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クイックコマースは黒字化ができるのか。イオン、ディンドン、サムズクラブ、フーマの挑戦

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今回は、クイックコマースについてご紹介します。

 

クイックコマースとは、生鮮食料品や日用品をスマートフォンで注文すると、数十分から数時間で宅配してくれるというサービスです。なぜか、生鮮食料品を中心にするときはクイックコマース、日用品を中心にするときはインスタントリテールと呼ばれる傾向があります。

中国では多くの専用サービスがあり、ほぼすべてのスーパーが対応をしています。中国ではまとめて「即時小売」という呼び方が一般的です。

日本でも、このクイックコマースはかなり普及してきました。最も身近なのは7NOWで、セブンイレブンの店舗から最短20分で宅配してくれるというものです。また、ウーバーイーツも食事だけでなく、スーパーなどと提携して生鮮食料品や日用品を配達してくれるようになっています。

さらに、決定版になりそうなのが、イオンが運営する「グリーンビーンズ」(https://service.greenbeans.com/)です。対応エリアがまだ関東圏に限られていますが、それでも2023年7月にスタートして2年が経った2025年6月現在で、利用者数60万人を突破しています。

このグリーンビーズの特徴は、生鮮食料品倉庫(フルフィルメントセンター)が完全自動化されているということです。商品のピックアップは自動化をされているため、人手を必要としていません。

これは人件費の削減というよりも、宅配スーパーが抱えている課題「鮮度」の問題を解決します。倉庫の中で商品は、冷蔵、冷凍などで保存されていますが、一般的な宅配スーパーでは、人がピックアップをし、配送車に乗せるまでは、仮置き場に保管されます。ここで、冷蔵、冷凍のコールドチェーンが途切れることになり、品質の劣化につながります。

グリーンビーズの場合は、倉庫から自動ピックアップ、冷蔵冷凍車に直接乗せるため、宅配するまでコールドチェーンが途切れません。つまり、品質を保つことができるわけで、このあたりが、日本の精緻なクイックコマースサービスだと感じさせてくれます。

 

クイックコマースのもうひとつの課題は配達コストです。人が配達をするわけですから、決して小さくない人件費コストがかかります。かといって、それを価格に転嫁していたら、消費者は割高感を感じて使ってくれなくなります。

この問題を各社それぞれの方法で解決しようとしています。

日本のウーバーイーツの場合、ギグワークを活用することでコストを抑えています。ウーバーイーツは、コロナ禍の時に消費者から注目され、大きく拡大しました。ウーバージャパンは非上場なので経営状態の中身が詳しくはわかりませんが、決算公告からある程度の財務状況を知ることができます。

▲ウーバージャパンの純利益と利益剰余金。ウーバー本社に技術使用料などの名目で利益を移転しているはずなので、ウーバージャパンの営業自体はほぼ黒字化をしているのではないかと見られる。単位:億円。決算公告より作成。

 

利益剰余金とはいわゆる内部留保で、利益を溜め込んだものです。また、ウーバージャパンは、技術使用料などの形で、利益を米国本社に移転をしているでしょうから、実際の利益はこの数値よりも高いのではないかと思われます。

ウーバーイーツは一時多くの人から利用され、その後、利用者が離れているとか、増えていないとか言われますが、ビジネスとしてほぼ成立し、持続可能になっているようです。

 

一方、中国の多くのプレイヤーはテクノロジーで配達コストを下げています。美団などでは、1人のライダーが同時並行で5つぐらいの配達案件を同時並行で行います。どこでピックアップし、どこに配達するかは、すべて最適化アルゴリズムが指示をします。これにより、効率のいい配達が可能になり、1案件あたりの配達コストを下げることができます。

このアルゴリズムについては、「vol.156:あらゆる商品が1時間で届けられる時代。デリバリー経済がさらに進化する中国社会」(https://tamakino.hatenablog.com/entry/2022/12/25/080000)でご紹介しています。

▲美団のライダー用のアプリ画面。1人のライダーが複数の配達案件を同時並行で行うため、配達料を抑えることができ、ライダーは生活していけるだけの報酬が得られる。

 

イオンのグリーンビーズは、この配達料の問題も巧な設計になっています。まず、注文は4000円以上からという制限があるので、毎日利用するというよりは、週に1回か2回、まとめ買いをすることになります。

配達料は無料から最大1100円までですが、おトク枠(3時間から4時間程度の指定)では200円程度、1時間指定枠では500円から700円程度になります。この価格はダイナミックプライシングになっていて、早く予約するほど、空いている時間帯ほど安くなります。

▲グリーンビーズの配達枠の選択画面。ダイナミックプライシングになっているため、配達効率をあげることができ、消費者は高くても納得をして支払いやすい。

 

注文して翌日配送というのが基本です。また、4000円以上の注文ですから200円程度の配送料であれば許容できます。1時間枠は高くなり負担感が出てきますが、忙しい方にとってはその便利さはありがたく感じるでしょう。つまり、配達料をダイナミックに変えることで、配達料が高くなる理由が明快となり、納得をして負担できるようになります。700円という配達料が高く感じても、自分で買いに行って、重たいミネラル水の箱を運搬することを考えれば、700円は安いと感じる人もいるでしょう。

このあたりの設計も、非常に細かく行き届いていて、日本ならではのクイックコマースだと感じさせてくれます。完成度も高く、中国人の中にもグリーンビーズに注目をし、研究をする人が現れ始めています。ひとつの完成形に近いモデルだと思います。

クイックコマースへの挑戦は中国から始まり、さまざまな失敗を経ながら定着をしてきました。イオンは、このような状況をよく研究し、完成させ、今度は中国側がそれを学ぼうということすら始まっています。これが日本のやるべきことであり、日本を再び成長させる公式になる事例です。

 

ただし、問題は、グリーンビーズは黒字化できるのかどうかという問題です。2030年に単年度黒字化を目指すと発表されていますが、イオンとしてはイオン、まいばすけっとなどの店舗と組み合わせて使ってもらうことを想定しているため、グリーンビーズ単体の黒字化よりも、店舗とのシナジー効果を優先して考えているとは思います。

クイックコマースは単体で黒字化できるのか、これは当初からの永遠の課題でした。このメルマガでは、毎日優選(Miss Fresh)やディンドン、盒馬鮮生(フーマフレッシュ)などを中心にご紹介してきましたが、美団(メイトワン)、京東(ジンドン)、タオバオフラッシュショッピングなども登場してきていますし、サムズクラブや各スーパーなども参入し、再びクイックコマース戦争と呼べる状況になってきています。

いずれも焦点は黒字化です。そこで、今回は、クイックコマースの歴史をたどりながら、それぞれのモデルを比較します。その中で、クイックコマースのビジネスモデルにはどのようなものがあるかを頭に入れていただいて、コスト構造のどこに問題があり、各社はどうのように解決してきたかをご紹介し、日本に最適なクイックコマースのモデルとはどういうものかを、みなさんに考えていただこうと思います。

今回は、クイックコマースのモデルの変遷をたどります。

 

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