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不可能な三角形を可能にしたKFCとピザハット。運営効率化と革新を同時に行う

飲食業界では「総売上」「既存店売上」「利益」の3つは不可能な三角形と呼ばれる。2つを同時に達成することはできるが、3つを同時に成り立たせることはできないからだ。しかし、KFCとピザハットはそれを可能にしたと財経無忌が報じた。

 

飲食業の「不可能な三角形」

飲食業の世界では「不可能な三角形」と呼ばれるものがある。それは「総売上」「既存店売上」「利益」の3つで、これを同時に成長させるのは非常に難しいというものだ。

よくあるのは、集客ができていないのに盲目的に店舗を拡大する例。総売上は増えるので、一見、業績が好調のように見える。しかし、店舗同士のカニバリズムが起こり、既存店売上は減り、出店費用が嵩むため利益は減少してしまう。価格を下げて客数をとれば、既存店売上と総売上は増えるが、利益が減少してしまう。利益を重視すれば、客数が減り、総売上と既存店売上がおちていく。この3つを同時に成り立たせるのは非常に難しいのだ。

 

不可能三角形を可能にしたKFC、ピザハット

しかし、KFCやピザハットを運営する百勝中国(ヤムチャイナ)は、この不可能な三角形を成り立たせた。2024年Q4の財務報告によると、2024年通年の総売上は113億ドルに達し、過去最高となった。既存店売上は-1%とやや下がったが、利益に関しては18%増と、飲食店としてはこれ以上ない優れた業績をあげた。

しかも、2024年は飲食店が300万店舗閉店するという、飲食店にとっては厳しい時代の中での業績だ。しかし、国家統計局のデータは、2024年の飲食収入は55178億元となり、前年から5.3%も増加をしている。

つまり、今の中国は、飲食不況ではなく、勝ち組と負け組がはっきりとわかれるようになっている。その中で、KFCとピザハットは間違いなく勝ち組となった。

 

売上をとるか、利益をとるか

飲食チェーンは、難しい舵取りを迫られている。バブル崩壊により、大都市での現役世代が被害を受け、かつてないほどまでの節約生活に入っているため、3元朝定食や9.9元セットが人気になるようになっている。

この中で、売上と利益のどちらを重視するのか。それとも運営効率をさらに高めるべきなのか、それとも大胆な革新を実行して勝負に出るべきなのか。いずれにしても、保守的な戦略で、ずるずると価格を下げているだけの飲食店は、不可能な三角形の3つともが下がってしまい、閉店をせざるを得なくなる。

その中で、ヤムチャイナは、KFCが総売上5%増、経常利益18%増、ピザハットは既存店売上が8四半期連続で増加し、前年比9%増、営業利益は226%増とピザハットの運営がヤムチャイナに移管されて以来の記録をつくった。

ヤムチャイナはいったいどうやってこの業績をあげたのか。

 

運営効率化と革新を同時に行う

ヤムチャイナの手法は、運営の効率化と革新を両立することだった。そのわかりやすい例が9.9元(約210円)でシングルオリジンのコーヒーを販売するK COFFEEだ。KFCのメニューにもK COFFEEが追加されるが、KFCの店舗に窓口を設置して、コーヒーだけそこで購入することができる。つまり、気軽に立ち寄ってコーヒーが買えるスタンドをKFC店舗に併設した。2024年には700店舗に設置され、2025年末には1300店舗に増やす計画だ。

質の高いコーヒーを安く提供できるのは、店舗の出店コストが不要で、キッチンとスタッフもKFCと共用できるためコストがかからない。これで2024年には2.5億杯を売り上げた。

しかも、同時に、これがKFCの集客にもなっている。コーヒーを買いに来て、お腹が空いたことに気がついた来店客は、コーヒーを持ったまま店内に入って食事を注文してくれる。KFCとK COFFEEの双方に効果が生まれた。

コーヒースタンドを始めるという革新に挑戦しながら、同時に運営効率を最大にしているのだ。

▲KFCは9.9元のK COFFEEを展開した。コーヒーだけ買うことができる。スタッフ、店舗はKFCを利用するためにコストは増えない。それで格安でコーヒーを提供できる。

 

高級店舗を利用して格安店を展開する

ピザハットでも効率化と革新が両立できている。ピザハットは、中国ではピザレストランの業態で展開をしていて、約3700店舗を展開している。その場でピザを石窯で焼くなど、味の点では消費者の心をつかんでいる。しかし、問題は価格で客単価は76元(約1600円)にもなる。気軽にいく店というよりも、若者がデートで使うような店だ。

そのため、サイゼリヤに蚕食されてしまった。サイゼリヤは安くて美味しいイタリア料理が売りで、客単価は45元(約940円)。昨年夏に一気に大量展開し、450店舗規模になっている。

そこで、ピザハットは新業態「ピザハットWOW」をスタートさせた。サイゼリヤを意識した低価格業態だ。このピザハットWOWが200店舗を超えている。ピザハットWOWは新規出店よりも、既存のピザハットの改装で店舗数を増やしていった。メニューを簡素化し、運営効率をあげて低価格を実現しているが、現場でピザを焼くことは変わらず、ピザハットの落ち着いた店内空間の中で食事ができる。これでサイゼリヤと価格帯は同じであるため、多くの人から「アップグレードされたサイゼリヤ」と認識された。

さらに、ピザハットWOWでは、玉子を使った黄金ピザなどの新しいメニューを投入し、テストマーケティング店舗としても活用している。

ピザハットWOWは、価格帯はサイゼリヤと同じだが、店舗には高級感があり、ピザも現場で調理することで、サイゼリヤに対抗している。

 

グローバルでは縮小でも中国では拡大するピザハット

2024年、KFCは1352店舗を新規出店し、ピザハットもWOWを含め412店舗を新規出店している。ピザハットはグローバルでは店舗数が減少しているが、中国地区だけで増加をしている。

それも、経済が好調な地方都市や、高速道路のインター近く、観光地、キャンパスなど、戦略的な出店を行っている。

現在の厳しい飲食市場では、運営の効率化だけでは限界が訪れる。革新をするだけでは消費者の心がつかめるかどうかわからない。運営の効率化と革新を両立する手法を考え出さなければならなくなっている。それを両立したのがヤムチャイナで、だからこそ、不可能な三角形を成り立たせることができた。

 




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