中国のローソンの動きが激しくなっている。地方ではミニ店舗を展開、都市では大型化してスーパーの領域に進出しようとしている。課題はサプライチェーンの確立だ。まだ始まったばかりだが、ローソンの本気の挑戦が始まっていると霊獣媒体が報じた。
ローソンの本気の挑戦が始まっている
中国のローソンがさまざまな挑戦をしている。
ひとつは、地方の個人商店をコンビニ化する「ローソンミニステーション」だ。ローソンの標準店舗面積は80平米から100平米だが、20平米のミニステーションを地方都市に展開する。加盟費用は1万元、改装費が1万元、保証費用(解約時に返金)が2万元、合計4万元(約80万円)でスタートできるため、個人商店でもじゅうぶんに転換できる。
ミニステーション用には2500SKU(Stock Keeping Unit)の商品が用意されているが、店主が地域の事情に合わせて、この中からセレクトをすることができる。これで地方展開をしようという試みだ。


都市部ではコンビニのスーパー化
都市部では、逆に店舗面積を150平米から200平米に拡張をし、SKUを3500から4000に増やす。生鮮食料品を増やし、イートインコーナーを充実させ、スーパー化をするというものだ。
ローソンの発表によると、1日の平均売上は改装前の5800元から8200元に増え、客単価は16.5元から22.3元に上昇し、生鮮食料品の販売率は45%から51%に上昇をした。現状では、いい効果が出ているようだ。
下は国内コンビニ、上はサムズクラブからのプレッシャー
ローソンがこのようなコンビニ業態の拡大を図っている理由は、コンビニ業界全体がコロナ禍以降、下落傾向にあるということが大きい。「2025年中国コンビニ発展報告」(中国チェーンストア経営協会)によると、店舗あたりの売上は2019年の5297.0元をピークに減少が続き、さらにはコロナ回復後、客数、客単価ともに減少傾向にある。
特に日系コンビニは厳しい状況になっていると見られている。大都市の店舗数シェアでは、日系コンビニは2018年の62%から2023年の48%に低下をしており、美宜佳(メイイージャー)などの中国系コンビニの台頭が目覚ましい。低価格部分の売上を奪われている可能性がある。
さらに、サムズクラブの人気が高く、店舗拡大するだけでなく、前置倉(前線倉庫、ダークストア)方式で宅配サービスを始め、提供エリアを拡大している。高価格部分の売上を奪われている。
このため、コンビニ各社は、何も対応をしなければ沈んでいくだけになっている。ローソンのスーパー化、ミニステーションもこの状況に対応をするものだ。

課題はサプライチェーンの確立
しかし、スーパー化は数字だけを見るとうまくいっているが、まだまだ問題を抱えているようだ。一言で言えば、店舗はスーパー化したものの、サプライチェーンがスーパー化できていない。
ローソン大型店舗の生鮮食料品は全体の10%から15%程度になっている。しかし、これはアリババ系のフーマNBなどの地域密着のコミュニティースーパーでは30%以上あるのが普通で、まだまだローソンで生鮮食料品を買う消費行動が定着しているとは言えない。そのため、商品ロス率が15%にも達しているという。一般的なスーパーでは9%程度なので、売上は増えても利益は増えず、生鮮食料品を増やせば、さらに利益が削られるという状況になっている。
現在の生鮮食料品の配送頻度は1日1回だが、これを増やし、細かく消費期限管理をしてロス率を下げる必要がある。しかし、そうなると配送コストが増えるという難しい連立方程式を解かなければならなくなっている。

ローソンの本気の挑戦は成功するか
ローソンの挑戦は始まったばかりで、現状で問題が噴出するのは当然のことだ。まずは店舗面積を増やし、問題の洗い出しを行っている段階ということもできる。しかし、その問題がサプライチェーンにあるということが明らかになってきている今、ローソンはさらに大きな決断をしなければならなくなっている。それはサプライチェーンの大改造だ。
コンビニのような少量、巡回型の配送から、大量、高頻度の配送に変える必要があり、そこを変えると、倉庫や配送拠点も変えていく必要があり、さらには調達先も変えていく必要が出てくる。これは流通小売にとって大改造となる。
ローソンが、この大改造を行ってコンビニの枠を超えた小売チェーンになることができるのか、それともあきらめてコンビニという枠の中で別の道を模索するのか、大きな岐路に立たされている。
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