教室の中に猫がいる高校がある。広東省仲元中学ではあることがきっかけとなり、学校で猫を飼い始めた。生徒からは人気で、スマホを触る時間が減り、進学率もあがるという効果も現れた。視察をしてペット可にする学校が増え始めていると南方都市報が報じた。
猫がいる学校
猫だらけの高校がある。広東省仲元中学(高校)だ。猫は廊下を歩いているだけでなく、授業中でもかまわず、教室の中に現れては、机の上に乗って昼寝をする。全部で6匹の猫が学校の中でくつろいでいる。
なぜ、この高校は猫だらけなのか。


迷い猫から始まった猫だらけの高校
2021年、仲元中学に1匹の迷い猫が入ってきた。当時は、新型コロナの感染拡大が落ち着いたばかりで、教師も生徒も不安の中にいた。そのため、この猫に「胖橘」(太ったオレンジ)という名前をつけて可愛がった。
2022年に新しいキャンパスができ、仲元中学は移転をした。胖橘は置いていくしかないが、どうするのだろうとみなが心配をした。ところが、引越して、スポーツ用具が入った箱を開けてみると、中から胖橘が出てきたのだ。これは「置いていかないで」と胖橘が言っているに違いないと、校長の責任で、胖橘を飼い続けることにした。
ところが、誰も見てないところで、車に轢かれたらしく、足に大怪我をしていた。教員が動物病院に連れて行ったが、その途中で胖橘は逃げ出し、行方不明になってしまった。教員も生徒も胖橘を探したが見つからない。みなが落胆をした。
そのことを知った猫好きの人が、学校に母猫と子猫4匹を寄付するという。学校としては困ったが、教員が話し合い、飼おうということになった。そのうち、青い猫がいつの間にか1匹増えて、合計6匹となった。

猫アレルギーの生徒へも対策
「飼う」というのは簡単だが、実際に学校で飼うというのは簡単なことではない。世話は事務係がするとしても、無制限に増えたり、人に感染する病原菌を持ちこまれては困る。そこで、学校は予算を割いて、不妊手術とワクチン接種を行った。
さらに困るのが、猫アレルギーの生徒がいることだ。仲元中学では、授業の中で猫アレルギーに関する勉強会を行った。猫アレルギーは、猫の唾液や体から出るタンパク質に反応する。そのため、触ったりするとアレルギーになる。また、毛に付着して空中を舞ったりして、それが呼吸器に入るとアレルギー反応が起きる。そのような知識を教え、猫アレルギーの人は申告をするルールを設け、猫アレルギーの生徒がいる教室は、猫は立ち入り禁止にした。
また、図書室などでも、猫が入れないゾーンを設けた。清掃の回数を増やす、同じクラスに猫アレルギーの生徒がいる場合は、猫に触った後に手洗いをするなどのルールを設けた。

猫のおかげでスマホを触る時間が減る
猫がいることは生徒たちに大きな効果をもたらした。何より、ストレスが軽減されたのだ。勉強がつらくても、猫と遊ぶと癒される。見ているだけでも心が和んでくる。
仲元中学では、授業でもスマートフォンやタブレットを使い、休み時間中には自分のスマートフォンは自由に使わせていた。多くの生徒がゲームをして楽しむ。ところが、猫がきてからは、スマホを使う生徒の姿がめっきりと減った。みな、猫と遊んだり、猫を眺めて休み時間をすごすようになったのだ。


進学率も上昇
こうして、仲元中学の重本率(重点大学への進学率)は84%にも達し、地域有数の進学校となった。これにより、省内省外からの視察も相次いでいる。
ペットをつれて登校できる高校も現れる
深圳市龍崗区の平岡中学もキャンパスで猫を飼い始めた。平岡中学ではワクチンのみ接種し、不妊手術は行わず、繁殖をさせている。子猫は生徒たちが主体になって飼い主を探して養子に出す仕組みだ。
広西省南寧二中学では、生徒が自分のペットを学校に連れてくることを許可した。犬や猫は当然のこと、鶏やウサギ、アヒル、ガチョウなどを学校に連れてくる生徒が次々と現れた。このルールも生徒たちに自主的に決めさせた。ペットを連れてくるには事前申請が必要で、ペット用の入館証を発行する。また、大型犬類、爬虫類、両生類、その他、他の生徒が恐怖を感じるペットには入館証が発行されない。
生徒たちのメンタルに大きな効果があることがわかり、今後も「ペット可」の学校は増えていきそうだ。