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須田泰成監修『笑論ーニッポンお笑い進化論』


 これまた献本いただく。ありがとうございます。この本はいいー! なぜならお笑い界をサンプルにした労働経済学の副読本としても使えるかもしれないからだ。すでにこのエントリーでも紹介した「一発屋の経済学」でも書いたが、芸術家における二つのキャリア形成(一発屋=早咲き型と大器晩成型)があって、一発屋型の芸術家は直感型ともいえて自分の芸術的創造を「見出す」タイプ、そのため比較的キャリアの初期に頭角を出す。他方で後者の大器晩成型タイプは試行錯誤を繰返して自分の成果を構築していく人たちでキャリアの比較的後半に業績を残す人ともいえる。

『笑論』での一発屋の分析は、ブームの中での一番手、二番手に注目して、一番手にいたものはブームの終焉とともに人気がなくなるが、二番手こそ持続的に活動できている、ことに注目している。またブレイクした芸にその芸人自体が同一化してしまうことが一発屋の特徴であるが、二番手芸人の多くは芸そのものはあくまでも引き出しの一つでしかないこと心得ている人が多いという。


 このことを上記一発屋の経済学を利用して考えると、一発屋の芸術家の多くが芸術史に残るエポックメイキングな作品を残してそれとともに終わっている(=芸が主で人は副)、それに対して大器晩成型は試行錯誤過程で残した多くの作品があるだけでありいわば人が主で芸が副になっている、といえる。試行錯誤の経過は傍観者からみれば芸人の引き出しの多さに見えるのだろう。


 本書は笑いの世界が日本のメインカルチャーとしてどのように形成されてきたか、を知る上でも貴重な記録となっている。





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