中国ではコーヒーが生活の中に定着しようとしている。カフェが最も多い街は上海だが、人口あたりのカフェ密度で比べると、1位はチベットのラサになる。コーヒーは仕事のお供から生活のお供になろうとしていると咖門が報じた。
コーヒーが根付いた中国
中国はこの10年でコーヒーをよく飲むようになった。2016年には1人あたり年間9.0杯だったものが、2024年には22.24杯にまで増えている。飲食店調査会社「窄門餐眼」の調査によると、2025年10月段階で、中国には25万4730店のカフェがある。
都市別の店舗数ランキングを見ると、1位は上海市で1万652店舗となる。以下、広州、北京、成都、深圳という順番になる。

意外にカフェ密度が低い上海
上海は、外資系のカフェが進出をする時に最初に店舗を出す都市となっており、世界でも稀に見るカフェ激戦地になっている。
しかし、それを支えているのは上海市の2500万人という膨大な人口だ。そのため、1万人あたりのカフェの数は4.3店と意外に少ない。東京都は人口1400万人、カフェ約8000店なので、1万人あたりのカフェ店舗数は5.7店となり、上海はカフェが至るところにあるように見えても、カフェ密度では東京よりも少ない。

カフェ密度がいちばん高いのはラサ
では、1万人あたりのカフェ数で都市のランキングをつくるとどうなるのだろうか。これが顔ぶれがまったく違ってくる。
1位はチベットのラサだ。カフェは870店しかないが、人口が約87万人であるので、1万人あたりのカフェ数は9.47店となる。
チベットでは、プーアル茶にヤクの乳からつくったバターを入れたポーチャ(バター茶)が伝統的な飲み物だったが、若い世代はコーヒーを楽しむようになっている。また、観光客もコーヒーを飲みたくなるため需要があり、カフェは増加し続けている。当然ながら、チベットの文化と融合したバターコーヒーなども登場して、観光客にも地元の若者にも人気になっている。


カフェ密度第2位は、世界でいちばん美しい街、麗江
第2位は雲南省麗江市だ。麗江は世界でいちばん美しい街とも言われ、交通が不便な場所であるにもかかわらず、世界中から観光客が訪れる。それだけでなく、定着してカフェや飲食店を開く外国人も多い。
雲南省はコーヒーの産地であり、以前は質があまりよくなかったが、この10年でシングルオリジンコーヒーを楽しめるほど質があがってきている。麗江の街を眺めながらコーヒーを飲むというのは多くの観光客が一度は体験したい憧れになっている。
第3位の珠海市、第4位の海口市は、中国最大のリゾート地、海南島の都市であり、観光客のためのカフェが多数ある。

コーヒー器具の街、江門
面白いのは第5位の広東省江門市だ。ここは、コーヒー器具の生産地なのだ。300社以上のメーカーがあり、輸出額も8億元(約180億円)を超える。コーヒー器具関連に従事する人が多く、当然ながらコーヒーをよく飲む。

都市生活者に人気になる村コーヒー
第6位の浙江省湖州市は、有名な太湖のほとりにある街で、杭州市、蘇州市から1時間ほど、上海市からは2時間ほどの場所にある。ここでは、村コーヒーが人気になっている。
湖州市の郊外の自然が豊な環境の中にカフェがあり、風景を見ながらコーヒーを飲むというのがブームになっている。SNS映えすることから若者がわざわざ大都市からやってきてコーヒーを飲んでいく。休日になると、大型カフェでは2500人から3000人の観光客が訪れてコーヒーを飲んでいくという。


仕事のお供だけではなくなっているコーヒー
これまで中国のコーヒーは、仕事のお供であり、眠気を飛ばし、気持ちを引き締めるエナジードリンク的な飲み方が一般的だった。しかし、観光地を中心にカフェが増え、心を癒すためにコーヒーを飲む人が増え始めている。大都市だけではない広がりが生まれ始めている。
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