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映画『真夜中乙女戦争』 ……池田エライザが美しく輝く二宮健監督作品……




本作『真夜中乙女戦争』を見たいと思った理由は、二つ。

池田エライザが出演している。


②二宮健監督作品である。



池田エライザを、“女優”として初めて認知したのは、
土屋太鳳主演の映画『トリガール!』(2017年9月1日公開)においてだった。
そのレビューで、私は彼女のことを、次のように記している。

土屋太鳳以外では、
土屋太鳳とは正反対の役柄で、
冷静沈着な島村和美を演じた池田エライザが良かった。



ファッションモデルでもあり、女優でもある彼女だが、
池田エライザを一躍有名にしたのは、「エライザポーズ」と言われる自撮り写真。



口元をつまんで唇を尖らせたポーズをとった写真をTwitterのアイコンにしたのをきっかけに、
2014年中ごろから話題になり中高生の間で流行し、
現在も定番のポージングとして流行っている。



本作『トリガール!』では、
ファッションモデルをしているときのような濃いメークではなかったし、



鳥山ゆきな(土屋太鳳)とは真逆な役柄だったこともあって、
そのナチュラルさがとても良かったし、好感が持てた。



まだ映画出演は少ないが、
これからの活躍が大いに期待できる女優だとう思う。



……あれから5年。
池田エライザは、驚くべき変化を遂げている。
モデル、女優としてだけではなく、
ミュージシャン、


司会者、


カメラマンなど、


様々なジャンルに挑戦し、
よりマルチに活躍しているのだ。
“この道一筋”人間よりも、
“なんでもできる”人間を尊敬する私としては、
これだけでも十分に尊敬に値するのだが、
池田エライザは、なんと、映画監督までやっているのだ。


『夏、至るころ』(2020年12月4日公開)という映画なのだが、
10代で上京した自身のエピソードを基に撮りあげた半自伝的作品で、
自然あふれる福岡県田川市を舞台に、2人の男子高校生が初めて自分の人生と向き合い、
それぞれの一歩を選び取るまでを描いている。


その『夏、至るころ』を鑑賞した私は、正直驚いた。
時代の最先端を行くファッションモデルでもある若い女性が監督をやるとすれば、
(同じく20代の女性監督である)
山戸結希監督作品『溺れるナイフ』や、
井樫彩監督作品『NO CALL NO LIFE』のような、
ヒリヒリするような危うさを持ったポップでオシャレな映画を(誰しも)想像するのではないだろうか……
それが、
浮ついたところがまったくない、古風で、オーソドックスな映画を、
丁寧に丁寧に撮って、初監督作品をものしていたのだ。
この映画を見て、私は池田エライザの大ファンになった。


昨年(2021年)は、
(ヒロイン・古見硝子を演じている)NHKのドラマ、
古見さんは、コミュ症です。」(2021年9月6日~11月1日)を楽しませてもらったし、




今年(2022年)は、
バラエティ番組「ぐるぐるナインティナイン」のゴチ新メンバーとして発表され、
一際注目を浴びている。(この番組は私個人としてはあまり好きではない)




そんな池田エライザの出演作ならば、ぜひとも見たいと思った。


二宮健監督作品『チワワちゃん』(2019年1月18日公開)を見たのは、
もう3年前のことであるが、
そのレビューで、私は、
……新鋭・二宮健監督と新人女優・吉田志織が生んだ傑作……
とのサブタイトルを付して、次のように絶賛した。

結論から言うと、
エネルギッシュな若者たちの青春を描いた傑作であった。
映像と音楽センスが優れ、
冒頭から見る者を圧倒する。



映像に乗せられ、
音楽に乗せられ、
あっという間に映画の世界へ連れ去られる。



原作者・岡崎京子の作品世界、
蜷川実花監督作『ヘルタースケルター』にあった極彩色の映像や空虚さ、
行定勲監督作『リバーズ・エッジ』にあった爆発寸前の愛憎や孤独や性といったものを、
しっかりと内包しつつ、
前2作にはない“疾走感”で、
鮮やかに青春を切り取って、その断面を見せてくれた。



『チワワちゃん』を脚色、演出し、しかも傑作に仕上げたとき、
二宮健監督は弱冠27歳だった。
あれから3年、
二宮健監督が池田エライザをどのように撮っているのか、
楽しみにで仕方なかった。
で、ワクワクしながら映画館に駆けつけたのだった。



4月。上京し東京で一人暮らしを始めた大学生の“私”(永瀬廉)。


友達はいない。
恋人もいない。
大学の講義は恐ろしく退屈で、


やりたいこともなりたいものもなく鬱屈とした日々の中、
深夜のバイト帰りにいつも東京タワーを眺めていた。


そんな無気力なある日、
「かくれんぼ同好会」で出会った、
不思議な魅力を放つ凛々しく聡明な“先輩”(池田エライザ)と、


突如として現れた謎の男“黒服”(柄本佑)の存在によって、


“私”の日常は一変する。
カリスマ的魅力を持つ“黒服”に導かれささやかな悪戯を仕掛けたり、


“先輩”とも距離が近づき、思いがけず静かに煌めきだす“私”の日常。


しかし、次第に“黒服”と孤独な同志たちの言動は激しさを増していき、
“私”と“先輩”を巻き込んだ、壮大な破壊計画“真夜中乙女戦争”が秘密裏に動きだす。
12月25日未明、
痛々しくも眩しい物語は、予測不可能なラストへと加速していく……




