バイトダンスはZTEと協力して、すべてのアプリ操作を自動化できるAIエージェントスマホ豆包のモニター販売を始めた。しかし、すぐに主要アプリがアクセスを拒否する措置を取ってしまった。それにはインターネットの入口をめぐる争いがあったと人人都是産品経理が報じた。
AIエージェントスマホがバイトダンスから発売
昨2025年12月1日、中国のスマホ業界は大きな転換点を迎えた。AIエージェント搭載のスマートフォンが発売になったからだ。音声で「明日上海に出張します」と言うだけで、AIは自分で計画を立て、地図アプリを起動しルート検索を行い、旅行アプリを起動しホテルを探し、鉄道や飛行機、ホテルをリストアップし、ユーザーに確認。OKとなれば、そのまま予約、決済までしてくれる。
このようなAIエージェントが特定のアプリの中だけで動くものは今までにもあった。しかし、この豆包スマホは、どんなアプリでも自動化できるのだ。
まさに、大昔からSF小説に登場していたスマートデバイスだ。本体はZTEのNubia M153、これにバイトダンスの豆包AIアシスタントが搭載されている。



一転して主要アプリがアクセス拒否
ところが、すぐに問題が生じた。テンセントのWeChatが、AIアシスタントがアクセスしようとすると、「AIアシスタントを切り、手動でログインしてください」というアラートを出すようになった。つまり、AIからのアクセスを拒否した。
さらに、タオバオ、アリペイ、高徳地図、京東、王者栄耀、建設銀行、招商銀行などのアプリが同様の対策をするようになった。
理由はセキュリティやプライバシー保護というものだ。音声の操作だけで、アプリを操り、決済までできてしまうとすると、AIアシスタントが他人に使われてしまうと大きな事故につながる。事実、業界のガイドラインでは、ログインを自動化することを禁じている。
しかし、実際の理由はビジネス的なものではないかと推測されている。多くのアプリは操作中に広告を出し収益を上げ、同時に、ユーザーの操作を記録、分析し、改善に活かそうとする。しかし、人ではなくAIが操作をしてしまうと、広告は見られなくなり、アプリ内行動のデータも価値が失われる。
AIスマホは、思わぬところで壁にぶつかってしまった。



ネットの入り口をめぐる争いが始まる
そもそも、豆包AIアシスタントの意図は、ネットへの入口を独占することを意図したものだ。もし、AIスマホが非常に使えるとなると、ユーザーの視点からは豆包しか使わなくなる。豆包AIアシスタントアプリでは広告を出すことも、ユーザー分析をすることもできるが、他のアプリはそれがまったくできなくなる。
この問題を解決するためには、収益をどのように分配するかを考えるしかない。たとえば、豆包AIアシスタントは広告収入などで利益を得るが、各アプリへのアクセス数に応じて、その利益を分配するなどなどだ。しかし、それでは各サービスはわざわざアプリにしておく意味はなくなる。
結局、アリババやテンセントなど、決済手段を持ち、さまざまなサービスを提供しているテック企業が、専用のAIアシスタントを開発し、グループ内のサービスを利用する形でAIスマホを実現するしかないと見る人もいる。
技術的にはすでに可能になっているAIスマホの世界。これを社会に接地するための挑戦が始まっている。
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