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武漢市に数百台のロボタクシーを投入も、市民からは苦情が殺到。ロボタクシーが渋滞を起こしている?

5月から、武漢市に数百台のロボタクシーが投入され、正式な営業運転を始めた。しかし、市民からはロボタクシーが渋滞の原因となっていると苦情が殺到している。その原因は、AIと人間の運転戦略に大きな違いがあることだと央広網が報じた。

 

無人運転のロボタクシーが一気に数百台規模投入される

今年2024年5月、百度は、湖北省武漢市で無人運転のロボタクシー「蘿卜快跑」(ルオボ)の営業運転を始めた。一気に約数百台規模のロボタクシーを投入し、助手席に安全監視と技術検証を兼ねたスタッフが乗務することはあるものの、基本は無人運転になる。無人運転のロボタクシーは、センターによってリアルタイム管理をされ、AIが判断できない状態になると安全停止をし、センターのスタッフがリモート運転で問題を解決する仕組みになっている。

市民からは人気で、乗車賃がタクシーの半分程度に設定されていることもあり、すでに1日6000回以上の乗車がある。特に乗車賃無料+洗濯石鹸プレゼントのキャンペーンを始めてからは利用者が殺到している。いよいよ、ロボタクシーが日常のものとなった。

百度のロボタクシー「蘿卜快跑」は主要12都市で営業運転を始めた。運転手が乗っていない無人運転によるタクシーサービスだ。

武漢市でのロボタクシーの営業範囲。新市街地を中心に中心部をほぼカバーしている。朝のラッシュ時にはロボタクシーが渋滞の原因になっているという苦情が相次いでいる。

 

武漢市にはドライバーから苦情が殺到

ところが、自動車の保有者からの評判は最悪だ。ロボタクシーのせいで武漢市は深刻な渋滞になっているというのだ。ウェイボーなどのSNSでは、武漢市民による訴えが大量にあり、武漢市政府が運営する「武漢城市留言板」(https://liuyan.cjn.cn/)では、市民が政府機関に質問や苦情を投稿し、機関がそれに回答をするということができるが、ここには340件以上、百度ロボタクシーに関する苦情が投稿されている。

武漢市が運営する伝言板に寄せられた苦情。ひとつひとつに対して、市の担当者が対応状況などの返答をしている。このような苦情が340件以上も寄せられている。

 

ロボタクシーが意味なく止まって渋滞原因となっている

典型的なのは、次のような苦情だ。「開発区全力南片区では、毎朝のラッシュ時、ロボタクシーが異常な交通渋滞を引き起こしています。道路の真ん中に意味なく停車をするからです。普通なら5分で行けるはずのところが20分以上かかります。朝のラッシュ時はロボタクシーの運行を禁止すべきだと思います」

これに対して、武漢市交通運輸局は、この状況をプラットフォームに伝えて、改善するように通達した、その結果は経済開発区交通運輸総合法規執行チームから電話にてご連絡をすると回答した。

また、もうひとつの典型例が、交差点の赤信号で先頭にロボタクシーがいるが、信号が青に変わっても発進をしない。クラクションを鳴らしてもまったく動かないというものだ。後ろの車は進めず、渋滞の原因になっているという。

また、ネットでは、バスの運転手が前のロボタクシーが道の真ん中で停止をしてしまったため進めず、バスを降りてロボタクシーの様子を見に行くという動画も拡散している。

▲ロボタクシーが渋滞の原因となる典型例。ロボタクシーは右車線(右折専用車線)に車線変更をしようとしたが、後ろから車が直進をしてきたため譲った。そのため、車線を跨ぐ形で停止をすることになった。道幅の狭いところ、車の数が多いところでは、後ろの車が進めなくなる可能性がある。

▲道の真ん中で停止をしたロボタクシー。後続のバスの運転手が降りてきて中の様子をのぞいたりしているが、手の施しようがなく途方に暮れている。

 

