アニメ、ゲームの限定グッズを販売する二次元カフェが続々誕生している。お目当ては、来店客にだけ販売される限定グッズだ。しかし、IPの流行の移り変わりは早く、ビジネスとしては非常に難しく、定着を目指した競争が始まっていると虎嗅が報じた。
グッズショップの次はアニメカフェ
中国の中高生の間では、ゲーム、アニメ、コミック、ノベルのキャラクターグッズ店が人気となっている。特に上海市の中心地、人民広場付近には百聯ZX創趣場を中心として谷子店(グッズ店)が集まり、濃度の濃い場所として多くの若者を惹きつけている。
このような谷子(グッズ)を買ったり、浸ったりすることを「喫谷」(グッズを食べる)と呼ぶ表現も広まった。そして、比喩ではなく、グッズに囲まれながら食事やお茶をするグッズコンセプトカフェ、レストランが続々と誕生している。



日本のアニメカフェの進出がきっかけに
この流行はアニメイトカフェ、集英社傘下のSHONEJUMP CAFEの進出が刺激になり、国内系の二次元カフェが次々と誕生をしたことによるものだ。
このようなカフェでは、特定のIPと月替わりでコラボをし、飲食を提供する。その価格は入場料込みであるため、決して安くない。PrismLandがエヴァンゲリオンとのコラボをした時は、飲料が42元、デザートや食事が58元という設定だった。中国ではコーヒーが9.9元で飲め、食事は30元程度に抑えたいと考えている人が多い。
ところが、飲食や食事には限定グッズがついてくるため、それが欲しくて食べきれない量の料理を注文してしまう人も多く、それでも、多くの店が予約をしないと入れないか、1時間以上行列をすることになる。限定グッズは、そのコラボが終わるともうどこでも買うことができなくなるため、それが過剰な人気を呼んでいる。



カフェというよりは、ショップの限定販売スペース
業種としては、カフェまたはレストランとなっているが、投資家の多くは店舗小売の新しいスタイルだと考えている。このようなコンセプトカフェは、小売スペースも併設をしているのが一般的で、そこは予約なしで誰でも自由にグッズを購入することができる。
一方、奥のスペースがカフェになっており、飲料に限定グッズがついてくる。高額の限定グッズを販売することで、店舗の収益性が高まるというものだ。

IPの流行を読む力が要求される難しいビジネス
しかし、ビジネスとしては簡単ではない。アニメイトカフェは、2017年という早い時期に中国進出をしたが、早すぎたこともあって上海環球港店、上海松江印象城店は2022年に閉店をしている。その後、グッズブームが起こり、再びアニメイトカフェは成都市などに新店をオープンさせた。
グッズビジネスは、日本では長期にわたって安定した収益をあげており、中国の投資家も非常に興味を持っているが、一方で、非常に難しいビジネスだとも認識されている。収益を上げるには人気のIPを扱える契約を取る必要があるが、人気のあるIPほど権利使用料は高く、決して高額商品ではないグッズと飲食品では利益を出すことが難しい。
また、IPの多くは一時的に流行するだけで、すぐに人気が別のIPに移ってしまう。長期にわたって安定をした売上を確保するには、グッズのトレンドを読む力が必要になる。
NARUTOのラーメン屋を再現した「一楽」
その中でもユニークな試みをしているのが、ラーメン「一楽」だ。一楽はコミック「NARUTO」に登場するラーメン店で、コミックに出てくる店舗やメニューを再現した。2019年に上海市でオープンすると、月に2万人のお客がやってくるようになった。今年2025年には全国7店舗にまで増やす予定だ。
NARUTOのファンが、コミックの中に登場するラーメン店を体験できることが最大のウリだが、メニュー数も60種類を超え、日式ラーメン店、日式料理店としても認知されていることが人気の理由になっている。

二次元カフェは定着できるのか
二次元カフェは、現在は人気だが、それはまだ物珍しさがあり、数が少ないからだ。すでに大衆点評などのグルメガイドには、メニューに対する不満も寄せられるようになっている。「おいしくない」と「高い」「限定グッズがしょぼい」の3つが多い。今後も二次元カフェは無数に登場をしてくるため、早晩、淘汰が始まると見られている。その中で生き残るのは、谷圏(グッズファン)たちを満足させる体験を提供できる店になる。どのような体験を提供すれば、谷圏は満足してくれるのか、模索が始まっている。