人民解放軍がさまざまなロボットを採用し、その映像をSNSなどで公開するようになっている。最も活躍しているのは、前線の兵士に暖かい食事を届けるドローンだと軍武次位面が報じた。
人民解放軍が導入するドローンと犬型ロボット
中国で進むドローンと犬型ロボットの進化。その影響は、人民解放軍にまで及んでいる。すでにウクライナへのロシアによる侵攻では、ドローンを兵器として使うことが世界の常識となった。
その変化を受けてか、人民解放軍はCCTVや中国軍視網を通じて、無人デバイスを使っていることを積極的に紹介するようになっている。

2016年から本格導入を始めた人民解放軍
人民解放軍が無人デバイスの本格利用を始めたのは2016年のことだ。この年、人民解放軍陸軍は、「跨越険阻2016」という名称の無人ロボットコンテストを開催し、そこで50m競争とトレイルランで、中国兵器装備集団が開発した「奔跑号」が好成績を収めた。
この奔跑号は時速5kmで2時間連続歩行が可能というもので、実際の行軍にはまだ使えない。しかし、ここから陸軍での本格的な行軍無人ロボットの開発が始まった。

偵察、物資輸送、射撃が可能なロボット
2018年の珠海航空ショーでは、偵察と弾薬物資の輸送ができる小型の犬型ロボットが展示された。このロボットは、西武戦区部隊に配備され、偵察、輸送だけでなく、銃器を備え、リモート操縦により、射撃をすることも可能になっている。
さらに、カメラにより、ターゲットをロックオンし自動追尾をすることや、レーザースキャナーを搭載し、周辺分の地形図を生成することもできるようになっている。
実際の実戦投入では、ドローンにより、前線に運ばれ、そこで分離をし、活動を始めることができるようになっている。
集団で行動できるロボットの狼
2024年の珠海航空ショーでは、このような犬型ロボットが集団行動できることが展示された。複数のロボットが集団で目的地に投入され、それぞれのロボットが、偵察、追跡、運搬、射撃などの役割分担をすることができるようになっている。
その行動半径は2kmに達し、30台のロボットが協調をして、3時間行動することができる。
この集団ロボット群は、俗に「機械の狼」と呼ばれている。

静かに進む偵察用無人ロボット
また、キャタピラータイプの偵察用無人ロボットも登場している。キャタピラーは、軽量化と静音隠蔽をするためにゴム製で、電動であるために、非常に静かに走行することができる。
測位衛星による位置測定が可能で、車体に搭載されているマストには、光学と赤外線カメラが内蔵され、周囲の情報を偵察する。進むルートは、リモート操縦することも、あらかじめ設定したルートを進むことも可能だ。

弁当を運ぶドローンが広く導入されている
この他、さまざまなドローン、ロボットが採用されているが、具体的にどの部隊に、どのような目的で配備されているかは、公開されているごく一部を除いて、軍事機密になっている。
しかし、人民解放軍が積極的に公開しているのが、炊事班でのドローン、ロボット活用だ。
2020年には、海抜4500mの演習地に、ドローンで食料物資を運ぶ場面が公開された。その様子から、デモンストレーションのためにドローンが使われたのではなく、炊事班にはドローンが通常配備されていることがうかがわれる。
戦場では、さまざまな兵器が使われるが、最後の最後は白兵戦となり、強い兵士が多い方が制するという考え方が人民解放軍では根強い。そのため、新鮮な食材を炊事班に届け、現場で調理する、暖かい食事を出すことが重視されている。炊事班も行軍ロボットでさまざまな調理器具を持ち込み、本格的な中華料理を兵士たちに提供をしている。
人民解放軍では、ドローンやロボットを兵器としてよりも、後方支援のために使うことを重視しているようだ。



バックナンバーポッドキャスト放送中!