
わが家の本棚にあった川本三郎のエッセイ集『旅先でビール』(2005年刊)を再読していたら、
あとがきに次のような文章があった。
昨年、六十歳になった。自分でも信じられないくらいにあっという間の還暦だが、年齢を取るといいこともある。「もう年齢だから」という理由で、世間づきあいを減らしてゆくことができること。
その結果、静かな、自分だけの時間が増える。
(中略)
開高健の『耳の物語』という小説のなかにたしか、「ブルジョアの暮らしって何でしょうかね?」「静かに暮らすことです」といったやりとりがあったが、現代のように忙しく、騒々しい時代に「静かに暮らす」ことは、最高の贅沢だろう。
川本三郎は、1944年7月15日生まれなので、現在77歳。(2022年3月現在)
還暦のときに書かれた文章であるが、
「静かに暮らす」ことは、最高の贅沢……という言葉に、
〈本当にそうだな~〉
と、共感している自分がいた。
前期高齢者になってからは、特に、世間づきあいをほとんどしなくなった。
かつては山仲間と連れだって登山をしていた時代もあったが、
今は、ひとりで山歩きする方が楽しい。
3月22日(火)
静かな山歩きをしたかった私は、
最近やたらとヤマップ族が増殖している作礼山や天山を避け、
登山者に会う確率が低い八幡岳に登ることにした。
朝方まで雨が降っていたので、八幡岳の山頂部はガスっていた。
だが、このあと晴れる予報だったので、

池高原から登ることにした。

右側は自然林で、左側が杉の植林帯。

陽が差してきて、木漏れ陽が美しい。

途中、車道へ出る。

少し車道を歩くと、左側に登山道の入口が見えてくる。

新しい案内板があった。
八幡岳は火山活動によって生まれた山なのだ。

この道は「九州自然歩道」でもある。

この辺りは杉の植林帯で、

倒木も多いが、

アオキの赤い実や、

咲き始めたユリワサビの花が、目を楽しませてくれる。

やがて、自然林の道となり、

登りつめると、

平たい場所へ出る。

ここから再び車道歩きとなり、

ヤブツバキなど見ながらゆっくり歩いて行く。

山頂へ行く前に“オオキツネノカミソリの森”へ立ち寄る。

前回訪れた2月24日とは比べものにならないくらい、
オオキツネノカミソリの葉が茂っている。

いいね~

登山道では、

ユリワサビが開花していた。

可愛くて美しい。

オオキツネノカミソリの葉も美しい。

緑の絨毯を敷いた様。

この時期ならではの風景。

ホソバナコバイモも咲いていた。

ひとつ見つかると次々に見つかった。



もっとも美形だった花。


セントウソウも咲いていた。

八幡岳山頂に到着。


こちらの展望はイマイチなので、
展望所の方へ移動する。

船山(女山)の向こうに見える天山や、

作礼山の眺めを楽しむ。

フキノトウを見ながら下山し、


池高原で、しばし散策。
八幡岳はギブシの木が多く、

この時期、あちこちでギブシの花を見ることができる。

アオモジも満開の花が多かったが、

花期を終え、新緑を芽吹かせた木もあった。

灰色の森や林に、眩い黄緑色があふれる日も近い。

今日も登山者に誰一人会わず、
静かな山歩きを楽しむことができた。
今日も「一日の王」になれました~
