高速道路に太陽光パネルを敷き詰めて発電するという実証実験が行われて5年経った。その結果はどうだったのか。発電量については期待どおりだったものの、耐久性に課題が残ったと古史青雲啊が報じた。
高速道路に太陽光パネルを敷き詰めるプロジェクト
気候変動を抑制するために、再生可能エネルギー発電は必須となっているが、問題は太陽光パネルをどこに設置するかだ。建築物の活用されていない屋上などの利用は進んでいるが、面積はなかなか増えない。
2017年、中国の山東省南環城高速に全長1.08kmの太陽光発電試験区間が設けられた。道路面に太陽光パネルを敷き詰め、その上を車が走行するというものだ。高速道路の照明などの電力を賄うだけでなく、周辺地域にも電力を供給する。さらに、自動車側が対応をしていれば走行しながらEVバッテリーの充電もできる。
それから5年、この試験区はうまくいっているのだろうか。

フランスでは失敗、撤去される
このような道路に太陽光パネルを敷き詰めるという発想は中国よりもフランスが早く実証実験を行っている。フランスのトゥルーブル・オー・ペルシュという小さな村で、道路に1kmにわたって2880枚の太陽光パネルを敷き詰め、周辺の街灯などの電力源としたというものだ。
しかし、実証の結果は厳しいものだった。まず発電量が想定の1/3でしかなかった。屋根などに設置する太陽光パネルは、太陽に合わせて傾斜して設置をすることができ、太陽光をじゅうぶんに受け止めることができるが、道路に設置をする場合、水平に置くしかない。また、ノルマンディー地方は日照時間が多くなく、両方の条件が重なって想定した発電量が得られなかった。
もうひとつは騒音だ。パネル上を走行する自動車のタイヤノイズが想定以上に大きく、近隣の住人からは苦情が出ていた。また、劣化も大きな問題だった。パネル表面の樹脂が剥離をしたりひび割れをするなどして、たびたび修理が必要となった。結局、この施設区間は2024年に解体をされ、普通の道路に戻されている。

期待どおりの成果であるも、補修頻度が高い
南環城高速では、当初から耐久性が問題になると想定されたため、三層構造を採用した。最上層の自動車のタイヤがあたる部分には、半透明の新材料を開発し、太陽光パネルを保護する。中間層は太陽光パネルで、最下層は絶縁保護層で、地下水などから太陽光パネルを保護する。
冬の積雪も問題となった。そのため、ヒーターを組み込み、積雪があると太陽光発電による電力を使って雪を解かす。
結果、年間発電量は約100万kWに達した。もし、山東省高速道路9300kmのすべてに太陽光パネルを設置すると年間発電量は86億kWに達し、34億元(約730億円)分の電力を発電することができる。発電量に関しては期待どおりの結果となった。
しかし、問題は補修の頻度が高かったことだ。開通後8ヶ月に4回の補修を行わざるを得なかった。主な問題は最上層の保護層の亀裂の補修だ。


耐久性が今後の課題に
つまり、ほぼ期待どおりの結果は得られたが、材料開発などを進め、耐久性を高める必要があるという課題が認識された。
しかし、当然ながらコストは莫大で、投資効果が得られるのかどうかも問題になる。一定の成果が得られたことにより、実証実験区間を拡大、他の高速道路にも広げ、より詳細な実証実験を進める予定だ。



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