米国で中国の電動オート三輪が人気になっている。ちょっとした資材を運ぶ時に、小回りが効いて便利であり、価格もピックアップトラックの1/10以下であるという点が受けていると投資家が報じた。
米国で中国のオート三輪がヒット商品に
三蹦子(サンベンズ)と呼ばれる電動オート三輪が米国で人気になっている。00后(2000年代生まれ、20歳前半)の呉さんが、2023年に渡米をして起業をし、自分で設計したオート三輪の販売を始め、3ヶ月で100万元(約2.1億円)を売り上げ上げた。
呉さんは2023年2月に渡米をし、2024年3月からカリフォルニア州に店舗を開き、中国の電動オート三輪を3500ドルで販売を始めた。最初の2ヶ月で200台が売れるという成功を収めた。
しかし、中国のオート三輪そのままであるために、バックをする時は、中国語で「バックします。注意してください」という音声が再生される。これを面白がる人もいたが、中国のオート三輪そのままを米国で使うには問題もあり、バッテリーを増やすなど、オリジナルの米国版オート三輪を開発し、これを販売したところ、好調に売れている。

ピックアップトラックよりも便利なオート三輪
呉さんの店では、電動スクーター、ゴルフカートなども販売しているが、最も売れているのはオート三輪だ。主に農家の人が買って、農場に荷物を運ぶのに使っている。これまではピックアップトラックを使っていたが、大きすぎで実際の農場では不便なことも多かった。そう感じていた農家が小回りの効くオート三輪に目をつけた。また、メキシコ人が買っていき、屋台に改造してキッチンカーにしている例も増えているという。



欧州でも人気に、販売数は増加中
電動オート三輪を製造している国威(グオウェイ、http://www.guoweimotor.com/)電動三輪事業部の秦暁明服装経理によると、電動オート三輪は、2024年11月にイタリアのミラノで開催されたバイク展でも注目されるなど、海外で注目され始めている。海外向けの注文は2割から3割ペースで増加をしているという。
智研コンサルティングの調査によると、2022年の電動オート三輪の世界での販売台数は2287.2万台であり、そのほとんどが中国製だ。国内だけではなく、今後は海外市場でも伸びていくと期待されている。

EVシフトの盲点になっていた小積載貨物車
欧州では2035年以降は、EVや合成燃料車などCO2を排出しないゼロエミッションカーしか販売ができなくなる。人の移動に関しては、EVに切り替える、公共交通にシフトをすることができるが、荷物を運ぶなどの作業をする人のゼロエミッションカーが不足をしている。農家や工事業者などが、都市内で荷物を運べる手軽な乗り物として電動オート三輪に注目をし始めている。
この電動オート三輪は、時速が25kmまでしか出すことができず、欧米では低速電気自動車に分類され、公道走行が認められている。この法的整備が整っていることも、米国と欧州で電動オート三輪が売れる理由になっている。
また、最も大きな理由は価格だ。ピックアップトラックは安いものでも200万円以上はするが、電動オート三輪は20万円以下で買える。ピックアップトラックの1/10程度なのだ。

欧米ではオート三輪に対する警戒感も
ただし、政治的な課題もある。米国では国内の自動車産業を脅かすとして、中国からの自動車の輸入には厳しい目が向けられており、昨2024年7月には米商務省が電動オート三輪を含む低速個人用交通手段に対してもダンピングの調査を始めている。
また、欧州では、2027年から「欧州電池規則」が施行され、動力電池を輸出するにはバッテリーの詳細仕様を明らかにし、独自にリサイクルをしなければならなくなる。輸出販売をするだけでなく、リサイクルもしなければならないため、欧州に拠点を設けて本格的に進出をする必要がある。
そのような体制を整えてまで利益が出せるほどの市場があるのかどうかについては、今のところまだ見通せていない。しかし、欧米の消費者たちは、電動オート三輪を気に入っているようだ。電動オート三輪にのって楽しんでいる姿が、TikTokなどのSNSに多数投稿されるようになっている。