原作は、
若者に人気(らしい)の作家Fの同名小説(2018年刊/KADOKAWA)であるが、(未読です)


ストーリー的には、それほど新鮮味はなかった。
いろんな作品(『いちご白書』『ファイト・クラブ』等)を繋ぎ合わせたような、
ライトノベル風な展開、
どこかで聞いた(読んだ)ことのあるような言葉(名言?)のオンパレードで、
人生経験豊富(そうなのか?)な前期高齢者の私にとっては、
どこか懐かしさ(悪く言えば幼稚さ)さえ感じさせるストーリー展開であった。
若者にとっての「破壊願望」は麻疹のようなもので、
60年代の学生運動を持ち出すまでもなく、いつの時代の若者にも共通したものであるし、
そのこと(破壊)自体に「新しさ」はない。
……こう書くと、なんだかつまらない映画だったような印象を与えるかもしれないが、
そうはなっていないから、「あーら不思議」。
凡庸な監督だったら、本当につまらない作品になっていたと思うが、
さすが二宮健監督、ハイレベルな作品に仕上げていて、秀逸であった。

映像と音楽センスが優れ、
冒頭から見る者を圧倒する。

映像に乗せられ、
音楽に乗せられ、
あっという間に映画の世界へ連れ去られる。

『チワワちゃん』のレビューでも書いたように、二宮健監督は、
その見事な“疾走感”で、
鮮やかに青春を切り取って、
その断面を見せてくれるのだ。


二宮健監督の独自の感覚によってデザインされた『真夜中乙女戦争』は、
永瀬廉(King & Prince)、池田エライザ柄本佑の好演もあって、
「見るべき」「見られるべき」映画となっている。



中でも、池田エライザは、光り輝いていた。


ミステリアスで、謎多き“先輩”を演じているのだが、
二宮健監督が池田エライザの顔のアップを多用していることもあって、
彼女を「見る」ことを第一目的に本作を見に行った私にとっては、
「大満足」の一作であったと言える。


『チワワちゃん』の主演は門脇麦であったが、
実質的な主役が(チワワちゃん)吉田志織であったように、
本作『真夜中乙女戦争』の主演も永瀬廉であるが、
二宮健監督にとっては(それは私にとっても)、
実質的な主役は池田エライザであったと思う。
それほど彼女は魅力的であった。
二宮健監督の特徴は、
ポップな映像と音楽にあると思うのだが、
池田エライザ自身が作品の中の映像美の一部であったと思うし、
池田エライザの声そのものが音楽であったと思う。(事実、劇中で歌ってもいる)


本作を撮っている最中、
二宮健監督はどんどん池田エライザが好きになっていったのではあるまいか?
カメラはグイグイと池田エライザの顔に迫り、
見る者はスクリーン一杯に映し出された彼女の顔に魅了される。
池田エライザの顔だけを見に、
私は、また、本作を二度、三度と見に行きたいと思ったほど……であった。


今年(2022年)3月5日放送予定の、
TVドラマ「津田梅子 ~お札になった留学生~」(テレビ朝日)で、
山川捨松の役で出演予定とのことで、
津田梅子を広瀬すず
山川捨松を池田エライザ
永井繁を佐久間由衣が演じるようなので、
(私の好きな女優ばかり出演しているので)こちらも楽しみ。



圧倒的カリスマ性で他人の心を一瞬で掌握してしまう謎の男“黒服”を演じた柄本佑も良かった。
既視感のある物語を、そうと感じさせない演技は、評価に値する。
どんなに現実離れした物語であっても、柄本佑が演じることによって、
リアルな出来事として見る者に迫ってくる。
彼が“黒服”を演じていなかったならば、
本作は、どんなにか「つまらない」作品になっていただろう……



“私”が通う大学の“教授”を、渡辺真起子が演じているのも嬉しかった。
渡辺真起子は私の好きな女優で、これまで、
最低。』(2017年)
ミッドナイト・バス』(2018年)
友罪』(2018年)
きみの鳥はうたえる』(2018年)
『こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話』(2018年)
『"隠れビッチ"やってました。』(2019年)
『風の電話』(2020年)
『浅田家!』(2020年)
などで楽しませてくれているが、(レビューも書いている)
本作『真夜中乙女戦争』でも、出演シーンは少ないものの、
確かな演技で、本作を見る価値あるものにしている。



“私”の日雇いバイト先の現場監督・松本を演じた安藤彰則も印象に残った。
このバイトの過酷さが、後半の「破壊」へと向かう心理に繫がっていることを思うと、
このシーンは重要であったと思われ、
少々過剰演技ではあったが、心のこもった魂の演技であったと思う。



本作の主題歌は、
世界的な歌姫ビリー・アイリッシュの「Happier Than Ever」なのだが、


映画の余韻に浸りたいエンドロールのときにこの曲が流れ、
実に心地好いひとときを味わうことができた。


この手の映画は、賛否が分かれるものであるが、
私は好きな作品であったし、
池田エライザを見ることができたというだけで大満足であった。
池田エライザにも、二宮健監督作品にも、
今後も注目していきたいと思っている。




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