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ドローンで高層ビルの消火活動を。実際のビルを使った実戦演習では30分で鎮火

中国科学院がドローン消火の仕組みを開発した。ハシゴ車が届かない高層階の消火をドローンで行うだけでなく、有害物質を使わない新たな消火剤も開発した。実戦演習では30分での鎮火に成功しており、全国に普及させる試みが始まっていると上観新聞が報じた。

 

高層建築の多い中国の課題「火災」

中国は世界一の高層ビル大国になっている。高さ27m以上の高層ビル(10階建以上)は100万棟以上あり、高さ100m以上の超高層ビルも5000棟以上ある。その一方で、高層ビル火災も起きている。2008年から2023年までの累積で11万5993件発生し、年間平均で7250件起きている。

しかし、高層ビル火災は消防士にとって難題だ。はしご車で火災のコアエリアに接近をし、消火活動をしなければならないが、はしご車の設置は敷地条件に大きく制約をされるため、準備に時間がかかり、なおかつコアエリアに接近できないことが多い。事実上、何もできずに手をこまねいて、人命救助活動などに集中をするしかないこともある。

▲ドローンは高層階にも到達し、消火剤を噴霧した後、水を噴出して、火災箇所の温度を下げて鎮火をする。

 

ドローンで消火活動をする

中国科学院上海有機化学研究所の姜標氏は、この課題に対応するために、ドローンを使った消火活動システムを開発することにし、4年以上の時間をかけて「天地一体都市ドローンスマートグリーン消防装備の研究開発と応用」プロジェクトを、緊急管理部上海消防研究所、藍菁安全技術、中国科学院上海高等研究所などの協力を得て完成した。民間企業からも、消防車の開発に徐州重工、ドローンの開発に重慶中岳、上海大風などの協力を得た。

ドローンは100m以上の高さに上がることができ、ハイビジョンカメラと熱センサーを利用して、火の勢いや煙の拡散を把握し、火の源を正確に特定し、新開発の高分子消火剤を噴出する。実験では500平米にわたる大規模火災をわずか20分で消火できることがわかった。

▲ドローン基地となる消防車。この消防車から消火用の水などを供給する。

 

実際のビルを使った演習では30分で鎮火

2024年9月には、福建省福州市の高新テクノロジー開発区にある三創産業園の1号棟の110mの高さにあるフロアを借り、500平米のフロアに実際に火をつけて消火をするという実践訓練が行われた。

ドローンを開発したのは福州中岳で、消火剤噴射の他、地上からの供給を受けて水帯発射、緊急支援物資の投擲などもできる機能を持っている。この実戦演習では約30分で鎮火をすることができた。

福建省福州市で実際のビルを使った実践演習が行われた。30分で鎮火をするという成功を得た。

 

耐高温皮膜をつくる新たな消火剤

ドローンによる消火活動が、メディアでは取り上げられやすいが、このプロジェクトの大きな革新は、消火剤にもある。従来のフルオロオクタン類をベースにした泡消火剤は、消火性能は高いが、国連によって人と環境に有害な「永久化学物質」として認定されてしまったため、新たな消火剤を開発する必要があった。

そこで、姜標氏の研究チームは、フッ素を使用しない泡消火剤を開発した。この消火剤は泡で酸素を遮断するだけでなく、物に付着すると耐高温皮膜を形成する機能を持っている。

消火活動をする時は、最初にこの消火剤を壁面などに吹きつけ、壁を高温から守り、延焼が進まないようにする。それから、室内に噴射をすると、泡が酸素を遮断し、炎が収まっていく。

室内に泡を満たして酸素を遮断するという方式であるため、二酸化炭素のように、万が一、生存者が室内に残っていた場合でも窒息を起こすようなことはない。また、室内の装置などにも影響を与えないため、電子設備や精密機器がある場所での消火活動にも対応ができる。

姜標氏は、この消火剤を家庭用にも使えるように研究を進めている。

 

ドローン消火のメリットは安全と迅速

ドローン消火の最大のメリットは、消防士の安全だ。はしご車による消火活動では、はしごという動きが制約される中で、コアエリアにできるだけ近づき消火活動をしなければならない。これは危険な作業で、火傷などの事故が跡を絶たない。

また、ドローン消火であれば、迅速な消火活動を行うことができる。はしご車は、大型であり、どの道でも通れるわけではなく、火災現場に到着するまでに時間がかかることがある。さらに、はしごを伸ばすにはコアエリアとの位置関係、地面の強度などの制約を受けるため、消火活動の計画を立て、それからはしご車の位置を決めなければならない。これにも時間がかかる。

しかし、ドローン消火であれば、コアエリアに接近できる場所にステーションとなる消防車を設置すればよく、ドローンは約20秒で100mを超える高さのコアエリアを把握し、消火活動に入ることができる。

▲森林火災は火元の特定が非常に難しい。ドローンで火元を特定し、消火剤をピンポイントで噴霧する仕組みも開発が始まっている。

 

今まで消火ができなかった未到達ゾーンでの消火活動

姜標氏のチームは、この技術をさらに進化させ、森林火災や石油化学パイプラインなど、広範囲にわたって火災源を特定しなければならないタイプの火災にも応用をしていく予定だ。

また、高層ビル火災に関しては、専門技術が必要なことから、各地に専門チームを設置するためのトレーニングと演習場を用意する活動を進めている。一般的なはしご車の到達行動はわずか30m。それ以上の高さでの火災は、ビル内部の防火施設、消火設備に頼らざるを得なかった。この消防の「未到達ゾーン」に手が届こうとしている。

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