中国アニメ「呼喚少女」のPVが公開されると、海外のアニメファンから絶賛をされた。中国アニメの水準もここまできたのかと驚かれたのだ。ところが、中国のファンの反応は今ひとつだったと游研社が報じた。
世界を驚かせた中国アニメの水準
昨2024年9月に公開された中国アニメ「呼喚少女」(Call Up Girls)が国内外で話題を呼んでいる。PVがYouTubeに公開されると、特に海外の視聴者から大きな反響があった。
その多くは、中国アニメの水準が想像以上にあがっていることに驚いているものだ。作画やアニメーションの技術だけでなく、演出も日本アニメそのまま。言われなければ中国アニメとは思えないほどの出来栄えになっている。

▲呼喚少女のPV。言葉が中国語であるだけで、日本人から見ても違和感のない出来になっている
ところが中国では不評だった
しかし、意外なことに、中国内での評判が今ひとつなのだ。この「呼喚少女」は、原作の漫画が「テンセントコミック」で、5年前から連載が続いている。しかし、人気が出たのはアニメが公開されてからで、それまではほとんど注目されなかった。
アニメの制作の方も力が入っている。多くの日本アニメが、実際のロケーションを取材して背景を制作し、数々の「聖地」を生み出してきたように、呼喚少女のスタッフも広州市第三中学(高校)を取材し、舞台に使い、リアリティを持たせようとしている。第三中学は、実験モデル校に指定をされ、数々の先進的な教育が行われている。
しかし、中国国内のアニメファンからは高い評価を得られていない。


中国アニメファンは日本びいき
中国アニメファンは、面白いことに日本アニメを最高と考え、韓国や中国のアニメはレベルが低いという偏見に囚われたままになっている。アニメファンの間には「三文字作画」という言葉がある。エンドクレジットのスタッフ欄に、日本人であれば4文字の名前の人が多いが、中国人や韓国人は3文字であることが多いため、韓国、中国アニメは一段レベルが低いものだという偏見があるのだ。世界は呼喚少女を素直に評価しているのに、中国人が評価をしていない。
中国アニメなのに日本文化そのまま
また、中国アニメであるのに、日本文化をそのまま取り入れている点にも、屈辱的なものを感じるようだ。呼喚少女に出てくる少女たちは、日本人の目から見ると違和感がないが、現実には中国にはあのように短くスカートを履く高校生はいない。また、登場人物のふるまいも日本人的であり、中国人としては違和感がある。まるで日本のアニメスタジオが「ビバリーヒルズ高校白書」をそのままに、日本人キャラクターを使ってアニメ化したような違和感があるのだ。

卓球アニメは高く評価
中国内で評価された中国アニメは、2021年の「白色閃電」(白い稲妻)だ。学園ドラマでありながら、卓球がテーマになっている。描き方は日本アニメの手法を踏襲しているが、卓球のシーンだけは日本アニメを超えている。卓球王国である中国人スタッフが、豊富な卓球の映像から、本気で試合のシーンを作画したからだ。中国で評価されるには、中国らしい秀でた部分が必要になる。
▲中国で高く評価された「白色閃電」(白い稲妻)。作画や動きの水準は今ひとつだが、卓球のシーンは素晴らしい。さすが中国。
▲国内外で高く評価された中国アニメ映画「羅小黒戦記」。全体に無国籍なつくりだが、中国の神話がベースになっている。
日風中国アニメはジェネリックでしかない
中国アニメの技術は決して低くなく、中国の伝統に材をとったアニメには世界に通用する作品がいくつもある。特に、功夫の伝統があるために、人対人のバトルシーンには目を見張るものがある。そのような「国風」アニメは国内外から高い評価を受けているが、「日風」アニメはいつまでも日本アニメが最高のものだとされ続けている。手法だけでなく、演出まで日本アニメを模した中国アニメは、どこまでいってもジェネリックアニメであり、中国アニメ業界は、独自の作風を確立することが求められるようになっている。