各チェーンが格安の朝食セットの販売を続けている。不況が長引き、多くの人が通称「貧乏セット」に引き寄せられてくるからだ。しかし、体力勝負になっており、各社は出口戦略を考え始めていると差評が報じた。
北京の朝食は3元から
北京の朝食は3元(約60円)から。長引く不況で、各ファストフード、飲食店は低価格の朝食セットを続々と販売し始め、それは消費者からは通称「貧乏セット」と呼ばれるようになっている。中には「そんなものは私は食べられない」と避ける人もいるが、多くの人は安くておいしければ迷うことなく利用をする。各飲食店にとっては客流を確保するために、さまざまな朝食を工夫している。


3元朝食の火付け役となった南城香
この貧乏セットの火付け役となったのは、約200店舗を展開する中華ファストチェーン「南城香」(ナンチャンシャン)だ。わずか3元で、牛乳、豆乳、オレンジジュース、雑穀粥、スワンラータン、ピータン粥、蓮の葉粥の7種類の料理が食べ放題になる。
「わずか3元で食べ放題にして元が取れるのか」と不思議がられているが、創業者の汪国玉氏は、メディアの問いに対して「そのような発想ではイノベーションは起こせません」と答えている。
南城香は、朝、間食、昼、間食、夕食、夜食と6回の食事機会を設け、実際に客席も6回転以上している。特に夕食は焼豚飯や牛肉麺、エビ餃子などの料理があり、3元の朝食を始めてからも、客単価は28元程度を維持している。朝食でおいしければ、夕食などにもきてもらえる。

フルセルフ方式導入のきっかけに
また、南城香はコスト削減の観点から、セルフ注文、セルフサービスに移行をしたいが、いきなり変えると接客品質レベルが下がったと感じられてしまう。そこで、3元の朝食を提供し、そこではフルセルフ方式を導入した。3元ならフルセルフでも文句を言う人はいない。こうして、客にセルフ方式を浸透させながら、同時に客の反応を調べて、他の時間帯でも最適なセルフ方式を導入して、全体のコストを下げることをねらっている。
また、南城香は3元の朝食について「食べられる」という表現は使わず、「飲める」という表現を使う。中国では飲料やスープはもちろん、お粥も「飲む」と表現する。つまり、朝食の食べ放題メニューは「飲めるもの」ばかりで、それで朝は満足する人も多いが、けっこうな人が他に麺や油条(揚げパン)などを注文してくれる。
広告費、コストダウンのための研究費を考えると、じゅうぶんに元が取れているという。

バーガーキングは12.9元、タスティンは9.9元
このような貧乏セットの激戦区は、西洋ファストフードだ。バーガーキングは平日に「1+1」12.9元(約270円)のセットを提供している。Aグループ、Bグループのメニューから1つずつ選ぶというものだ。組み合わせ次第で、食事にもなるし、間食にもなるように設計されている。
さらに、中華バーガー「塔斯汀」(タスティン)は9.9元(約200円)のセットのクーポン販売を始めている。
中華ファストフードも負けていない。安いことで有名な中華チェーン「超意興」(チャオイーシン)は、17.5元でボリュームたっぷりの夕食が取れる。さらに、サイゼリアも貧乏セット好きには人気のチェーンになり、20元以下で満足感がえられ、俗に「貧乏天国」とも呼ばれている。

マクドナルドは貧乏セットを値上げ
このような通称貧乏セットは、最初はお金を節約するために広がったものの、現在ではゲーム感覚になってきている。SNSでは、どこのチェーンが貧乏セットを始めたかという情報が頻繁に交換され、さらには「このメニューを組み合わせると安くあがって満足感がある」という裏技的な情報も交換されるようになっている。
その貧乏セットファンの間で、ひとつの懸念が持ち上がっている。マクドナルドが「1+1」セットを12.9元で販売していたが、それが値上げをして13.9元になってしまった。SNSでは「マクドナルドに裏切られた」という声が広がっている。


チキンレースになっている格安朝食
各社ともさまざまな努力をしながら低価格セットを販売し、客流を確保しようとしているが、その企業努力も限界に達しているのも事実だ。どこかで低価格戦略から脱出をしなければならないが、そのきっかけがつかめずにいる。ファストフード業界はチキンレースの様相を示すようになってきている。各チェーンの体力勝負になってきている。