北京では地下鉄駅構内に朝食の屋台が出るようになっている。美団、マクドナルド、KFCなどが節約ムードを受けて、朝食弁当の販売を始めたと李橑在北漂が報じた。
弁当で節約をする人が増えている
節約ムードが広まる北京では、朝食戦争が始まっている。これまで多くの人が、通勤途中の朝食店で食事をしてから出勤していたが、時間とお金を節約するために、コンビニや外売をしている飲食店で朝食を購入し、オフィスで食べるという人が増えている。さらには、早起きをして、昼食の弁当をつくり、ついでに朝食を食べてきてしまうという節約派も増え始めている。
地下鉄駅で朝食弁当を販売する美団
この変化に反応をしたのがフードデリバリーの美団(メイトワン)だ。美団は、北京の約30の地下鉄駅構内に屋台を出し、2元の饅頭+3元の豆乳など5元で取れる朝食セットの販売を始めた。人がいる屋台で販売している例もあれば、スマートキャビネットにしてアプリやミニプログラムから支払いをすると開けて取り出せるようにしている例もある。
この商品の補充は美団のフードデリバリーが行う。各駅での販売予測をし、朝方、飲食店でつくられた朝食メニューをデリバリー騎手が運ぶ。途中で予測以上に売れた場合の補充もデリバリー騎手が行う。このため、つくりたてに近い朝食が食べられる。デリバリープラットフォームをうまく活用した形の朝食屋台だ。
これにより、多くの人が、地下鉄を降りて、コンビニなどに寄らずに、ここで朝食を購入し、オフィスで食べるようになっている。


マクドナルドは無人販売車で朝マックを販売
2024年12月、国務院は都市公共交通条例(https://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/202410/content_6982322.htm)を施行した。この中で、地下鉄駅構内を商業利用する規制緩和が行われた。美団の朝食屋台の出店も、この規制緩和によるものだ。
この規制緩和を受けて、朝食に目をつけたのは美団だけではない。マクドナルドは、朝陽門駅などの4つの駅に無人販売車を導入した。
無人販売車は、店舗で食事を積み込み、自動運転で移動し、地下鉄駅前などに停まり、食事を販売するというもの。消費者はミニプログラムから支払いをすることで、ロッカー式のドアを開けることができ、食事を取り出すことができる。
この無人販売者の利点は、時間に合わせた需要ヒートマップに従って、場所を移動できることだ。予測以上に売れた場合は、店舗に自分で戻ってきて、商品を補充することもできる。
マクドナルドは地上ですでにこの無人販売車を運用していたが、規制緩和を受けて地下鉄駅構内にも導入した。ただし、安全上の理由から場所は決められており、移動することはできない。指定場所と店舗を往復することのみ許可されている。しかし、安全確保ができれば、将来は地下鉄駅構内、地下街内を自由に移動して、朝食や間食、飲料などを販売できるようになる可能性がある。
KFCも同様に2024年12月には湖南省長沙市に15台の無人販売車を地下鉄駅構内に導入している。

規制緩和で地下鉄駅構内でのビジネスが可能に
各社とも朝食の価格は安く、運営は赤字だと思われる。しかし、それ以上に、大量の人が利用する地下鉄駅構内にブランドカラーをまとった屋台や無人販売車を置ける広告効果が大きい。そのため、各社とも赤字覚悟の価格で出店し、赤字分は広告宣伝費と考え、広告投資効果を見ている。地下鉄運営側では利用料が徴収でき、収入の一部とすることができる。消費者は、地上よりも安くできたての朝食が買えると、三方よしの状態になっている。
これまで地下鉄駅構内は商業利用があまり進まなかった。1992年には規制が緩和され、ファストフードや化粧品店、電器雑貨店などが登場したが、2004年に安全上の理由から禁止となってしまった。火を使う屋台などが登場するなど、安全管理が難しかったからだ。しかし、今回の都市公共交通条例により、安全対策、出店条件などをつけることで地下鉄構内の商業利用が可能になった。人流が多い場所であるだけに、各社が注目している。

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