つい数年前まで、「EVは不便」という理由で避ける人がいたが、新エネルギー車が増えるとともに、今度は「燃料車は不便」になり始めている。燃料車ユーザーは4つの困難に直面していると烏鴉君的汽車観が報じた。
燃料車好きが直面している4つの困難
中国では新車販売の50%以上が新エネルギー車(EV+PHEV)となっているが、逆に言えば、半分の人は燃料車をまだ選んでいるということだ。燃料車のファンもまだまだ多い。エンジン音を聞けば、車の健康状態がわかる。新エネルギー車(NEV)は、スマホのような道具にすぎないが、燃料車は生きている相棒だ。そう考えている人も多い。
しかし、NEVが台頭するにつれ、燃料車ユーザーは4つの困難に直面しようとしている。
1:リセールバリューが出なくなっている
自動車の魅力は、中古車として販売できることがあった。新車を買い、3年ほど乗ったら売却をする。その資金で新車を買う。そうやって常に新車に乗り続けることができる。
一方、NEVは、性能が日々進化をしているため、3年前のモデルは中古市場での価値が出ない。そのため、リセールバリューがなく、バッテリーの劣化保証がされている8年間は乗り続けるしかない。燃料車ファンにとっては、これが面白くないのだ。
ところが、燃料車もリセールバリューが出なくなっている。燃料車を買う人が減り、中古市場が縮小をしているからだ。さらに、困ったことに、燃料車メーカーは販売台数が落ち続けているため、本体価格を下げ始めている。新車の価格が下がると、その旧モデル中古車はますます売れなくなる。下取り価格も下がっていく。
2024年では、燃料車は40%以上価格を下げたモデルもある。このまま行くと、燃料車の中古市場も縮小し、下取り価格は鉄屑価格に近づいていくことになる。

2:ガソリンスタンドが見つからない
2024年末で、ガソリンスタンドは11万ヶ所あるが、前年から2%の減少となった。ガソリンスタンドの減少が加速をし始めている。言うまでもなく、NEVが普及をし始めているからだ。
一方で、充電スタンドは1281.2万台分となった。ガソリンスタンドは1分に1台、充電スタンドでは1時間に1台、エネルギー補充ができるとして計算すると、ガソリンスタンドは1日に1億5840万台にエネルギー供給ができ、充電スタンドは3億0748万台にエネルギー供給ができる。
つまり、もはや、充電スタンドの方が供給能力があるのだ。充電スタンドは今後も毎年20%から30%ペースで増え、さらに5分で充電が完了するウルトラスーパーチャージャーの配備も年間10万基ペースで進んでいる。一方、ガソリンスタンドは減少傾向にあるのは確実で、その減少度合いも加速し始めている。
つい数年前、EVユーザーは「充電スタンドが見つからない」問題を抱えていたが、数年後には燃料車ユーザーが「ガソリンスタンドが見つからない」問題に直面する可能性がある。
3:燃料車は都市から締め出され始めている
大都市では、市内に入る車のナンバー制限を行っている。月曜日はナンバーの末尾は3と8の車は市内に入れないなどだ。この目的は、交通渋滞の緩和と大気汚染だ。そのため、NEVに関しては緑色の専用ナンバープレートを採用し、この制限を受けない施策を行っている都市が多い。
つまり、燃料車は走れない日があるが、NEVはいつでも自由に走ることができる。

4:ナンバープレートが取得できなくなる
中国は政策としてEVシフトを推進している。それは産業振興だけでなく、エネルギー安全保障でもあるからだ。中国は石油の8割を輸入している。これはいつ供給が絶たれるかわからない。そこで、8割が国内で調達できる発電エネルギーを使った電力に転換をしたい。
そのため、燃料車のナンバープレートの発行は数を絞り、抽選であたらないと取得できない。一方、NEVのナンバープレートは申請をすれば取得ができる。この傾向は今後も強まっていく。つまり、燃料車は買えてもナンバーが取得できず、走ることができないという事態になっていく。
「EVは不便」が逆転をし始めている
NEVの新車販売台数が50%を超えたことにより、以前言われていた「EVは買ってもいろいろ不便がある」が逆転をして、今後は「燃料車は買ってもいろいろ不便がある」傾向が深まっていくことになる。
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