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最近、驚いたこと(30) ……行きつけの理容室にて……




理容室、理容所、散髪屋、理容院、理容店、バーバー、ヘアーサロンなど、
呼び方はいろいろあるが、
要するに床屋(とこや)に散髪(カット)に行ったときの話である。


私がいつも行っているのは、格安料金で知られる理容室チェーン店なのだが、
格安料金で、要望に副ったカットを短時間でしてくれるので、大変重宝している。
長年通ううちに、気に入った理容師さんも見つかり、
なるべくその人がいる曜日に行くようにしている。
その理容師さんは、40代後半くらいの女性で、技術が高い上に、明るく、社交的で、
格安でカットしてもらうのが、気が引けるほどなのだ。
田舎の理容室チェーン店なので、理容師は基本、店に一人しかおらず、
曜日ごとに、理容師が変わったりする。
なので、お気に入りの理容師が見つかると、自ずとその人がいる曜日に行くことになる。
だが、たまに、ローテーションの変更か何かで、お目当ての理容師がいないこともあり、
そのときは仕方なく、違う理容師さんにカットしてもらうこともあった。

数日前、そのお気に入りの理容師さんがいる(であろう)曜日に(理容室に)行った。
開店は9:00なので、8:50頃に行くと、
先客が2人いて、
1人目は、シャッターの前に(先に)荷物を置いて、車を駐車させようとしていた。
超高齢のおじいさんで、もたもたしている風であった。
2人目(50歳位の男性)は、すでに車は駐車させて、その荷物の後に並んでいた。
私も車を駐め、その2人目の客の後ろに(3人目の客として)並んだ。

9:00になり、シャッターが上がった。
客は受付で整理券番号を自分で発券して待つことになるのだが、
シャッターが上がったのに、荷物を置いている1人目の客がまだ来ない。
80代後半か、もう90代になっているのか、とにかく超高齢なので、
駐車でもたついているのかもしれない。
私の前にいた男性が整理券番号1番を取ったので、
私も2番の整理券を発券させて、椅子に腰掛けて待った。

今日の理容師さんは、(私の予想通り)私のお気に入りの理容師さんだったので、
ホッとし、「今日来て良かった」と思った。
整理券1番の男性が呼ばれて、バーバーチェアに腰掛け、カットが始まった。
それでも、一番乗りしたおじいさんはまだ来ない。
早く来て、荷物を置いてまで1番目の客になりたかった(であろう)人なので、
私が呼ばれる前にその人が入店したら、2番の整理券を譲ろうと思っていた。
持参した本を読みながら待っていると、
ドアが開き、そのおじいさんが入ってきた。
なんと両手に杖をついている。
それも、杖先が分岐している多点杖で、


両手に持った多点杖を交互にゆっくり動かしながら、よろめくように入って来たのだった。


そのおじいさんは、整理券の発券機の方へは行かず、
(普段は使われていない)もう一つのバーバーチェアの方へよたよたと歩いて行く。
そして椅子の上に置いてあった物を他の場所へ移そうとしている。
そのバーバーチェアにもう腰掛けようとしているのか?
〈整理券さえ必要としない常連客なのか……〉
と、ちょっと驚いた私は、妙に納得して本を読み続けた。
しばらくして目を上げると、
そのおじいさんは、タオルを用意したり、バーバーチェアの周囲を整理したりしていた。
〈えっ、何してるの? 客じゃないの?〉
驚いた私は、おじいさんの正体をあれこれ詮索し、
ついに、答えを導き出した。
〈この店のオーナーさんに違いない!〉
フランチャイズオーナーだったのだ。
私は、正解を導き出した(であろう)喜びに浸り、読書に戻った。
しばらくして、私は、そのおじいさんから、声をかけられた。
そして、驚愕したのだった。


「整理券2番のお客さん、こちらへどうぞ~」

なんと、その2本杖の超高齢のおじいさんは、理容師だったのである。
私は「はい」と言って立ち上がったまま、
その場に呆然と立ち尽くしていたのだった。



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