天津市の病院が販売を始めた薬膳パンが、行列をするほどの人気となっている。健康志向が強い若者たちは、漢方に目が行くようになり、老舗の漢方ブランドは飛躍のチャンスが到来していると中国新聞週刊が報じた。
病院が売り始めた薬膳パン
病院に行くと、昔は消毒薬の臭いがした。今ではそのような臭いはないものの、病院独特の臭いがある。しかし、天津市の中国医薬大学第一附属病院南院では、病院らしからぬ匂いがする。焼きたてのパンの匂いがするのだ。
1階の薬食坊では、以前は、高齢者が好みそうな漢方食品が売られていた。その薬食坊が漢方を使った薬膳パンを販売したところ、大人気となり、病院に用はなくてもパンを買いにくる来院者が増えている。

全国の病院に広まる薬膳パン
この薬膳パンは全国で登場している。江蘇省揚州市漢方病院でも薬膳パンを発売したところ、大人気となり、1000個を焼いても1時間で売り切れる。朝から病院の前に行列ができるほどだ。商品名も八珍司康、甘麦大棗包、七宝美髯包など、漢方の名前がついており、効能も説明されている。
さらに、貴州省貴州医科大学附属病院内の貴医食堂でも薬膳パンを発売して人気になっている。北京市の漢方薬の老舗「同仁堂」傘下の知嘛健康は、漢方医が監修をしたパンを販売する店舗をショッピングモールに展開し始めている。

若者の健康志向が漢方の再評価に
このような薬膳パンを買っているのは、高齢者ではなく、20代、30代の若者が中心だ。コロナ禍以降、若者の健康志向はますます強くなっている。若者たちが注目しているのが漢方で、漢方とモダンな飲食品を組み合わせた商品がヒットすることが続いている。浙江省杭州市の浙江省中医院で発売している酸梅湯(スワンメイタン)は、昔からある薬膳ドリンクだが、これがにわかにヒット商品になっている。また、薬膳中国茶、薬膳コーヒーを出すカフェも人気となっている。
今の若い世代にとっては、漢方というのはおじいちゃん、おばあちゃんが服用する古臭い薬というイメージだった。それがモダンな店舗で新しい形で提示をされると、かえって新鮮に感じ、新しい健康食品として受け入れられている。漢方業界でも、若い世代に漢方を知ってもらう絶好の機会と考え、さまざまな工夫をしている。

老舗漢方ブランドにとってはまたとないチャンス
この両者の動きが、ヒット商品として投資家が注目をするようになるほど成長をしている。さらに、競争圧力が比較的低いため、ジャンルとして健全な成長が期待できる。すでに、模倣をした店舗がいくつも登場しているが、その多くは上手くいっていない。多くの消費者が、同仁堂などの老舗漢方店や病院などの権威に大きなブランド価値を感じているからだ。素人がいきなり薬膳パンをつくっても信頼されないため、老舗漢方店や病院はじっくりと商品開発に取り組むことができる。
薬膳パンが、中国の食卓の定番となる可能性もあり、漢方業界はさまざまな商品開発を始めている。

バックナンバーポッドキャスト放送中!