中国のサイゼリヤの既存店売上が下がっている。店舗数の拡大により、客流の希薄化が起きているためだ。しかし、サイゼリヤは店舗数を増やし、地方都市への進出も始める。サイゼリヤの次の挑戦が始まっていると有意思報告が報じた。
行列が消えたサイゼリヤ
中国で人気のサイゼリヤに異変が起きている。1年ぐらい前まではサイゼリヤは大人気で、食事時には1時間以上並ばなければ入れない状況だった。それが、今では、ほぼ並ばずに入れるようになっている。食事時でも15分程度待てば入れる。
実際、決算報告にある既存店売上は2024年後半から減少をし、その減少幅が加速している。いったいサイゼリヤに何が起きているのか。

店舗数を増やしたために店舗あたりの売上が減少
その理由は明白だ。サイゼリヤは店舗数を拡大しているのだ。2022年度末(8月)と2025年度末を比較してみると、広州市では142店舗から222店舗、上海市では149店舗から197店舗へと増やしている。
サイゼリヤは広州市、上海市、北京市の3都市に展開をし、店舗数を増やしているため、客流の希薄化が起きている。2024年度末の売上高は529.87億円で前年比26.6%増を維持している。

行列が新たな顧客層を排除する
サイゼリヤは、これまで「一線都市+一流商圏+三流位置」という戦略で出店をしてきた。大都市の著名繁華街、モールに出店するが、場所は高層階や地下など賃料が低い場所を選ぶ。そこに長い行列をつくってきた。
人気になり、長い行列ができることは、飲食店にとって勲章のようなものだが、実際には機会損失をしている。多くの人が「こんなに待たされるなら他の店に行こうか」と考えるからだ。時間を貴重に感じる人は、サイゼリヤを利用しないという習慣が生まれてしまう。
サイゼリヤの特長は、安価なイタリア料理ということもあるが、もうひとつ、日本で生まれたファミレス文化という特長がある。これは、食事にも使え、喫茶にも使え、グループの中でお腹の空いている人は料理を注文し、そうでない人はコーヒーを注文するという混在グループにも対応できる。
中国では、飲食と喫茶は明確にわかれていて、このような混合するファミレス形態は少ない。カフェでも食品を販売しているが、サンドイッチやホットドッグなどの軽食が主体で、しかもかなり割高になる。
このファミレス文化という特長を、消費者に感じ取ってもらうには、行列は好ましくない。いつ行ってもすぐ入れて、気軽に利用できるという状況が必要になる。

地方都市への展開の成否が鍵になる
しかし、サイゼリヤは店舗拡大を大都市に集中させすぎたかもしれない。2025年度末の売上は552.1億円となり、前年比4.2%増にとどまった。
サイゼリヤは中国で1000店舗を展開することを公表している。現在、497店舗であるので、倍増することになる。大都市はすでに飽和しており、今後、サイゼリヤは地方に進出し、「2、3線都市+一流商圏」の展開をすると見られている。
大都市では安さで成功したサイゼリヤだが、今後、地方都市でどの程度受け入れられるのか、サイゼリアの次の挑戦が始まろうとしている。
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