新しい技術に対する拒否感

評判が非常に悪いロボタクシーだが、このような苦情の嵐になった原因は2つあるようだ。ひとつは、ロボタクシーに反感を持っている人が意外に多いということだ。技術に対する生理的な拒否感があり、運転手の仕事を奪うことを心配している人も多い。このような人たちが苦情の声をあげ、それにネットのもめごとを面白がり、ことを大きくしたい水軍と呼ばれる人たちが便乗して、大きな騒ぎになっている。

5月29日、蘿卜快跑はウェイボー公式アカウントでひとつの声明を出した。

「蘿卜快跑に関心を持っていただきありがとうございます。近日、投稿されている悪意のある苦情、虚偽の事故情報などについては、調査検証をした結果、事実とまったく異なる内容のものが含まれていることを確認いたしました。このような事実と異なる情報発信、世論を煽る水軍行為については、すでに公安に通報をいたしました。現在、捜査を行なっています」。

▲市民からの苦情は多いが、SNSでは存在しないトラブル、事故情報なども拡散し、蘿卜快跑では虚偽の情報発信については公安に通報するという声明を出した。

 

人間とAIで異なる運転に対する考え方

もうひとつの理由は、人間とアルゴリズムの協調の問題だ。「交差点で青になっても進まない」「道の真ん中で停車したままになる」状況は、次のようにして生まれることが多い。

中国の交差点は、赤信号であっても、車がこなければ、小回りになる右折をしてかまわない(中国は右側通行)。ただし、左側から直進車がくることがあるので、その場合は直進車を優先しなければならない。しかし、現実は、直進車の間隔が空いていれば、多少強引であっても右折をしてしまう。この辺りは、人間同士、譲り合っているわけだ。もちろん、強引すぎてトラブルになるケースもある。

しかし、ロボタクシーのアルゴリズムは、交通ルールを厳格に守り、なおかつ安全を考えて保守的な運転戦略をとる。そのため、信号が青になっても、交差する道から右折車がいると、ロボタクシーは右折車に譲ってしまう。本来はゆっくりと直進をすれば、右折車が譲ってくれるのでそのまま進めるはずなのだ。

また、道の真ん中で止まってしまうのも、Uターンをしようとしているケースだ。Uターンをする場合、反対車線の車が途切れないとすることはできないが、現実には車が途切れることはない。そこで人間は、多少強引でも鼻先を反対車線に突っ込んでしまう。すると、反対車線の車が譲ってくれるのでUターンができる。しかし、ロボタクシーは反対車線の車が途切れるまで辛抱強く待ってしまう。

つまり、人間は、厳格に交通ルールを守るよりも、多少軽微な違反になっても、周囲に意思表示をし、周囲もそれを理解して、譲り合って円滑な交通を実現している。しかし、ロボタクシーのアルゴリズム道路交通法を厳格に遵守し、なおかつ安全を考えて保守的な運転戦略を取るため、後続の車から不満が出ることになる。

 

AIと人間はどう強調すべきなのか?

近年、EVに搭載されているNOA(Navigation on Autopilot)=自動運転でも同じことが起きている。たとえば、ファスナー合流では1台ずつ交互にというのがルールであり、運転手の間に共有されているマナーになっているが、自動運転の場合、相手が強引に割り込んできた場合、譲ってしまう。すると、それを見て、次々と割り込みをする人が続き、自動運転車は前に進めない状況になる。

また、信号のない横断歩道ではより深刻な問題が起きる可能性がある。信号のない横断歩道では、歩行者優先がルールになっているが、それを守っている人はほとんどいない。止まったところで、反対車線の車も止まらなければ、かえって歩行者を危険にさらすことになる。ところが、自動運転車は、ルールどおり停止をして歩行者を優先する。すると、後続の車が止まっている自動運転車を追い越して、横断歩道を突っ切ろうとする。ここで歩行者をはねてしまう可能性がある。

理屈を言えば、間違っているのは人間側で、交通法規を厳守すべきなのだが、交通法規は交通法規で、現実を顧みない机上の空論的な内容も多い。

武漢市は、ロボタクシーの導入により混乱が起きているが、人間とAIの協調をどうすべきかという議論が始まっている。

 

 




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