそういう筆致。ペチカの髪もだし、ネズミのシエロは常に折り紙のようにしっぽが見えている。影は鉛筆で斜線を複数いれたものを用いている。まあ正直言ってこれが受け入れられるかどうか、が全てだと思う。私は別に受け入れられるというか、むしろそこまで平面で動かしているからこそ、ペチカが自分の人生の為にジュゼッペが色々してくれていたことを知って超特急で移動するシークエンスの動きが際立ち、車が雪や路面凍結で滑りながらのアニメーション、そしてそこからの走り、跳躍、自転車が非常に印象深く、普通にカリオストロの城とか思い出すレベルには達していたので満足してはいる。ただ、このシーンは溜めに溜めての終盤なので既に見放している人の心に届くのか不安であはる。加えて、これを言ってしまうと本当に良くないのだが、この枠は自分の中では『ChaO』が既にいる、というのはかなり大きい。『ChaO』はアニメーションで拾い切れない密度の動きやらなんやらをしていたが、本作の場合はそれがミュージカル的なセリフや歌として発露することが多く、手数が思っているより多いわりにシンプルなラブストーリー、だけどいい話かこれ?ってところまで似てしまっている。表層的に変なキャラデザ(そしておそらく興行的にはそこまでなのに300館公開規模)ということで類似を指摘する声が出てきそうな中で必死こいて違う理由で同じポジションに置いたんだと口を酸っぱくして書き残しておく。

 ストーリー的には、なかなかに受け入れがたい序盤がかなり痛い。『ChaO』の主人公の恋愛的な自由さ、身勝手さやジェンダーバランスは気になったが、本作の主人公であるジュゼッペはそれ以上に乗りこなすが困難なキャラクター。とにかく一度何かにトリツカレるとそれ以外目に入らなくなる、という設定なのだが単純にその開示が冒頭で2回ぐらいあるのでめんどい。めんどいのは置いておいても、そうして憑りつかれたように取り組んで収集されたあれやこれやが部屋中に散乱しており、憑りつかれると仕事が全く出来ないレベルになるうえに、どうやら熱しやすく冷めやすいのに過去のハマったものの片づけは出来ていない。流石になんらかの福祉に接続が必要というか、例えば強度なこだわりを持ってしまう障がいのようなものを抱えた人物であると受け取ってしまった。そうした時に、多言語をマスターしているんだかしらないが、ネズミ語を解する、みたいなフェーズに入ると完全に鼠の存在自体を疑わざるを得ないし、そんな状態で一目ぼれしてしまってペチカの情報を鼠を通して仕入れている様はストーキングを想起せざるを得なかった。まあ自分の中でこの作品のファンタジー度合いを併せ損ねた、ということであるという理解ではある。ネズミ語を解するかどうかがジュゼッペとシエロの心の通じ方(というより、ジュゼッペがタタンに憑りつかれていく過程の表現)だったり、逆にペチカがジュゼッペを想っていくクライマックスへの導線になったりするのだから、ここを合わせられたら感動もののはずだし、ハリーポッターにおける蛇語の演出同様に傍目ではチューチュー言ってるだけ、というのも面白みの方に転がったはず。極めつけは、好きになったペチカが笑顔を取り戻すために死んだ彼女の婚約者に扮して通い続ける狂気性。普通にストーカー、私有地侵入では。トリツカレがまさかの交霊的な意味の方にも重なっていたことが分かってくるところであり、ここはジュゼッペのピュアすぎる想いと、タタンの子どもたちを想っての行動に感涙していく方向のはずだが、単に異常者が窓の外から話しかけ、あまつさえトラウマを刺激するように高所から転落していく。確かに、極度にピュアなラブストーリーは狂気と紙一重ではあろうが、何らかの障がいを抱えた人物の純粋性をある種エンタメ化していく行為は飲み込めるものでは無かった、というのが正直なところである。

 声優演技としても佐野さんは正直…。長所である歌でも上白石萌歌に完敗していたように感じましたが、水樹奈々水樹奈々で暴れてたので音監が仕事できてない…かしら?




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