どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
今回は待ちに待ったドイツ発のサッカー映画。見てから映画と映画の合間にスマホに打ったやつをまんまコピーしてます。気分が乗ったら後日てにをはぐらいは直すかもですが、お許しを。

WATCHA4.5点
Filmarks4.4点
(以下ネタバレ有)
こっちはサッカーファンという間口で来ているので早くスタジアムを巡れ!と思うのだが、いやいやその前が非常に優秀。ジェイソンが自閉症であることを告げられる瞬間、そして成長してどういう生きづらさを抱えているのかを彼視点の学校での生活にしっかりフォーカスして示す。その上で、ドイツだから起こりそうなお前どこファン?から始まる旅物語。
旅の始まる前に、ジェイソンの定めたルールを破りまくってホテル生活を楽しそうにしているお父さんをこれもまたテンポ良く見せていることで、ジェイソンと一緒の時間を過ごさなくてはならなくなって彼から逃げて仕事を頑張ってることに向き合わなきゃいけなくなる、という話がよく出来ている。ちゃんとジェイソンに言わせるし、仲直りもきちんとするし、お父さんも悩むし、お母さんもちゃんと指摘してラブラブに戻るし。
そして訪れるニュルンベルクのフランケンシュタディオン、アリアンツ・アレナ、デュッセルドルフ、シグナルイドゥナパルク、シャルケ、ベルリンオリンピックシュタディオン、などなど。エンブレムとかだけでブレーメンだ!ライプツィヒ!ホッフェンハイム!と勝手に興奮はするのだが、まあそれはこっちが勝手に迎えに行っている。でも泣く。っていうか本当にほぼ全てのチームに日本人選手在籍経験あるの凄すぎんか。手荷物検査とボディチェックを済ませ、階段を登り、通路からぐわっーと視界が開けて空とピッチと満員の観客。この景色を捉えた映画の中では屈指と言っていいレベル。サッカーシーン?ノンノン。結果ではなく、楽しみに行く姿勢の話。試合結果がどうでもスタジアムにはエンターテイメントがあるんだ、と言いたいけど勝った方がいいよね?といつもこの時代に人を誘いづらい趣味だけに嬉しい。シグナルイドゥナパルクの南の壁でユルネバ歌うとかさ、鳥肌すぎるもん。ドルトムントのファンサポーターならずとも経験してみたいもののひとつ。
言っておかないとならんのは、どう考えたってこのお父さんは決してこれまでも頑張ってないわけではなかったところからもっとよくなったと思うし、会社の理解がえげつないほどあるし、スタジアムには残念ながらまだまだ教育上よろしくないもの(発煙筒や口の悪い言葉は出てきましたね)もある。おじいちゃんがジェイソンにとってのセーフポジションにもなってくれてるし、何より資金的に恵まれている。毎週末ドイツ中の旅行とタオマフ買うっていうのは恐ろしいことです。
さて、少しサッカーファンから離れて映画ファンとしての話をしてみるべきだろう。勿論本作は自閉症における生きづらさを示した作品だ。一方で、あれもダメこれもダメ、とやっていると頭の中が戦争状態になり解決を人に求めていくばかりになってしまうことを示している。理想的すぎる周囲が尽くしてくれているうちは良いし、社会もそれに応えていけるべきだろう。一方で、ジェイソンは自分でルールを作って、それに従うことで我慢を覚える。旅に出るのも冒険だったし、サッカースタジアムなんて過敏な身にはしんどいはずだ。でも彼は彼なりに判断してそれを達成していく。大人になってもいくことで触れなくてはならない社会はカオスなのだ。とっても優しいかろうと、カオスであることは受け入れざるを得ない。その時に、ただ引きこもるのではなく、ラインを示し、互いに接しやすくしていく。どんな人でも夢を叶えられるように。そして世界に触れていく。トンネルに入ったらビッグクランチ!と呼べる世界の読み替えをしていくのだ。
フットボールが全てを救うわけじゃないけど、少しの生きづらの解決に繋がったり、週末が待ち遠しくなったり。ちょっと『イベリン 彼の生きた証』に近い気持ち。そうして生きた証が染み付いて、週末の反逆者で日曜日よりの使者が紡いでいくとそれが歴史になるのさ。
なんだかエモに入りすぎて何を描いてるんだかわからんくなってまいりましたが、それにしてもジェイソンくんのルール、見事である。スパイクの色は難しいが、ナチお断り、綺麗なトイレ、バリアフリー、そしてなにより、圧倒的に可愛いマスコット。Jリーグはおすすめでございます。