ホテル住まいをする若者が増えている。女性の場合は安全性を求めて、男性の場合は節約ができるからだ。中国の住宅価格は下がっているものの、大都市では下落率は小さい。住宅価格が高止まりする中で、若者たちの住宅観が変わろうとしていると毒Sir財経が報じた。
意外に下がっていない大都市の住宅価格
中国のバブル崩壊で住宅価格の下落が続いているが、大都市の利便性のいい場所の住宅価格は意外に下がっていない。実需要があるからだ。下がっているのは地方都市や郊外で、この下落幅が大きいために統計上は住宅価格が下がっていることになるが、大都市中心部の企業に勤めたい若者にとっては相変わらず住宅難が続いている。
その中で、ホテル住まいをする若者が増えている。理由は簡単で、長期滞在をすれば、賃貸住宅を借りるよりも安く済むからだ。

自宅が遠いことから、近くのホテル住まいに
杭州市のある若者は、大学を卒業後、あるベンチャー企業に就職をした。ベンチャーであるため残業はあたりまえで、帰宅をするのが深夜になることもしばしばあった。親と同居をしている実家は1時間以上かかり、通勤で疲弊をしてしまう。そのため、遅くなった時は、オフィス近くにあるホテルを利用するようになった。そのホテルは、シングルで一泊250元(約5300円)というものだったが、利用をしてみると、長期滞在割引というのがあるのを知った。それによると、3ヶ月以上の長期契約をすると、月あたりの宿泊料は3200元(約6万8000円)になり、しかも朝食とコーヒーがついている。さらには月2回の清掃サービスもある。光熱費も負担する必要はない。
この若者の場合は、実家があり、荷物などは実家に置いておける。そのため、ホテル住まいは賢い選択だった。同等の立地でワンルームを借りようとすると6000元はくだらない。利便性と経済性からホテル住まいを続けている。

安全を求める女性が選んでいるホテル住まい
ホテル住まいを選ぶ若者には女性が多くなっている。女性は節約をするために、シェアハウスを借りる傾向があるが、人間関係でうまくいくこともあれば、トラブルになることもある。
しかし、それでもマンションを借りて一人暮らしをしないのは安全性の問題だ。宅配便やフードデリバリーを使うと、ドアを開けて荷物を受け取らなければならない。一人暮らしの女性と見ると、余計なことを口にする質の悪い配達員もいる。そのような配達員に自宅の場所を知られているというのは、生活上の大きな不安になる。
フロントがあって、直接対応しなくてもいい単身女性用マンションもあるが、そのようなマンションは家賃もそれ相応に高くなる。だったら、フロントがあり、カードキーで出入りをするホテル住まいが賢い選択になる。宅配やデリバリーの配達員は、カードキーがなければエレベーターに乗ることができないため、呼び出しを受けてロビーにまで受け取りに行かなければならないが、安全を確保することに比べればそのわずらわしさは大きなものに感じられなくなる。
節約のためにユースホステルを選ぶ人も
また、ホテルではなく、さらに節約するためにユースホステルに長期滞在をする人も増えている。ユースホステルの多くは個室ではなく、大部屋になるが、プライバシーは保てるように配慮をされている。その一方で、大きなリビングやカフェ、フィットネスなどを備えているユースホステルもあり、自分の部屋がないことを除けば快適な生活が送れる。

ホテル住まいで自然に断捨離が進む
ただし、問題は、ホテルもユースホステルも仮住まいであり、自分のものを置けないということだ。小さなものであればかまわないが、大きな家電製品は置けないし、服なども最小限のものしか置くことができない。中にはレンタルスペースを借りて、そこに私物を置いている人もいるが、多くの人が物を買わなくなるのだという。ほんとうに必要なものと不必要なものが見えてきて、余計なものは買わなくなる。ホテル住まいの最大の利点は、自然に断捨離が進むことだと感じている人もいる。ホテル住まいは、新しいライフスタイルとして定着をし始めようとしている。