どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。
10月に見た旧作の振り返りです。14本ですが、初めてのゴダールだ、ジャック・ベッケルだ、ジャン=ピエール・メルヴィルだ、ルイス・ブニュエルだと、ヨーロッパの名監督の風が吹いていたようです。
演劇2
WATCHA4.0点
Filmarks4.0点
平田オリザに密着する観察映画の続きは演劇という試みの芸術性のその先を見据える。即ち、演劇とは文化であり表現であり、それはすごく政治的でもあるということ。
アリとキリギリスの童話は有名だが、キリギリス抜きの世界はありえないが、キリギリスだけでもやっていけない。劇団を存続させるには国の助成金も必要だし、そのために演劇祭に国際協力に政治家との会談に大忙し。非常に時間を取っている中学校でのワークショップとロボットとの演劇。どちらも演じるということの本質を突きながら、それが単体では成立せず、お金・興行・政治であることを示している。
戦火の馬
WATCHA3.5点
Filmarks3.6点
馬主役…と言っていいのかちょっと困るライン。
一頭の馬が買われ、農耕、戦争、逃走と第一次世界大戦の欧州の地でこの馬の周りで起こる出来事を描く。結果的に綺麗にオークションで始まりオークションで終わる、みたいな構造に近くなってるんだけど、そうなんだよオークションなんだよ。馬を主役に据えているようで、馬は人間に使われるもの、という前提を完全に疑わずにまるで馬との間に絆があるように読み込むのは戦争映画って面からするとちょっと待って、と言いたくなる。っていうか、刃傷沙汰に他種の生き物巻き込む人類って生物としてエグいっすね。その反省が欲しいと思っちゃうのは、宮崎駿の『風立ちぬ』を見たときに近いかもしれない
死の谷間
WATCHA3.5点
Filmarks3.4点
ポストアポカリプスものとは思えぬ自然風景。
外と隔絶された世界で、外からやってきたジョン、外の人を助けに行って帰りを待つアン、そして第三の男ケイレブ。
男女男になってしまうと、ああそりゃもう何かは起こるよねって。エデンという谷の名前からしても、アダムとイヴ的なものをやりたいのはよーくわかるし、実際そうなんだけどジョンにしゃんとせえよ、としか思わないのも事実だった
マーゴット・ロビーにキイェテル・イジョフォー、クリス・パインって3人しか出てないのに全員アメコミだなーって思うのはハリウッドが狭くなってきたのか。
ザ・ドライバー
WATCHA4.5点
Filmarks4.4点
逃し屋、ギャンブラー、刑事。カッコ良すぎて。
まずはタイトル出るまでに死ぬほどカッコいいのだが、そこからも喋らず15分、一仕事終えてようやく口を開く。男の仕事は黙ってするもの…かは分からないが、スピードを出しまくって振り切るとは違うドライビングスタイルでの逃げ切り。
そしてそんな男が受けた仕事、男を追うために囮捜査を仕掛けた刑事、その下で裏切る三流たち。青いトンネルで赤い車の色が抜けたり、ちょっとジャジーな音楽がかかる感じは鈴木清順っぽさも感じつつ。
最後は撃つやつは嫌いな男の西部劇と切れ味で大満足。
エドガー・ライトもレフンもやりたがるのがよーーく分かる。
女と男のいる舗道
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
ついに手を出したぞ!ゴダール!
難解なイメージがあった監督だが、配信期限に追われて選んだ本作は初めの一本としてはかなりいい雰囲気だったように思える。
12の風景で描かれるナナの一連の物語は、それぞれに大きな繋がりはないんだけどゆるく紐付き、そしてそのいくつかの物語が明確に「言語」に関してのものだ。テオドア・ドライヤーの『裁かるゞジャンヌ』は無声映画であり、手紙、本、会話と様々な言葉を巡るものは哲学対話によって思考であり、生きることであると定義される。
ランティモス『哀れなるものたち』はかなりこれの影響下にあったのではなかろうか
アビス
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
海淵。洋上に浮かぶ掘削基地を舞台に元夫婦を含めたなんやかんやでパニックアクションになっていくのかしら、と思いきや沈没した原子力潜水艦の救助とその後の海中での孤立がメインでそこにちょっと宇宙人をひとかけした感じ。
LCCみたいな、身体に満たすことで水中での呼吸を可能にする謎テクノロジーや宇宙人の存在が割と都合がいい感じに扱われすぎており、ここで感動です!という具合の演出はちょっと味が濃すぎた。
潜水艦映画に求める緊迫感と窒息しそうな感じもなく。
白い肌の異常な夜
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
ドン・シーゲル監督、イーストウッド主演の黄金コンビが南北戦争下の女学校を舞台にイーストウッドの色気を振り撒きまくる。
倒れているところを敵味方超えて助けてもらったイーストウッドだが、女学生や教師に色目を使っていくうちにみんなから想われ、それをいいように使ってたら酷い目に遭う。こんなスケコマシは酷い目にあって当然と思うし、むしろイーストウッドをちょっと可哀想ぐらいに見えたり、女性たちに少しずつ甘いところがあったせいだ、みたいなバランスなのでええやんええやん、もっとやってやれよ!となる
哀しみのトリスターナ
WATCHA3.0点
Filmarks3.0点
