
舞台は1400年代東アジア(日本でいえば足利の義満/義持の時代ですな)。
兄の子を殺し、帝位を簒奪した永楽帝は、ムスリム宦官鄭和を大航海に送り出す。積年の北方との角逐にそなえ、南方との友好関係を築くための大戦略である。そこで目をつけたのが海の要衝、マラッカ。そのためには、と、永楽帝は明の王女(公主)とすでにイスラム化していたマラッカ王国のスルタンとの政略結婚を計画するのである。陛下自ら選んだと言われるのが、北平の大輪のつぼみと歌われた若き公主に最愛の亡き徐皇后の面影と賢さをも感じたともつたえられているが... その少女こそが十二公主 朱麗蘭、後に「漢麗宝(Hang Li Po)」と呼ばれることになる、御年数えで十五歳であった。凛とした姿、そしてその笑顔を見れば鬼神も閻羅王もつい頬を緩めてしまうほとの美しさである*1。
鄭和に伴われ、数百人の選りすぐりの美官女をつれて、麗蘭は壮麗な船団とともに南海を渡る、どんぶらこ、どんぶらこ。
福建沖では倭寇と戦い、シンガポールを回頭するときに襲ってくる蛮族海賊を退け、ようやく一行がマラッカに到着すると、王はたちまち「バグース!」とばかりに彼女に一目惚れ。異教徒である麗蘭を正妻にこそできなかったが、彼女を最上位の貴妃として迎え入れたのみならず、随行してき侍女たちはマラッカの王族や有力者に嫁ぎ、ブキット・チナ(Bukit China/中国ヶ丘)と呼ばれる丘陵地に居住する(この「ブキット・チナ」は現在もマラッカに実在し、華人墓地が広がっているのね)。伝説では、そこが漢麗宝こと麗蘭の居所であり、彼女の従者たちが現地マレー人と結婚し、子孫を残した――それがババ・ニョニャ、プラナカン(Peranakan)の始まりだとされている。
ただし、中国側の史料にはこの王女の記録はないらしいの。そのため、歴史学的には実在性は疑問視されています。ですが、マレーシアではとてもよく知られた話であり、多くの人々は21世紀の現代でもそれを信じています。
++++
なぜNetflixがまだ手を出していないのか不思議なほどのドラマ性がある。海洋覇権、宗教、王権、女性のアイデンティティ。愛と立場の相剋、そして文化の共生と溶解...これこそ現代テーマの塊じゃないかな?
ドラマにするとなると....
・第1話 血の都 ― 靖難の変
甥を討ち、帝位を奪った永楽帝。
燃え落ちる宮城。
ただ一人、若い遺臣が炎の中で誓う。
燕賊には従わぬ!天は、血を忘れぬ!
しかし、彼は公主麗蘭とともに宮殿で育ち、公主を密かに慕う青年でもあった...
・第2話 誓いの海 ― 宦官鄭和
皇帝は南海へ威を示す。
大航海は簒奪を覆い隠す正統性の証。
だが船団には、炎の都から生き延び、いまは船員に扮した男がいた
倭寇や蛮族から公主を守ったその男。しかし刃の行く先は?
そして復讐は海を渡り南へと...
・第3話 運命の花 ― 麗蘭公主・漢麗宝
北平の花、公主。
婚姻は国家の駒か、引き裂かれる男と女
いま、彼女は知らない、
自らが復讐の刃の焦点になることを。
・第4話 異教の王 ― マラッカ
イスラムのスルタン。
儒教の姫。
祈りの言葉は違えど、
国を守る責は同じ。
政略?いや、芽生える愛。
だが影は近づく。
・第5話 血の告白
復讐者は刃を抜く。
狙いは麗蘭こと漢麗宝。愛の復讐ではない。
偽帝の目論見を破るため..
しかし、殺せぬ!
公主は真実を知り、選ぶ。
守るのは帝国か、王国か、あるいは、愛か?
・最終話 償い
北伐途上の永楽帝崩御の知らせは南方にも届く。
復讐者は望みを絶たれ生きる術を失ってしまう
だが麗蘭もサルタンも知る。
血は終わりをもたらすだけ。
彼女は異教の地に根を下ろし、
混ざり合う民を生み、育み、そして...
・エピローグ
ポルトガル、イギリス、日本、統治者はかわっても
生まれ変わり生き続ける公主。
(時代を超え、KL、マラッカ、イポー、マレー各地に公主と同じ女性(同じ女優)たちが生き生きと働き続け、そして現代の姿)
©️ 朽木鴻次郎 プロダクション黄朽葉
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