
ドラマ「しょうもない僕らの恋愛論」(2023年1月19日~、読売テレビ製作・日本テレビ系の深夜ドラマ枠「木曜ドラマ」で放送中)を観ている。
深夜に放送されている地味なドラマなので、
観ていない人が多いと思うが、
これが実に(おじさんの胸に刺さる、それでいて、しみじみとした)好いドラマなのだ。
原作は、原秀則による漫画(「ビッグコミック」に2019年2号~2021年7号まで連載)で、
全6巻。

40代の独身デザイナーが、二人の女性との交流を通じて、
人生と恋、そして過去にやり残した想いと向き合っていく姿が、丁寧に描かれている。
若者向けのドラマが多い中、
珍しく大人を対象にした大人の為のドラマなのである。
主演は眞島秀和で、
主人公にからむ二人の女性を中田青渚と矢田亜希子が演じる。

第1話「愛した人から突然届いた友達申請」(2023年1月19日放送)
40代で独身、人生の停滞期に入ったデザイナー・筒見拓郎(眞島秀和)は、

学生時代の恋愛にやり残した思いがあった。
後輩の面倒を任されることも多くなり、
〈人生も仕事もこのままでいいのか?〉
と感じている。
ある日、拓郎の元に、
谷村安奈(拓郎が20年前の大学時代に愛した女性)の名でSNSの友達申請が届く。
20年以上も拓郎へ思いを寄せる森田絵里(矢田亜希子)も心配する中、

拓郎は迷った末に許可し、会うことになった。
だが、待ち合わせ場所に現れたのは、
(安奈と瓜二つの)安奈の17歳の娘・くるみ(中田青渚)だった……

第2話「守れなかった20年前の約束と後悔」(2023年1月26日放送)
安奈の娘・くるみ(中田青渚)と対面した拓郎(眞島秀和)は、
安奈が亡くなったことを告げられ驚く。
そんな中、くるみから「行きたい場所がある」と連絡を受けた拓郎は、
昔安奈と訪れたバッティングセンターへ二人で行くことに。

一方、拓郎からくるみと会ったことを聞いた絵里(矢田亜希子)は、
複雑な思いを抱く……

第3話「ライバル登場…揺らぐ自信と情熱」は、
今夜(2023年2月2日、23:59~)放送される。

このドラマで魅力的なのが、中田青渚という女優。

いろんな作品でちょくちょく見かけてはいたが、
今泉力哉監督作品の、
『あの頃。』(2021年2月19日公開)
『街の上で』(2021年4月9日公開)
で、素晴らしい女優として認知した。
【中田青渚】(なかた・せいな)
2000年1月6日生まれ。兵庫県神戸市出身。アミューズ所属。
2014年、漫画雑誌『Sho-comi』が主催する「第5回Sho-comiプリンセスオーディション2014」においてグランプリを受賞。
その後、芸能事務所アミューズからスカウトされ芸能界デビュー。
高校入学のタイミングで上京する。
2016年、『ラーメン大好き小泉さん2016新春SP』にてドラマ初出演。
2017年には、映画『写真甲子園0.5秒の夏』にて、メインキャストとして出演を果たす。
2018年、TBS系火曜ドラマ『中学聖日記』で連続ドラマ初出演。
2021年、映画『街の上で』『あの頃。』『うみべの女の子』の演技で第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞。
2022年には、『善人長屋』にて連続ドラマ初主演を務める。

『街の上で』のレビューで、
『あの頃。』のレビューを引用しながら、私は次のように論じた。
もっとも感心したのは、
青がイハ(中田青渚)の住むマンションに行き、“恋バナ”をするシーン。
これが実にリアルで、
青(つまり若葉竜也)がちょっと考えるような、口ごもるようなシーンもあったりしたので、
〈アドリブもあったのかな……〉
と思っていたら、
アドリブは一切なかったとのこと。
ちなみに、あのくだりは全部セリフ通りなんです。でも、僕は途中でセリフが吹っ飛んで、中田さんに助けてもらうという展開に(笑)。それでもOKが出たんですよ。(「映画.com」インタビューより)
と、若葉竜也は語っていたが、
若葉竜也の(それに中田青渚も)演技が素晴らしかったこともあって、
この「17分ワンカット」のシーンは、
(語り継がれるであろう)本作の名シーンとなっている。

町子の映画の衣装スタッフ・城定イハを演じた中田青渚。

青との“恋バナ”シーンが素晴らしかったのは、
若葉竜也の演技の良さもあるが、
相手が中田青渚でなかったならば、もっとギクシャクしたものになっていたかもしれない。
中田青渚の演技には弾力性があり、
それは相手を撥ね返しもするが、
ときに優しく包み込み、受け入れる。
実に稀有な才能を持った女優だと思う。
今泉力哉監督作品『あの頃。』で中田青渚を見て、
劔(松坂桃李)が思いを寄せる女子大生・靖子を演じていた中田青渚。
劔がハロプロを通して出会った仲間たちと結成したバンド「恋愛研究会。」のイベントに、
友人とともに訪れるシーンや、

イベントを笑顔で楽しそうに観覧する姿に、何か光るものを感じた。

とレビューに書いたのだが、
本作を見て、その輝きが増したように感じた。
これからもっと凄い女優になっていくような気がする。

この予言通り、
一層輝きが増し、凄い女優になっていっているような気がする。
ドラマ「しょうもない僕らの恋愛論」では、
亡くなった母親と、その娘を、一人二役で演じているのだが、

どちらも魅力的で、
中田青渚の女優としての力量が感じられる。
クルクルと変わる表情に魅せられる。

主人公の拓郎(眞島秀和)も、
くるみ(中田青渚)の中に、かつて好きだった女性の面影を重ね、
くるみの中に、安奈の幻を探し、追っているような節もある。
このあたりが実に興味深い。
そんな拓郎を見て、
20年以上も拓郎へ思いを寄せる森田絵里(矢田亜希子)も、
心おだやかではない。

今夜の第3話が楽しみでならない。(第1話、第2話、イッキ見はコチラから)(TVer無料)