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アップルのiPhone製造戦略は「China+1」から「3+3」へ。将来はインドが生産の中心に

トランプ関税の影響で、アップルが製造拠点の戦略を「China+1」から「3+3」に変更した。生産拠点の中心はインドになるというものだ。中国サプライヤーも東南アジアに製造拠点を持つようになり、中国サプライヤーの海外進出をも促しているとBloombergが報じた。

 

デザインだけではない17の大変革

iPhone 17が発表された。デザインに関しては、ここ5年間で最大の変化となった。しかし、最も大きな変化はサプライヤー構成にある。

米国向けiPhone全機種は、インドの5つの工場を中心に生産されるようになり、Canalysのレポートによると、2025年Q2にインドから米国に輸入されたスマートフォンのシェアは、昨年同期の13%から44%と大幅に増えている。上級アナリストのBjorhovdeは、25Q2に米国で販売されたiPhoneのうち80%程度がインド製になっていると推定しているという。

▲米国のスマートフォン生産地は、これまでインドは13%にすぎなかったが、アップルの戦略転換により44%に増加をしている。

 

「China+1」から「3+3」への戦略転換

このインド生産は、ティム・クックCEOの周到さによるものだ。それまで、アップルは「China+1」戦略を進めていた。製造の中国依存が強すぎるところに米中貿易摩擦が起こり、リスク回避のために、中国を中心にしながらも、サプライヤーの一部をベトナムやインドに移転させるということを進めていた。

しかし、トランプ大統領が就任すると、クックCEOは、この戦略を「3+3」に改めた。すべての生産ラインで、中国内と中国以外に最低3つのサプライヤーを持つという体制だ。ディスプレイであれば、中国に1つまたは2つ、中国以外に1つまたは2つの、同じ部品をつくるサプライヤーを確保するというものだ。

これまでアップルは、同じ部品に対して複数サプライヤーと契約をし、競わせることで、品質や性能、価格などで有利な立場で交渉ができていた。これをさらに強化して、なおかつ中国依存を減らすというものだ。

この戦略が、トランプ大統領が常識外の関税政策を始めた時、生産地を中国からインドに素早く移転することを可能にした。

 

インド生産はタタグループが主役

iPhone 17のインドの工場は、タタグループのホスール工場、カルナータカ工場、フォクスコンのタミルナードゥ工場、デヴナハルリ工場、ペガトロンのチェンナイ工場の5つの拠点で製造されている。

この中でタタグループのホスール工場は、新設工場で、自動化率が高く、良品率も高くなっている。主にProシリーズの生産をしているが、今後2年間で、インド生産の半分程度を担う主力工場になることを目指している。

これまで、iPhoneの生産はフォクスコンが中心となってきたが、インドではタタグループが中心になりそうだ。

▲タタグループのホスール工場。最新設備が導入され、インド生産の中心になると見られている。

 

標準モデルはベトナムで部品、インドで組み立てに

しかし、中国依存から完全に脱却をすることは難しい。米国以外向けのiPhoneは依然として中国で生産されている上、光学部品やOLEDパネル、精密部分などの高付加価値部品の生産は中国が中心となっており、中国以外に移転をするのは簡単ではない。

将来的にはコア部品とハイエンドモデルの製造を中国が担当し、標準部品はベトナム、標準モデルはインドで生産するという体制になっていくと見られている。立訊精密(Luxshare)、和碩(Pegatron)、藍思科技などのアップルの主要中国サプライヤーもすでに東南アジアなどで工場を稼働しており、アップルの3+3戦略は、中国メーカーのグローバル化も促すことになっている。

ただし、ロイターなどの報道によると、インド製のiPhoneの製造コストは中国製に比べて5%から10%高く、良品率も中国製よりも低い状況にあるという。この状況を短期間に解消できるかどうかが、インド生産ひいては3+3戦略を成功させる鍵になりそうだ。

▲アップルのサプライヤーである藍思科技の拠点所在地。多くの中国サプライヤーが中国だけでなく、タイ、ベトナムなどに生産拠点を持つようになっている。

 

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