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等距離の優しさ「きみの色」感想

 どうも、抹茶マラカス(@tea_rwB)です。

 今回は待ちに待った山田尚子最新作。博多駅の改札がリアルすぎて笑えました。

 山田尚子最新作であると同時にサイエンスSARUの新作でもあります。湯浅さんが退いて、さあこの先、『ダンダダン』と『攻殻機動隊』が控えるサイエンスSARU。どういうアニメスタジオになっていくのか楽しみですが、いやしかし、逆に『ユーレイデコ』ってなんだったんだ…

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WATCHA5.0点

Filmarks4.9点

(以下ネタバレ有)

 言語化がひじょーに難しいんですが、いやでも好きでしゃーないというのがまずはの感想。技術で言えば確定で年間ベストは『ルックバック』なんでしょうが、いやはやエモーショナルな部分としては正直年ベスいけるぞ、という感覚。しろねこ堂のライブシーンで完全にノリノリだったし、なんかみんな割と批判しているMr.ChildrenのEDもふつうに乗っていた自分がいる。牛尾さんがちゃんと編曲に入ってたし、「水金地火木土天アーメン」とちょっと地続きな感じもあったし。いや、ガッキーシスターがかつてやっていたかなりロックな楽曲を(別にVo.がガッキーじゃなくても)流してくれた方がテンションが上がったのは間違いないですが。

 見ている最中、まずは各々が秘密を持ってるなかでバンド活動していく、という中身は割と『ビガイルド 欲望のめざめ』っぽいなぁというか(リメイク前の『白い肌の異常な夜』は男性視点で受け身なので別。欲望を開放していく側の話としてのビガイルド)。神の名の下で、でも秘密と欲望が解放されて行って、っていう感じかな、いやそれだと恐ろしい崩壊が待っているんだけども。と思っていたらそもそもあの映画のあらすじ確認したら女子寄宿舎学校だって。あらま。まあとにかく、ミッション系女子高を舞台に秘密を神にいつ吐露するのかな?っていう話かと想像していて。きみちゃんはおばあちゃんに学校を辞めたことを、ルイくんはお母さんに音楽をやっていることを秘密にしていてこれも暴露待ち。ルイくんは物理的に島に閉じ込められているし、そういう配置も上手だな、と。

 ただ、修学旅行サボりを経て、そうした秘密がバレていった中でも周囲の人たちは優しくて、彼女たちを否定していかない。それが神の名の下とか言い出したら割とブチギレしかねない気はしていたけどもそうもせず。テーマかと思っていた人を色で見るっていうこともトツ子にとってはバンド仲間に共有する秘密であったに過ぎないというか、それがこの3人の中での主人公としての格差を生むことなく、山田尚子の優しさを感じるバランスで。しっかり衣装も揃えてやっていくライブは、ああそうか『シング・ストリート 未来へのうた』じゃんってなるし、そう思うとシング・ストリートも島に閉じ込められた閉塞感から未来へ旅立つ話で、ああそうか、これって私の好きなタイプのお話なんだっていう実感。そして好きなタイプと言えば終盤に島を出ていく船に走っていって叫ぶのは『劇場版からかい上手の高木さん』で超好きなところ。これも好きなシーンなんだろうが、ここも物理的に島を出ていくことと、青春っていう一定の時期を飛び出していくことがかかっているのが好きなんだろうな、って。

 全体を通して、なんか『君の名は』を爆裂に売れさせた川村元気的なアプローチをしようとした形跡は見えるものの、それらをすべて拒絶して3人の主人公性を平等に整え、劇的な展開を無くし、優しさで寄り添う。絶対ラストのライブシーンで観客の色が見えて…みたいな展開を準備すると思うんですけど、それをせずにシスターたちがノリノリで踊り出しちゃう訳です。色で見る話になってしまうとトツ子だけの話になっちゃうもの。それを私は優しい、と取りましたが、ある意味でものすごく冷酷でもあるなっていうか。神は全部見ているよ、なんて甘い言葉で自分にだけ近づいているように思わせる宗教とは違う「信仰」の形、全部を等距離で見ているよ、そのままでいいよっていう考え方が全編を貫いていたと思います。だから、そりゃ『ぼっち・ざ・ろっく!』の方がキャッチーでウケるよ、でもこれを私は愛するのだよ、の境地で見ているのです。『けいおん!』『たまこマーケット』の辿り着く先としてこれ以上の正解ってあるんでしょうか?

  さて、ボイスアクトとして今を時めくレベルでないご活躍になってきた髙石あかりさんが歌まで歌えてかなりびっくり、名演だったことを付け加えつつ、やす子さんはイマイチだったかな。悠木碧寿美菜子が横にいると流石に浮く。これはキャスティングの場所が悪い。

 あーあとなんかこう身体の不定形性を描けたアニメーションの良さもすごく感じたんだけど!もう!寝ないと!




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