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教皇選挙


これは選挙か、戦争か。
閉ざされたシステシーナ礼拝堂で行われる秘密の投票。
次期ローマ教皇をめぐる極上のミステリーが、その禁を解く。
第97回アカデミー脚色賞

原題:CONCLAVE
監督:エドワード・ベルガー
脚本:ピーター・ストローハン
撮影:ステファーヌ・フォンテーヌ
編集:ニック・エマーソン
美術:スージーデイビス
衣装:リジー・クリストル
音楽:フォルカー・ベルテルマ
原作:ロバート・ハリス


今、映画を観に行く時間が全然なくて、なのに観たい映画は渋滞中でー、どれを優先させたらいいんだー!?と日々悶々としています。『ウィキッド』『ネムルバカ』『Mickey 17』あたりもはずせないんだけどな…。『教皇選挙』はFilmarksでフォローしている方々が軒並み高評価だったので、優先順位を上げました。

最初から最後までおもしろかった!ちょっと巷のテンションとずれている気がするのですが、かなりツボってしまいずっと笑ってしまった。カトリック版『白い巨塔』『半沢直樹』『裏切りのサーカス』。聖職者とはいえ一所に集めれば社会の縮図のできあがり。この作品自体が、わたしが持つ100%偏見にまみれたキリスト教のイメージにもぴったりハマっていて、とても楽しかったです。


以下、ネタバレ




キリスト教のエンタメ強度を見せつけられた!作中で首席枢機卿のローレンスですら「祈り」に疑念を抱いているように、宗教とは常識人であればあるほど解釈が難しいのではないか、と思う。『聖☆おにいさん』じゃないけど、「え??」ってなる説話満載じゃないですか。中でもキリスト教はその筆頭。緻密で繊細というよりも、キャッチ―さ・ダイナミックさで魅せる宗教という印象。そして全体的にまじめなのに、そこはガバいんかい!みたいなゆるさがある。

そんな印象のままに、「疑いのトマス」を筆頭に、十二使徒並みに癖強な候補者たちが選挙で踊る。そして結局はチェスで八手先を読む故教皇が描いた画を脱せない。おそらく故教皇の予想を超える行動をした人物はひとりもいなかったと思う。

しかし、この故教皇の描いた画もそこまで緻密で完璧なものでもなく、かなり枢機卿たちの善性やエモに頼っている部分が大きい*1。もちろんベニテス教皇が誕生すれば最高に痛快だけれど、ダメでもローレンスもしくはベリーニ…くらいの計画に見える。踊らされるかわいそうなおぢたち。個人的には、故教皇の画がギリギリのところで覆されるくらいのバランスが好みだし、たとえベニテスが聖人だったとしてもこういう選挙のあり方は非常に危険だと感じた*2(現実の選挙への風刺とも取れるけど)。
あと、教皇候補の身辺調査ってこんなにゆるくていいのだろうか*3宮内庁の方がよほど厳しそうだ。

ごめんだけど、一番笑ったのはローレンス。「ヨハネと名乗ろうと思う」(教皇名決めてる!w)からの最後の審判ww


『ANORA』よりこちらの方が作品賞向きじゃないかな?と思いつつも、この攻めた着地で脚色賞獲れたのはすごいことなのかな?とも思う。


★★★★

*1:ベニテスに票が集まった時、みんなで素直でいい子だなぁと思ってしまった。「疑いのトマス」も趣旨変え。テデスコですらただ原理主義的なだけで、とくに選挙で不正を働いたりするわけではない。

*2:同じ手法でテデスコが新教皇になったら…と想像してみてほしいし、そうならないために法があるのだと思う。ましてリベラルを標榜する側がこの手法を取るのは、さすがにダブルスタンダードすぎる。

*3:原作者が非カトリックだからこのへんの描写ちょっと心配になってしまった




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