以下の内容はhttps://tamakino.hatenablog.com/entry/2025/08/04/080000より取得しました。


チップ封鎖の最終手段「EDAの供給停止」。中国にも小さくないダメージを与える

米国は、中国に対するチップ封鎖政策として、いよいよ「EDAの供給停止」に踏み切った。これは半導体の回路設計をするソフトウェアで、中国も以前から国産化を進めているが、そう簡単に追いつけるものではないため、数年の停滞を余儀なくされるのではないかと史智文道が報じた。

 

米国のチップ封鎖の最終手段「EDA

米国の中国に対するチップ封鎖は、いよいよEDA(Electronics Desing Automation、電子設計自動化)ツールの供給停止にまで踏み込んできた。EDAとは半導体の回路設計をするのに必須のツールだ。この分野では、米Cadence、米Synopsys、独シーメンスがトップ企業で、2024年のグローバルシェアは、それぞれ32.0%、29.1%、16.6%であり、この3社で世界の77.7%のEDAを提供している。この中国向け禁止令が明らかになると、3社の株価は10%前後下落をした。

EDAの2022から2024年までのグローバルシェア。米国のCadenceとSynopsysで半分以上を占めている。

 

半導体設計に必須のソフトウェア「EDA

半導体の回路設計は、もはや設計者が手書きの製図でできるレベルを超えている。今は図面ではなく、コードを書いていく。プログラムのようにHDLコード(Hardware Description Language)を記述していくと、それを具体的な回路設計に変換してくれ、シミュレーションを行い、動作検証が行え、最終的に半導体が製造できるデータに落とし込まれる。半導体製造企業では、このデータを製造装置に入力することで、実際の半導体を製造する。

▲趣味の回路設計にもシンプルなEDAが使われるのが常識になっている。回路図を描いていくのはなく、コードをプログラミングしていくことで回路を生成してくれる。

 

2019年から段階的に始まったチップ封鎖

米国のチップ封鎖は、2019年、米国商務省が安全保障上問題のある中国企業「ファーウェイ」「ZTE」をエンティティリストに入れ、この2社と取引をする企業には米国技術を提供しないという形で始まった。台湾のTSMCなどは、それまでファーウェイのSoC「Kirin」を製造していたが、そのまま製造を続けると米国技術が使えなくなる=生産ができなくなるため、ファーウェイからの委託業務を断ることになった。

さらに、2022年にはNVIDIAなどの先端AI半導体や、EUV露光装置の中国輸出も制限をされ、チップ封鎖は次第に厳しくなっていった。

 

結果は、中国の技術レベルの向上を促しただけだった

しかし、このようなチップ封鎖政策を疑問視する人も多かった。マイクロソフトの創業者、ビル・ゲイツ氏などは、たびたび「中国に技術を進化させる機会を与えるだけのことになり、米国の国益にならない」と発言をしていた。

その見通しどおり、ファーウェイは2023年8月に、中国の半導体製造企業「中芯国際」(SMIC)が製造したKirin 9000Sを使い、スマートフォン「Mate 60 Pro」の発売にこぎつけた。

今回も、中国産のEDA開発を促すだけのことになるのではないかと見る人もいる。

 

すでに完全国産化を進める中国

6年前にチップ封鎖が始まった時、ファーウェイはEDAや露光措置など、すべてのツールが供給停止になるという最悪のシナリオを描いて、戦略の立て直しを行った。その結果、出てくるのは、「半導体の完全国産化」だ。

EDAツールについても、その頃から華大九天、概倫電子などの国内EDA開発企業と提携し、技術開発を行っている。特に、華大九天の進化は目覚ましく、すでに28nmから3nmまでの設計が可能になっているという。

 

EDA供給停止は中国に小さくないダメージを与える

では、EDA供給停止は中国に打撃を与えることはなかったのか。そんなことはなく、中国にとってかなりの打撃となる。SMICなどでは7nm相当、一部報道では5nm相当の半導体まで製造が可能になっているが、ベースになっているのは、制裁前に購入をした製造装置で、古い米国技術を使っている。このような米国ベースの製造装置に、国産EDAの設計データを入力して、すぐに製造ができるのかというとそうはいかない。ちょうど、Macでつくった文書ファイルをWindowsで開くと、文字化けやレイアウトが崩れるなどの細かい問題が発生するように、さまざまな調整が必要になる。半導体の場合、少しの設計の問題でも完成品を製造することはできず、できたとしても発熱や漏電などのさまざまな問題を引き起こすことになる。この調整にはかなりの時間がかかるとみられている。

 

中国半導体はしばらくの間停滞が避けられない

そのため、中国の半導体の進化は、数年の間、停滞をすることは避けられない。今、米中は最先端AI半導体の開発競争が激化をしているため、最終的に、中国が独自技術で半導体をつくれるようになったとしても、今の段階での数年の停滞は決して小さくない。

この問題をどう乗り越えるのか。DeepSeekのように少ないAI半導体で高性能の大規模言語モデルを開発するような知恵が求められる。半導体戦争の最終局面は、米国の物量対知恵の戦いになっていきそうだ。

 

バックナンバーポッドキャスト放送中!

open.spotify.com

 

 




以上の内容はhttps://tamakino.hatenablog.com/entry/2025/08/04/080000より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14