5つ星を得ている高級ホテルが次々と売却されている。バブル崩壊により、デベロッパーが資金を得るために売却を進めているからだ。所有者が変わっても営業が続けられるホテルもあるが、中には売却先が見つからずに廃業を余儀なくされるホテルも多いと三聯生活週刊が報じた。

高級ホテルが次々と売却へ
中国の五つ星ホテルが次々と売りに出されている。その象徴的な出来事は上海ブルガリホテルの売却だ。2018年にオープンした世界で6番目の上海ブルガリホテルは、宿泊料金が最低でも6000元(約12.3万円)からというもので、大晦日のスイートの宿泊料金は30万元(約610万円)以上。ここにセレブが集まってパーティーを楽しみながら年を越すというのが毎年の恒例になっていた。しかし、2023年12月、観光開発の華僑城グループに売却をされた。
北京にあるウェスティンホテルは、金茂集団が所有をしていたため、正式名称は「北京金茂ウェスティンホテル」だった。しかし、2023年10月、売却をされ「北京渤海潤沢ウェスティンホテル」となった。

売却先が見つからず、閉店する高級ホテルも
このような売却されたホテルは幸運な方だ。オーナーが変わってもホテルとして存続し続けることができる。しかし、売却先が見つからない5つ星ホテルも多い。北京ソフィテル、佛山ヒルトン、重慶バンヤンツリーなど、最終的に買い手が見つからなければ閉店をするしかなくなっている。
すでに閉店の道を選んだ5つ星ホテルもある。北京長城ホテルとオポジットハウスは、北京の最もラグジュアリーな地域である三里屯にありながら、2024年に続けて閉店をした。オポジットハウスは、日本の隈研吾氏が設計を担当したモダンなホテルで、大きな話題を集めたが、16年の歴史に幕を下ろすことになった。

5年の間に100軒以上の5つ星ホテルが廃業
文化観光部の統計によると、2019年末に中国には5つ星ホテルが845軒あった。しかし、2024年末では736軒に減少し、わずか5年の間に100軒以上が廃業したことになる。
減少の最大の理由は、デベロッパーが所有している5つ星ホテルが多かったからだ。現在、不動産バブルの崩壊でデベロッパーの財務状況が悪化をし、資産の売却をしなければ生き延びることができなくなっている。そのため、売却が続いている。
開発ラッシュで国際的ホテルが大量進出
中国の最初の5つ星ホテルは、1983年に広州市にオープンしたホワイトスワンホテルだった。2000年前後に国際的なホテルチェーンが中国に進出をし、上海にリッツカールトン、シャングリラ、フォーシーズンズなどがオープンした。
また、2008年の北京五輪は北京の景観を大きく変えた。北京五輪を見越して、2006年にインターコンチネンタル、ウェスティン、リッツカールトンがオープンした。
これを見て、地方都市でも5つ星ホテルの建設ラッシュが始まった。地方政府は土地の使用権をデベロッパーに売却する時にある条件をつけた。それは、国際的な5つ星ホテルを建設し、運営することだった。
華麗な5つ星ホテルは、都市の景観を一気に近代的なものに変え、その地域を高級化する。土地の価値はあがり、周辺地域の土地の使用権も高く売れるようになるからだ。

バブル崩壊で赤字ホテルの運営が重荷に
しかし、問題は、北京や上海という大都市であればまだしも、地方都市の多くでは1泊10万円もするような高級な5つ星ホテルは需要がないことだった。しかし、デベロッパーが地域開発と一体化をして運営をしたため、ホテルが赤字でも地域の不動産で大きな利益を得ることができるため問題はなかった。5つ星ホテルは土地の広告塔のようなものだった。
しかし、それが不動産バブルの崩壊により、赤字ホテルが重たい荷物になってきている。需要のある大都市では、売却されてもホテルとして運営されることもあるが、需要のない地方都市では、運営に手をあげる企業は少ない。建物としての価値だけでは売却価格が高すぎる。中には、売却されてオフィスビルに衣替えをする例も見られるが、多くのホテルが売却先が見つからずに宙に浮いた状態になっている。
5つ星ホテルは、今後もしばらくの間は、地方都市を中心に減り続けるものと見られている。