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今回は、東南アジアの家電市場についてご紹介します。
現在、iPhoneがインドネシアで販売ができない状態になっています。
https://www.nna.jp/news/2721566
▲インドネシアでの販売禁止を伝えるNAA ASIAの記事
インドネシアでは、国産化率認証という仕組みがあり、この認証を取得しないとインドネシア国内での販売ができないルールになっています。40%の部品を現地調達しなければならないというもので、かなり高いハードルです。それが無理な場合は、40%調達に相当する国内投資を行うことでも認証を取得でき、アップルは約1000万ドルの投資を申し出ているとのことです(このメルマガをアップロードする直前に、アップルは10倍の1億ドルを投資することにしたというニュースが入ってきました)。
近年、東南アジア各国のこのような保護主義的なニュースが目立つようになってきました。インドネシアでは昨年9月に、一時的にTikTok Shopを禁止にしています。TikTok Shopでは、中国の安価な製品が大量に販売されるため、国内企業が圧迫をされるというのがその理由です。しかし、その時にはTikTok Shop関連のビジネスに関わるインドネシア人が600万人以上にのぼると見られ、この人たちの仕事が一瞬で消えることになりました。この時のインドネシアのTikTok界隈はそうとうにパニックになったようです。TikTokでは、規制を受けていない外部ECにコメント欄記載のURLで誘導するなど、多くの人が回避策を求めて右往左往しました。そのような情報がまとめられた通称「TokTok災害復興ガイド」と呼ばれる文章もSNSで拡散をしました。
面白いのはインドネシアのTikTok関係者は、隣国のベトナムやマレーシアに避難をしたということです。隣国ではTikTok Shopは禁止になっていないので、隣国からライブコマースを配信し、隣国のTikTok Shopで買い物をしてもらい、配送をマレーシアにするというものです。
結局、インドネシアではTikTok Shopを禁止しても、国内業者の売上は特にあがらず、効果がなかったということから、現在はTokTok Shopも再開をしていますが、国内価格と比べて中国製品は安すぎることから何らかの規制の枠組みを構築するとしています。おそらく、関税を強化するなどの対応策を取るのだと思います。
2010年代終わり頃から、中国はさまざまな分野で東南アジアに進出を始めました。製品を越境ECを通して販売をする、東南アジア各国に販売拠点をつくる、現地企業に投資をするなどです。
この東南アジア進出が本格化をしたのは2020年のコロナ禍です。コロナ禍は中国人にとって大きなショックを与え、中には中国経済の成長は止まると考える人もいました。そこで、リスク回避をするために東南アジアへの進出が本格化をしました。しかし、東南アジア各国は経済成長が始まったばかりで、国内産業が成長をしている最中です。そこで、中国対東南アジアの衝突が起きています。
多くの製品で、中国製品が優れていることは誰もがわかっています。消費者のことだけを考えれば、安くて高性能の中国製品を輸入した方がいいのです。しかし、そうなると、国内産業が成長せず、経済成長が止まることになってしまいます。そのため、各国は中国製品の流入を抑えつつ、国内産業の成長の余地を確保するという難しい判断をせざるを得なくなっています。
そのため、今後も、中国製品は規制されたり、関税をかけられたり、販売を禁止されることが断続的に続くことになります。
まず、東南アジア各国のデータをまとめておきます。

日本のGDP成長率はマイナスになってしまっていますが、東南アジアはいずれも成長をしており、非常に高くなっています。成長疲れで踊り場にきているタイが伸び悩み、新しい産業体制がなかなか構築できないフィリピンが遅れをとっていますが、一人あたりのGDPが高くなってきているマレーシアとインドネシアは、まだ高い成長率を示しています。
参考に日本のデータもつけておきました(都市化率は基準が異なるので比較できません)。一人あたりGDPは、シンガポールには大きく引き離され、天然ガスなどの資源が豊富にあるブルネイにも負けています(IMFの2023年のデータでは、一人あたりのGDPはブルネイよりも日本の方がわずかに上回りました)。それ以外の国は日本よりもまだまだ低いですが、マレーシアはすでに日本の1/3を超えてきています。成長率を考えると、追いつかれることもじゅうぶんにありえます。
ここで、ちょっと面白いデータをお見せします。

これは各国の住宅の一戸あたりの面積の伸び率と、家電製品の販売額の伸び率を重ね合わせたものです。非常にきれいに連動していることがわかると思います。つまり、家が広くなると家電を買うという法則があるのです。
東南アジアの住宅事情は、貧困層ではまだまだ厳しいものがあるものの、全体としては土の床は減り続け、フローリングやタイルになり、一人あたりの面積も増えてきています。それに伴い、小家電(掃除機、美容機器、キッチン家電など)の売れ行きが伸びています。
この小家電というのは、価格も手頃であり、しかも質の高い生活を実感させてくれるため、経済成長期にはよく売れます。私たちだって、エスプレッソマシンやスロージューサーなどを買えば、ちょっと質の高い生活を送っている気分になれます。
しかも、面白いのは、このような小家電は、ドラマや映画というコンテンツが大きな宣伝効果を持っているということです。例えば、日本でも、米国ドラマ「フレンズ」の影響で、米国のキッチン家電老舗メーカー「KitchenAid」が注目をされたことがあります。フレンズの登場人物であるモニカはシェフであるため、自宅のキッチンにもプロユースのキッチン道具をそろえています。それがルックスがよく、しかも実用性が高いことから人気になりました。日本のキッチンも、昔の台所からオープンキッチンや対面式、アイランド式に変化をしていますが、おそらくはそういう嗜好も海外映画やドラマからきているのだと思います。
東南アジアでも同じです。日本のアニメやドラマが放映されることで日本の家電が人気となり、その後は韓国ドラマが放映されることで韓国家電が人気となり、そして今、中国のショートムービーが流れることで中国家電が浸透をし始めています。
今、東南アジアの小家電市場は戦国時代になっています。以前から、欧米のメーカーが強く、そこに日中韓のメーカーが食い込み、さらには現地国のメーカーも頭角を表してきて、世界で最も競争が激しい市場になっています。
欧米や日本の経済成長は限界に達していて、中国もその限界が見え始めてきています。つまり、今後も成長をしたいという企業は東南アジアとインドに進出をしていくしかありません。
そこで、今回は、競争が激しくなっている東南アジアの家電市場についてご紹介をします。東南アジア市場というと、日本の進出の歴史が長く、日本企業によるインフラが整っているタイとベトナムが、思い浮かべる方が多いかと思いますが、それは中国企業にとっても同じで、中国企業との競争が激化をしていくことになります。一方、インドネシアとマレーシアの2国が、中国企業の進出が遅れている分、中国企業との競争が緩やかで、日本にとっては注目すべき市場になっているということをご紹介します。
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