タクシーに乗るお姫さん (たくしーにのるおひめさん)*
昭和三十四、五年頃、多紀郡城東町の小学校で話題になった。
タクシーが車塚古墳の横を通ると、若い女が立っており「車に乗せてくれ」と言う。
そして「城東町の泉の塔のそばまでやってくれ」と言うので連れて行くと、女はおらず、シートが濡れていた。
車塚は都のお姫さんが葬られているという伝説があるため、女はそのお姫さんだろうと噂された。
『現代民話考[3] 偽汽車・船・自動車の笑いと怪談』「タクシーやバスを呼びとめる死者」より
いわゆる「タクシーの幽霊(タクシーに乗せた客が幽霊でいつの間にか消えている)」という怪談の一種ですが、乗客がお姫様の幽霊というのは珍しいですね。
本当にお姫様だったのかはわかりませんが……。

雲部車塚古墳。周囲を濠に囲まれた前方後円墳で、四道将軍・丹波道主命が埋葬されているという説もあります。(『丹波篠山五十三次ガイド ふるさとの探訪』)

古墳の南側には広めの道路があります。
姫はこの辺りでタクシーを拾ったんでしょうか。
伝承地:丹波篠山市東本庄・雲部車塚古墳付近
2025/12/19 現地写真追加&加筆・修正