どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
今回はアカデミー賞でもなかなかに受賞がしそうな作品です。
ああ、だから今夜だけは君を抱いていたい。ああ、明日の今頃は僕は汽車の中。と誰もが歌う…よね?

WATCHA3.5点
Filmarks3.3点
(以下ネタバレ有)
空港に最初っからいて、最後も空港から出て行かないベンジーと家に帰るデヴィッド。ベンジーにとって家は祖母なのかもしれないし、ポーランドなのかもしれない。そういう「家」の話。
基本的にジェシー・アイゼンバーグ演じるデヴィッド派の人間であり、声が大きく正直にぶっちゃけてしまうことがチャーミングであること、とされるベンジーのいわゆる"キャラ"は大嫌いである。彼が魅力的に映ることは確かに理解はするんだけど、まじでパッケージされたツアーに申し込んでおいてその場のパフォーマンスでハックしているのとか、虫酸が走るレベルで嫌いである。勝手に行け、である。ベンジーと7日間も旅をしている時点でデヴィッドは表彰式ものであるし、マジでたまにしか会わない親戚でないと私は接することが出来ない。
ベンジーの指摘に頷けるところもあるのがまた難しいのだが、確かにこうしたパッケージツアーは旅すること自体を金持ちの特権としてしまい、ある種の見せ物として消費をさせている側面があるのは間違いない。だが、かつてのおばあちゃんの家を訪れて玄関先に岩を置いた時点で、今そこに住んでいる人を無視してアメリカ人が自己満でやっているということは同じ行為であり、ベンジー自身が提起した議論から逃れられていない。ユダヤの儀式か知らんが、ユダヤのしきたりを重視して起きているガザの今だよ?という視点はどうしても感じる。まあ注意されて引っ込めてるんで肯定はしていないとは思うが。でもやっぱここでポーランド語で話しかけられて分かりません、だし、ホテルで屋上に侵入する時もそんな感じのことを言ってる。君の思想からしたら英語ってそんなに偉いの?その辺が、アメリカ映画である点もここからは逃れられない、というゴールになる。ワルシャワで兵士たちの像を見たりしていたが、ベンジーは、あるいはあの面々は『地下水道』を『灰とダイヤモンド』を見ようとでも思ったことあんのか。コイツら『シンドラーのリスト』止まりでは??感が否めない。90分で終わることも見やすい、として褒められているがそれはそれでこの議論の時にいいのか?とは思ってしまう。『ブルータリスト』ぐらいの尺を取れとは言わないが。
メンタルヘルス、セラピーの映画としても正直納得いかない面があり、デヴィッドがツアーメンバに気持ちを吐露するところも、ベンジーと語り合うところも大体酒かハッパの席であり、真に向き合ったとは言えないし、それは睡眠薬をオーバードーズしないと辛さを表現できなかったベンジーの持つ辛さとやはり同じレベルに止まっていて、決してセラピーされたとは言えないのではないか。いや、一応最後にビンタできたから出来てる…のかしら。
世界で起きている悲劇にいちいち胸を痛めていられない、というデヴィッドの文句も分かる上で、ベンジーが悼むのはいいんだけどそれを他人に強要していくパフォーマンス型の言動もまたイライラする。世界の全てを哀しく思う傲慢な我々ぬいぐるみに話しかけよう、となるぐらいにはぬいしゃべが好きだね。