今年も河南省鄭州市でiPhoneの生産が始まった。フォクスコンはピーク時に向けて大量の人材を集める必要があるが、還付労働者という仕組みで人材調整をしている。この仕組みにより、フォクスコンは必要な時に人材を集め、不要になったら減らすことができていると牛頓頓頓が報じた。
米国向けはインドで、その他は中国で
iPhone 17の製造は、これまでとは大きく違った体制となった。トランプ関税による影響で、米国向けiPhoneは80%程度がインドでの生産となったからだ。インドでは、タタエレクトロニクス2工場、フォクスコン2工場、ペガトロン1工場の体制で生産されているが、米国以外向けのiPhoneはこれまでと同様に中国のフォクスコン工場が生産をしている。20万人の従業員が2交代制で24時間体制で生産をしている。
深圳でテスト生産、鄭州で本生産
今年2025年5月、フォクスコン深圳工場でiPhoneのテスト生産が始まった。その結果、7月には河南省鄭州市は生産ラインを5本に増やし、9月には28本まで増やし、フル稼働となっている。この時点で、20万人の従業員がiPhone生産に関わることになった。
結局、中国での生産が続く理由は、サプライヤーが中国内にいるからだ。特に深圳工場は、1時間以内の距離に多くのサプライヤーが存在し、テスト生産で問題が発生した場合、サプライヤーのエンジニアがかけてつけて、フォクスコンのエンジニアと問題解決にあたることができる。このため、深圳工場でテスト生産を行い、実際の生産は鄭州工場というのが定番になっている。

インドでも結局中国部品を使い、中国の熟練工が働いている
インド工場も、特に新設されたタタエレクトロニクスのホスール工場は自動化が進んでいるが、その他の工場では、結局、中国人の熟練工が出張し、中国で生産された部品を持ち込み、組み立てを行っている。サプライヤーも東南アジアやインドに進出を部品の生産を始めているため、インドでも本格的にiPhone生産が行われるようにはなるが、現状では組み立てのみという状況で、本当の意味での生産基地になるのにはまだ時間がかかると見られている。

中国のフォクスコンで働く3つの方法
鄭州工場で働く従業員には3つの契約方法がある。26.5元(約550円)からという高級の時給がもらえるもので、残業もあるため月額では1万元(約20万円)を超える。その代わり、工場側の都合により、不要になったら再契約はされない。これにより、ピーク時の労働力を確保している。
もうひとつは数ヶ月程度の中期契約で働く従業員。時給面ではやや低くなるが、一定程度、雇用が安定する。農家など本業がありながら働きたい、いわゆる出稼ぎ組だ。もうひとつは雇用期間が決まっていない「返費工」(還付労働者)と呼ばれる人たちだ。勤続をすると毎月報奨金がもらえるというもので、だいたい3ヶ月で時給の他に2万元(約40万円)が稼げる。
この還付金は、人材の需給ギャップにより毎月変わる。そのため、人が足りない時は、残業もできるし、還付金の額もあがる。そのため、安定した雇用を求める人もよりも、報酬総額を考えてこの返費工を選ぶ人が多く、これにより、フォクスコンは必要な人材数の調整が可能となっている。還付金をあげれば人が集まり、下げられば人が減っていくからだ。
このような手法で、ピーク時に大量の従業員が必要となるiPhone生産を乗り切っている。


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