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親子「モノノ怪 第二章 火鼠」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回はモノノ怪第2章。既に第3章の公開が1年後に決定しています。2026年アニメ映画軍、既に転スラ、モノノ怪ドラえもんはサメと続々と内定者が出ております。

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WATCHA4.0点

Filmarks4.1点

(以下ネタバレ有)

 

 変わらぬアニメーションの濃密さ、美術のクオリティで大奥を見せてくれる。和紙や絵巻物をイメージしたかのようなカラリングで彩られる大奥、いい意味で目が疲れる。

 だが、74分という驚異的な尺でシンプルな話になっている。前作が大奥初めて物語のバディムービーだったが、今回は親子。一見ありふれているが、いや大奥という将軍の子を産むシステムとしての産物を考えるとド直球で挑むべき題材。唐傘は難解だった、とわたしからしたら信じられない感想が目立ったが、よりシンプルにしてきた。今回はシステムそのものの是非を問うまでは踏み込まず、将軍のお世継ぎを産むのがフキでいいのか、という想いを巡る外野の物語に仕上げた。老中と年寄りボタンの大友家、御台所の子の後見人となった勝沼家、そして将軍の寵愛を受けるフキと商人あがりの時田家。それぞれの親子がそれぞれに策謀を巡らして自分のことばかりを考える中で大奥のためという筋を通したボタン。20年前に火種を消すために自ら堕胎をして後悔の念がモノノ怪となったスズ。そしてそのスズとは違う決断を母として決めたフキ。シンプルに親子を複数軸にして語っているだけだが、なんか少しだけ未来を明るく見えるようにも思える。

 そこを彩る声優陣も素晴らしく、悠木碧×黒沢ともよという若手見本市(若手と言っていいのか悩む)に対して今回は戸松遥×日笠陽子の張り合いがまた良い。しっかりここが屋台骨を担ってくれているので賢雄さんもかなりやりたい放題できてた。

 唐傘が上から降ってくる雨、というアニメーションと視線の動きだったのに対して、火鼠は下から上がって天井へとのぼる火の柱、燃え上がる運動。上を意識させて一旦下に落としてから上がっていく終盤の戦闘も含めて、作品ごとに動きのベクトルを管理する気があるのはとても素晴らしい。結実としての花火という火を使う中で最も大きな下から上への動きをゴールに持ってくるのも好き。

 次は蛇神。塀の蛇が横に動いていたということは横移動視点なのか?そういえば天秤だって横移動を誘導するもんね。大奥という個を殺して子を生かすシステムに殉じて誰の子だろうと守ると決断したボタンだったが、そもそもこの大奥という世界、そして今回は老中が死んだわけだが将軍にまでその手は登るのか。

 個々人としては正しい判断だが、全体からすると間違っている、という合成の誤謬が念頭にあるとされる本シリーズ。その中で個人の辛さに寄り添うシリーズになりたいと中村健治総監督はおっしゃっておられる。

 メインヴィランというか題材はツダケンはじめとした溝呂木さんたちだろうし、止めを刺す相手は将軍のお母さんの榊原良子どまりになりそうではあるが、もし将軍まで行った暁にはこの3部作の評価はすごいことになるかも知らない。櫻井さんを降板させる理由として大奥での女性たちの苦しみと救済を描くには不適切、ということでしたが(それが降板させる理由として適切かどうかは別のレイヤーとして)本当にそこを描いていく作品なんですね。

 それでは短めですが、もう次の映画、『Flow』の上映時間が迫っておりますのでこの辺で失礼します!




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