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シェア低下中のアリペイの逆襲策。NFC決済からAI決済、見るだけ決済まで

WeChatペイのシェアが上昇し、アリペイのシェアが低下している。危機を感じたアリペイは、さまざまな新しい決済手法を開発していると小雨談科技が報じた。

 

アリペイのシェアが低下中

中国の2大スマホ決済「微信支付」(WeChatペイ)と「支付宝」(アリペイ)の決済額シェアに大きな動きが起きている。2023年末の段階では、両者は拮抗していたが、2024年に入ってからWeChatペイがシェアを伸ばし始め、2025年Q1ではWeChatペイ59.7%、アリペイ36.2%とダブルスコアに近い差がついている。

これはアリペイにとって極めて危険な信号だ。中国では「631局面」という言葉がよく使われる。市場シェアの1位と2位とその他が60%、30%、10%の割合になると、不思議にそのシェアが固定化して序列が定まってしまうという現象があるからだ。現在のスマホ決済のシェアはこの631局面に近づいている。

スマホ決済の決済金額シェア。アリペイのシェア低下が顕著で、WeChatペイの半分程度にまで下がってきている。

 

WeChatはもはや必須アプリ

ここまで差がつく理由は、WeChatがSNSであり、中国人にとって知人と連絡を取るのになくてはならない国民的アプリになっているということがある。WeChatの月間アクティブユーザー数(MAU)は14.7億人であり、一方、決済機能が中心のアリペイのMAUは10.4億人と差がついている。

さらにコロナ禍を経て、地方や農村にまでスマホ決済が完全浸透したことが大きかった。新しくスマホ決済を使い始めた人たちは、わざわざアリペイアプリをインストールして、銀行口座や身分証と紐づけるという面倒なことはせず、すでに使っているWeChatを利用する人が多かった。

しかし、面白いもので、危機感を感じると進化が始まる。この数年、大きな機能的進化が止まっていたスマホ決済が、再び次世代に向けて進化を始めた。アリペイは必死に新たな機能を投入し始めている。

 

アリペイがNFCタッチ決済に対応

その中で最も大きいのがNFCタッチ決済で、2024年7月に導入され、すでに利用者は2億人を突破した。端末にスマホをタッチするだけで決済が終了するというものだ。日本の交通カードによる決済の感覚に近い。

さらに、NFCタッチをマーケティングにも応用している。商品棚の商品ポップにNFC端末を取り付けておくと、タッチするだけでクーポンが保存され、そのまま決済時に自動適用される。これにより、ついで買いを促す効果が生まれる。また、会員登録もタッチするだけで、アリペイアカウントを利用して登録できるため、名前や住所、身分証番号を入力する煩わしさがなくなる。

NFCタッチは、マーケティング面での応用が期待され、進んでいる。

▲コンビニの棚の商品ポップにNFC端末が。スマホをタッチするだけで、その商品の優待クーポンがもらえる。

 

音声で注文から決済までのAI決済

今年上海で開催されたアリババのイベント「2025 Inclusion外灘」では、「AI決済」の機能が紹介された。

ラッキンコーヒーのミニプログラムでの内部テストが進んでいるが、ミニプログラムに「ココナッツラテを1杯ください。氷は入れないで」と話しかけると、注文の確認画面が現れ、「注文」と言うか、注文ボタンをタップするだけで注文と決済が行われるというものだ。

ミニプログラムから商品を注文するのは意外に手間がかかる。希望の商品を探さなければならないからだ。しかも、カップのサイズやホットかアイスかなども指定しなければならない。AI決済は、過去の履歴からこのような属性を覚えてくれて、その人が希望する注文内容にしてくれる。

ミニプログラムでいろいろな商品を見て、じっくりと選びたい時は指で、いつものでいい場合はAIでという使い分けができる。

▲AI決済は、音声で飲料などの注文をすると、適切なミニプログラムを検索して注文し、決済までしてくれるというもの。

 

スマートグラスによる「見るだけ決済」

さらに、スマートグラス決済も開発が進んでいる。小米のスマートグラスと共同開発をして、アリペイのQRコードをスマートグラス越しに見ると、支払うべき金額が表示される。「確認」と言うと、そのまま決済が行われる。自転車に乗ったままのドライブスルーや両手に荷物がある時などには便利な機能だ。

アリペイが再び、さまざまな機能を開発し、内部テストを始めていることの背景には、このままではシェアが下がり続けるという危機感があることは間違いない。やはり社会を進化させるのは競争なのだ。

▲小米のスマートグラスと提携をし、QRコードスマホで見るだけで決済が可能になる仕組みをテストしている。

 

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