若い世代の間で、漢方の養生ドリンクが人気になっている。健康素材を使っているだけでなく、老舗の漢方薬局が提供しているということがポイントだ。SNS映えすることもあり、漢方を見直す流れになる可能性もあると餐飲O2Oが報じた。
人気となる漢方ミルクティー
Z世代の間で漢方がブームになっている。漢方薬局が漢方成分を入れたミルクティー「漢方ミルクティー」を続々と発売し人気になっている。SNS「微博」(ウェイボー)では、「漢方ミルクティー」のハッシュタグがついた投稿が30日間で2000万件を超えた。
中国茶カフェが漢方入りの飲料を発売したというのではなく、老舗の漢方薬局が漢方ミルクティーを発売したというのがポイントだ。レトロな漢方薬局でミルクティーを購入するのは写真映えがする。ここも大きなヒット要素になっている。


突然売れ始めた伝統的な漢方ドリンク
この人気の発信源は、浙江省杭州市の浙江省中医院(http://www.zjhtcm.com/)だ。浙江漢方大学の附属病院というれっきとした漢方病院だ。この病院が、昔から中国にある酸梅湯(スワンメイタン)を発売していた。スモークプラム、さんざし、陳皮などを入れた薬膳ドリンクで、夏バテに有効だとして、古くから飲まれている健康飲料になる。
これが今年の夏、普段の10倍以上売れるという異常事態になり、商品は売り切れ、サーバーがダウンをしてしまう事態になった。
北京市の老舗漢方店「同仁堂」でも酸梅湯が飛ぶように売れ、各地の漢方薬局でも売り切れ状態になっている。
養生ドリンクに特化した中国茶カフェ「燉物24章」でも酸梅ドリンクが好調に売れている。


漢方コーヒーも人気が上昇中
老舗漢方薬局の同仁堂は、「知嘛健康」というサブブランドをつくり、漢方成分が入ったコーヒーが飲めるカフェチェーンを2020年から展開をしている。サンザシアメリカンや羅漢果アメリカン、燕麦ラテ、クコラテなど、特色のあるコーヒー飲料を提供している。当初は、なかなか受け入れられず店舗数は拡大をしなかったが、2022年の新型コロナの感染再拡大のあたりから人気が出て、現在20店舗弱にまで増えている。
この成功を見て、小さな漢方薬局が、店頭でコーヒーやミルクティーに漢方成分を入れ、独自の漢方ドリンクを発売することが増えていった。

コロナ禍を経たZ世代は健康に関心がある
Z世代の関心のひとつが健康だ。この世代は新型コロナの感染拡大が学生時代、就活時代にあたっており、さまざまな制限を受けざるを得なかった。そのため、健康に強い関心があるが、病気予防というよりも、免疫などが高くなる体質改善の習慣を身につけたいと思っている。また、一方で行きすぎた科学に対する不安もあり、西洋薬やワクチンに関しては否定的な人が多い。
そのようなZ世代にとって、漢方成分の入った飲料や食品を毎日の習慣として摂るというところに落ち着くのは当然のこととも言える。

健康効果には疑問符も
一方で、今販売されている養生ドリンク、養生食品の多くは、漢方成分は使われているものの、分量としては少なく、健康効果は薄いという批判もある。しかし、それがZ世代に受けているようだ。
知嘛健康のコーヒーは、当初、「漢方の香りが薬臭い」と評判はあまりよくなかった。試行錯誤の上、コーヒーとして美味しく、フレーバーとしてほのかに漢方薬的なにおいがするというところにたどり着き、人気が出るようになった。健康にはなりたいけど、そのために薬を飲むのは嫌だ、普段の食生活の中で効率的に養生成分を摂りたいというZ世代の感覚にマッチをした。
若い世代に伝統的な漢方に興味を持ってもらう機会になる
漢方医の中でも、現在の養生ドリンク、養生食品の健康効果は薄くても、若い世代に漢方に関心をもってもらうことは決して悪いことではないと肯定的に捉える人が増えている。2023年に、カフェチェーン「瑞幸珈琲」(ルイシン、Luckin Coffee)が茅台酒のエキスを入れた「醤香ラテ」を発売し、大人気となり、現在でも定番メニューのひとつとして定着しているのは、茅台酒の健康効果が注目されていることもある。
今後、カフェチェーン、中国茶カフェでは、漢方成分などの新しい素材を使った養生メニューが増えることになりそうだ。