両親が死んで老人ロペに引き取られたトリスターナ。私を父と思ってと言っていた彼は、トリスターナに口づけを要求し、事実婚状態まで持っていく。そんな中でトリスターナは画家と出会って駆け落ち。そしてまた街に戻ってくる…という人生。
まあはっきり言ってクソ色ボケ老人なのだが、コイツがうんもう話にならない。親としてと夫としてとその時々で言葉と顔を使い分け、恫喝し、あやし、トリスターナを逃げ出せないように閉じ込めようとする。
じゃあそっから抜け出せて良かったね、なのかというと画家の方もなんかダメで、最終的な反逆の映画になっているような、なっていないような…
あ、でもトリスターナが夢で見る生首鐘は急に横溝正史みたいな恐怖映像でとても良かった
ヒッチャー
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
ブレードランナーのレプリカントでお馴染みのルトガー・ハウアーがやべえヒッチハイク客に。
シカゴからサンディエゴに車を陸送する主人公。拾ったヒッチハイカーが前の運転手を殺したとか言い出したので死ぬ気で車から追い出したらあの手この手で行先に現れる。
このヒッチハイカーは本当に存在するのか?主人公がとにかく警察に追われたりしながら死体の山が生まれていき、語り手の信頼性が怪しくね?と思っていたら普通にやばい殺人鬼だった。
『激突』っぽい感じもするし、『悪魔のいけにえ』の方向にも進めそうでもある中で、どちらにも寄りきれなかったかしら。でも警察がヘリ出してきたりバカみたいなとこはカッコ良いし笑った
それからのこと、これからのこと
WATCHA3.5点
Filmarks3.5点
卒業。それまで完全に閉じていた世界に開かれ、大人へと向かい始める子どもの出口でもある。
卒業。その日を最後にコミュニティは分散する。2度と会わないかもしれない。そんな彼らのそれからのこと。
卒業。送り出している在校生にはあと一年というタイムリミットを迎えるとどうなるかを示されるタイミング。同時に目の前にいる"先輩"はいなくなってしまう。出会う予感、恋の予感、別れの予感。すごく素敵な作品でした
バトル・ロワイアル
WATCHA4.0点
Filmarks4.1点
よく考えなくても山田悠介の作品群をほぼリアルタイムで当該世代として摂取しまくってた人間なので、その原点たるこの作品はこんなタイミングまで温めておく意味がわからんな、となる。
殺し合いという行為に若者、どころか中学生が巻き込まれていく設定、各々に勝手の違う武器が供与されるルール、閉鎖空間。どれも良く考えたらありこうなのに組み合わせると確かに珍しいかも。
まあ柴咲コウ、栗山千明、山本太郎あたりの好演は間違いないが、単なる殺戮マシーン扱いになってる安藤政信のキャラは少し勿体無い気はする。
とはいえ、結局北野武こと、キタノの壮大な無理心中であるのが象徴的で。「オトナ」世代が勝手に諦めて勝手に若い世代に負担を押し付ける、そういう構図を先取っていたようにも思える大人の話なのかもしれない。ん、宮村優子の起用、エヴァがゲンドウの壮大な自殺の影響下なのか
立ち入り禁止地帯が増えていくルールは完全に意味がなかったのはこういうデスゲームにしては物足りない
穴
WATCHA4.0点
Filmarks3.9点
5人の脱獄。掘る。削る。掘る。
本当にそんな感じでシンプルなのに面白い。最初に穴を掘り始めるところとか、本当に画面に集中させちゃう力のある作り方。反響する音がたまらない。
賭博師ボブ
WATCHA3.0点
Filmarks3.2点
老年の賭博師ボブが最後に大仕事をかますぞ、というからびっくりのギャンブルするのかと思ったら強盗。拍子抜けしてたら、ちゃんと予行演習を公園に図面通り書いてやるみたいな気合の入れ方だったのに、ついついカジノに興じたら大当たりしてしまってフィーバーして賭博師に戻って…あれ強盗は??
という不思議な手触り。コンゲームとかケイパーになるのかと思ったら男の馬鹿らしさの話だった。
なんじゃこりゃ
ウォール街
WATCHA3.5点
Filmarks3.7点
オリヴァーオリヴァー・ストーン、こんな見やすいのも撮れたんだっていう。
マイケル・ダグラス演じる大物に使われのしあがり、そして超えていく。そういう話ではあるんだけど、まあ間違いなくこの発展系にウルフ・オブ・ウォールストリートがあるよね、っていう素直なルートは感じる。逆に言うとそこからはでーなパブリックイメージを引いて、ちょっとお仕事感が多め。のしあがり方がまあインサイダーだよねっていうので最初から正攻法じゃないことを安心して見られるし、株取引がもう現代とは比較にならないアナログ感なのが今となっては味を感じる。株取引という資本主義でないと出来ない職業、そこを社会が認めるのに必要な映画だったのだろう。いや、まだ認められてないかも?・ストーン、こんな見やすいのも撮れたんだっていう。
マイケル・ダグラス演じる大物に使われのしあがり、そして超えていく。そういう話ではあるんだけど、まあ間違いなくこの発展系にウルフ・オブ・ウォールストリートがあるよね、っていう素直なルートは感じる。逆に言うとそこからはでーなパブリックイメージを引いて、ちょっとお仕事感が多め。のしあがり方がまあインサイダーだよねっていうので最初から正攻法じゃないことを安心して見られるし、株取引がもう現代とは比較にならないアナログ感なのが今となっては味を感じる。株取引という資本主義でないと出来ない職業、そこを社会が認めるのに必要な映画だったのだろう。いや、まだ認められてないかも?


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