ビリビリの配信主、孔同学さんが、マンション内のエレベーターのディスプレイ広告のスイッチを消して回るという動画を公開した。静かな生活が戻ってきたと喜ぶ人、不法侵入ではないかと批判をする人もいて、議論になっていると封面新聞が報じた。
うるさいエレベーター内の広告ディスプレイ
中国、特に上海のマンションを訪れると、驚くのがほとんどのエレベーターにディスプレイ広告が設置されていることだ。多くは広告映像が表示されるだけだが、けっこうな音量の音声が出るものもある。
音がうるさいことから住民の評判は悪い。エレベーターのメンテナンス会社が、以前は広告ポスターを貼り始めたが、その当時はあまり文句を言う人がいなかった。「メンテナンス会社も少しは儲けないと。その分、メンテナンス費用を抑えてくれるのだから、自分たちにもメリットがある」と、多くの人が黙認してきた。
それが、時代が変わり、ポスターがディスプレイに変わった。さすがにうるさく、苦情を言うが、すでにメンテナンス会社の権利が確立しており、撤去するならメンテナンス費用を値上げすると言われると、住民も黙らずを得ない。そんな不満が鬱積している。

ディスプレイ広告を消して回った配信主
その中で、ビリビリで孔同学さんという配信主が「100台のうるさいエレベーター広告をオフにした」という動画を公開し、この動画が喝采され、同時に議論になっている。
この動画は、上海市のマンションのエレベーター100台のディスプレイ広告を次々にオフにしていくというものだ。ユーモラスな音楽をバックに、あのうるさいディスプレイ広告がどんどん消えていく。不満を感じている人は、溜飲が下がり、晴々しい気持ちにさせてくれる。

マスターキーがタオバオで売っていた
孔同学さんはどうやってディスプレイ広告をオフにしたのか。孔同学さんも以前からディスプレイ広告がうるさいことには不満を持っていた。SNSで話をしていると、鍵でディスプレイ広告パネルを開けるとスイッチ類が現れるので、そこでオフにできることを知った。
問題は鍵なのだが、ディスプレイごとに異なる鍵が用意されているとは思えない。そうだとしたら、メンテナンスをする人は大量の鍵を持って巡回し、いちいちディスプレイの番号などを確かめて、適切な鍵で開けなければならない。
これはマスターキーがあるに違いないと、孔同学さんはネットを調べてみると、なんと淘宝網(タオバオ)でマスターキーが販売されている。メーカーにより異なるマスターキーがあるようだが、数種類を購入すれば、上海市のほとんどのディスプレイ広告を開けることができるようだ。
そして、このマスターキーを使って、ディスプレイ広告を開け、スイッチをオフにして回ったのだ。
大学の課題として行った行為
この行為は、さまざまな議論を呼んだが、孔同学さんは大真面目で、この行為は行動芸術だと主張した。大学のニューメディアマーケティングの授業の課題でやったもので、広告の弊害、広告収入の帰属問題などを議論するきっかけのために行ったのだという。
孔同学さんは、実行する前に、マンションの住人に対して聞き取り調査も行っている。すると、多くの住人がディスプレイ広告をうるさいと感じていることがわかった。また、広告の中には低俗なものもあり、子どもへの悪影響を心配する声も多かった。さらに、広告の内容や表示方法について、住人には注文をつける権利がないことを問題にする人もいた。あくまでも、メンテナンス会社にお願いをする以外ない。

広告収入の行方も不透明
さらには、1台の広告ディスプレイから得られる広告収益は年1200元程度だと言われているが、具体的な金額はほとんどのメンテナンス会社が公開していない。この広告収入が、住人の管理負担をどの程度軽くしているのかもわからない。
孔同学さんが住人に、自分の計画を伝えると、多くの住人が賛同してくれたが、同時に不法侵入や器物損壊に問われるのではないかと心配してくれる声も多かった。
住人たちの声をまとめると、「適切な音量、適切な内容の広告であれば排除しない。それで、管理費負担がどの程度軽くなっているのか、透明性があれば広告はあってもいい。内容などについて、話し合いができる場が欲しい」ということだった。
もちろん、孔同学さんの行為は不法行為であり、このような強引な方法は、メンテナンス会社の権利を侵害していると言う人もいる。一方、エレベーターは住人の共有物であることから、広告ディスプレイを設置する是非、内容について、メンテナンス会社は住人の了承を得なければならないという人もいる。
孔同学さんの動画が、さまざまな議論を呼び、エレベーター広告の改善につながりそうな希望が見え始めている。
バックナンバーポッドキャスト放送中!
ビデオ版バックナンバーも放送中!